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2022年度診療報酬改定の方向性(6)

こんにちは。ホワイトボックス(株)コンサルティング部の阿部です。
今日は12月30日。すっかり年の瀬も押し迫ってきましたが、先日編集を担当しているメルマガ「☆キラリと光る☆ 病院マネジメントのヒント」で作成した、「22年度診療報酬改定の方向性」シリーズの最終稿をあげたので、noteのほうにも掲載しておきたいと思います。

↑ ダウンロードはFreeです。


▽前回までの記事はコチラ


▽第6回はDPC/PDPS制度編

一般の方には知られていませんが、救急車を多く受け入れたり、手術を沢山行っているような病院は急性期病院と呼ばれ、病院が国から受け取る診療報酬は1日当たり包括払いといって、宿泊費に該当する入院料に検査や投薬といった費用が含まれています。

いまでは急性期病院の89%、ほぼ9割の病院がこのDPC制度に参加しているので、こうした包括支払制度が急性期病院のスタンダートといっても過言ではありません。

▽DPC制度の概要

DPCは(Diagunosis Procedure Combination)のことで、Diagunosis(診断)、procedure(治療、処置)、Combination(組合せ)をそれぞれ意味しています。要は「治療や処置に類似性や代替性のある診断群の組み合わせ」のことをいっています。

DPC/PDPSのPDPSは(Per-diem Payment System)で、Per-diem Payment(1日当たりの支払い)System(方式)のこと。

治療や処置に類似性がある診断群はグループ化され、入院1日当たりに医療機関へ支払われる報酬が決められている、というものです。

治療や処置の類似性をどうやって決定しているかと言えば、このDPC制度に参加あるいは参加の準備をしている医療機関から退院した患者に関するあらゆるデータ、例えば日毎に行われた処置や使用された薬剤や手術、リハビリなといったデータが匿名化して集められ分析されることで、○○○という疾患であれば、△△の手術が広く行われ、✕✕日ほどで退院あるいは転院をしている、といった具合のことが分かり、これにより診断群分類と診療報酬が決められていく、という形になります。

先にダウンロード可能な資料として掲載した「22年度改定の方向性(6)」では、このDPC/PDPS制度に関する診療報酬改定で議論されてきた内容を私なりの視点でコメントしたものをアップさせてもらっています。


▽急性期病院ってなに?

病院は大きく4つの機能に分類されます。先進的な治療が行われる高度急性期病院、救急車の受入れや手術が多く行われる急性期病院、急性期治療は終わったものの、社会復帰までには今少しの治療を要する人を受入れる回復期病院、そして入院と治療に長期間を有する慢性期病院といった形です。

急性期病院ってなに?といえば、救急の受入れを行い、手術を提供し、またなるべく短期間(21日以内)に退院あるいは転院をさせ、新たな急性期の患者さんを受入れる病院、ということになります。

一方で、急性期病院と自負しつつも、実は手術の件数が少なかったり、救急車の受入れ件数が少なかったり、あるいは患者さんの在院日数が長かったりする病院があり、こうした急性期病院は「なんちゃって急性期」と揶揄されることがあります。

揶揄されるだけならまだしも、2年に1回行われる診療報酬改定では、全国から集まるデータが分析・議論され、平均から外れているケースなどは「報酬を低くしよう」ということが決められてしまいかねません。

そのため、DPC病院では自分たちの病院がどの位置にあるのかといったデータが日々分析され、改善するための行動がとられ、結果として良い医療が提供される、というサイクルに乗っていくという流れがあります。

▽おわりに

診療報酬改定のシリーズ記事は、私が編集を担当しているメルマガをnote用に書き下ろしたものとなっています。

本来であればメルマガの登録読者用記事ですが、診療報酬改定は来年4月。賞味期限もあるものですので、こちらにも転載させてもらっています。

本記事をご覧になってメルマガに興味をお持ちいただいた方は、下記のサイトにもお立ち寄りください。過去のバックナンバーがご覧いただけます。

それでは、今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

2021.12.30 阿部 勇司

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