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大病院の闇 ”痛みと熱に耐える患者を門前払い” 地域医療を考える「陸別」「足寄」から通う患者の為に



大病院はヒエアルキーがあり、医師がトップである。6年間の医学生活があるが、研修医期間がある。医師は患者を助けるためにいるのであって、決して自分の名誉や威厳に奢ってはならない。それは、結局は、自分の評判を落とし「貴方は信用されないだろう」?

------私は地方都市の、拠点病院ではない、デイケアセンターに行くつもりである。

タイランド 女性患者のアンケート2000’ 村上ら から


■患者のストレス 大病院になればなるほど「患者の未診察」傾向は強くなる。

8.通院や入院にあたっての障害
通院頻度を1.定期的2.定期的ではない。3.通っていない。3件で尋ねている。1.定期的に通院42名(79.2%)と8割を占める定期通院が認められた。不定期だが通っている2.を足すと51名(96%)となった。通院障害14項目は障害になっている数値を表7にまとめる。
Chart.NO7:The HURDLE which can NOT going to Hospital regularly. 表7 通院障害 n53.
毎月の医療費。 10p /18.8%
通院時の交通費。 16名 /30.1%
通院距離・時間。 15 /28.3
待ち時間の長さ。 22 /41.5
複数の病院受診。 8 /15.0
通院交通手段。 15 /28.3
仕事学業遅れ。 22 /41.5
家事。 15 /28.3
子供の世話。 19 /35.8
介護。 18 /33.9
職場学校への言い訳。 10 /18.8
家族へ言い訳。 3 /5.6
プライバシー漏洩。 13 /24.5
特定の医療者との関係。 4 /7.5
待ち時間の長さ、仕事学業の遅れが共に22名(41.5%)と一番高い数値になった。
2000年度HAWが日本にて実施した統計では、プライバシー漏洩54.7%、職場学校言い訳48.4%、通院距離・時間43.8%。40%を超える3項目中2項目は、自己のHIVポジティブという事実を他者に知らせていないことから生じる患者自身が感じる強迫概念であろう。また、日本におけるHIV拠点病院制度は関東圏の5~10施設・総合病院に患者が集中しており通院距離と時間を使っても多くの人々が通っている。この3点は今の日本を象徴しているのかもしれない。身内にも、コミュニティーの信頼者にも“言い出せない”社会背景があり、臨床経験の多い信頼出来る医者がいる病院に患者が集中してしまう。
一方タイ国では待ち時間と仕事だ。これは相関関係にあり、もし治療を選ぶのならば仕事時間は短くなり、もし仕事を選んだら治療は受けられないだろう。待ち時間においては日本も同様、日常的な話題となっている。しかしながらこの待ち時間の簡略化が進まなければ仕事をしなければならない(収入を生み出さなければ)人々にとってより通院困難、他科へのエスケープは促進されていくだろう。


■5.地域別データ
アンケート集計を全体統計と地域毎統計2つとった。2つの統計は地域毎のライフスタイルの違いをはっきりと浮き彫りにした。

Chart NO5A Questionnaire total by Area.
表5A アンケート地区別
Province ChiangMai Phayao
District 1.City 2.MeaRim 3.Other 4.ChiangKam
(プライバシー保護の為パーセンテージのみ表記)
県Phayao / ChangMaiに別け、ChiangMaiではHIV臨床経験豊富な専門医のいるCITYとMeaRimを2つのカテゴリーに分けた。ChangMai市内 からアクセス(自家用車、定期バスetc)するのに1時間以上かかり治療アクセスが困難と思われた地域、また回答者中少数派をまとめてOTHERとした。OTHER地域は次の通りSan Kamphaeng. Doi Row. San Sai .
Mae Taeng. Hang Dong. San Pa Tong. 6地域をまとめた。(地図2P参照)


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■9.医療者との関係
10項目に及ぶ質問は4段階選択になっている。“まったくそう思わない。”“あまりそう思わない。”2段階を思わない1つにまとめ、そう思うも2段階だが1つにまとめ表8にする。
Chert.8 Mental/ 表8 心理状態 (欠損あり)
項目 思わない 思う
症状は放っておいても良くなる。 44(82.9) 9(16.9)
症状は自分で改善できる。 37(69.8) 11(20.7)
症状は気持ちの持ちよう。 15(28.3) 38(71.6)
体の変化の対処法を聞いた。 4(7.5) 49(92.4)
医師に専門外のことは聞かない。 29(54.7) 24(45.2)
症状を伝えるのは恥ずかしい。 47(88.6) 6(11.3)
対処法はない。 31(58.4) 22(41.5)
医療者は理解しない。 40(75.4) 12(22.6)
医師多忙遠慮を感じる。 47(88.6) 6(11.3)
病状を伝えて良かった。 3(5.6) 50(94.3)
“病状は気持ちの持ちようで改善できる。”思う38名(71.6%)“医師に専門外のことは聞かない方がいい”思う24(45.%)“対処法は無い”思う22(41.5%)高い数値3つの項目中、医者の存在意義を否定する回答2項目。自己解決型の気持ち次第が1項目。他7項目は医師に対し好意的かつ信頼をよせている。

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■10.コミュニティー参加・自立
アンケートからは同じ女性感染者の知人がいると回答した数、51名(96.2%)と高い数値だった。同じ設定で男性の知り合いはいるか?の質問は24.5%にも及ぶ故意な無回答になっており掲載は控える。この理由は様々に考慮されるが否定的な理由であろうと思われる。自助グループの数は北タイのみで200~300あると指摘がある。経済的自立のみ焦点をあてた場合、タイ国女性労働力率は1990年76.3%から2000年64.2%に低下。(ILO.2003’調べ)現在も同じ推移で解消されていない。理由は進学率上昇、経済危機。タイ女性に非常に多い内職業は低賃金・不規則労働が問題として上げられ社会保障の対象外になっている。

■女性労働力率の変化
国 1990年 2000年 変化率 男女間格差
1990年 2000年
香港 46.6 48.5 1.9 -32.3 -27.0
韓国 47.0 47.4 0.4 -27.0 -27.0
バングラデシュ 65.4 55.9 -9.5 -22.6 -32.9
パキスタン 11.3 15.2 3.9 -73.6 -67.2
インドネシア 44.6 51.5 6.9 -38.1 -33.1
マレーシア 45.2 44.7 -0.5 -36.7 -38.1
フィリピン 47.5 50.0 2.5 -34.3 -31.8
シンガポール 50.3 51.3 1.0 -28.9 -26.2
タイ 76.3 64.2 -12.1 -11.4 -16.1
Sause.ILO 、Key Indicator of Labour Market 2001-2002


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ナースは「さいたい式」に患者に寄り添うことを誓う

病院では「医師」は指示するだけ、ずっと患者に寄り添うのはナースであり「患者の加護」をしなければならない。医者の間違った指示は訂正しなければならない。

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