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つき合いの長い《ご指名のセラピスト》だからこそお客様は本音を言いにくい?

お客様は60点くらいの施術をしてくれたらセラピストを指名する。


サロンでこんな出来事があった。

ちょうど80歳を迎えたというAさん(男性)は、
とても元気でおしゃべりも好き。思った事はハッキリと言うタイプだ。

久しぶりの来店だったが、いつも必ず指名するセラピストのB子さん休みだったので、フリー(指名無し)で男性セラピストが担当した。

男性セラピストがAさんに、お疲れの部位などを質問し、Aさんがそれに答えると施術はスタートした。

そしてスタート直後、Aさんは男性セラピストにこう言った。

「脚はゆっくりやってくれる?B子さんのは、いつも早いんだ…サササーってやっちゃって、あ~そこそこ!って思ったころには、もう他の所いっちゃってるからさ~。なんか物足りないんだよね😥」

あんなに何でもハッキリ言えるオジサンでも、
そんな遠慮をしているものなんだな…
改めてそう思わされた出来事だった。

いつもAさんは、何でもセラピストのB子さんに喋って会話も弾んでいた印象だったのに…

セラピストB子さんは《気にしい》だから、そんな事をご指名客Aさんが別のセラピストに話していたと知ったら、きっと落ち込むだろう。

でも、お客様は案外そういうもんだ。
僕は常日頃からそう思っていた。

僕の事はどのくらい、お客様が他のセラピストさんに喋っているのか?それはほとんど分からない(たま~に教えてくれるセラピストさんもいる。僕は喋らないけど…)
しかし、他のセラピストさんの話を、お客様が僕に喋る事はたまにある。

それは、セラピストさんの名前を出して話される場合もあれば、そうでない場合もあるが、こんな話をされる。

お客様は、「たいていのセラピストさんは、これこれこういう感じのやり方でイマイチなんだけど、コットータンさんのやり方はとても私にあってます…」というような感じで誉めてくださったりする。

そう。リラクゼーションセラピストのお仕事は、お客様に、面と向かって誉められる事はあっても、なかなかご不満やご意見を直接いただける機会は少ないのだ。



それどころか、セラピストからしてみたら「言ってくださいよ~」と言いたくなるような
ほんの小さな要望もなかなか言って貰えない。

お客様にとっては、貴重な癒しのひとときだ。
セラピストにヘソを曲げられたら、かえって損をするかも知れない…というリスクは少なからず感じるものだと思う。

また、お客様は、自分にピッタリの相性が良いセラピストに出会える確率の少なさを、なんとなく分かっている。

だから60点くらいの施術をしてくれたセラピストに出会えたら、不足の40点の部分はいちいちセラピストに告げずに「お名前教えていただけますか?」と次回のご指名を予感させてくれたりするものだ。

不足の40点は《ノビシロ》という事で、温かく見守ってくれる…と言った感じだろうか…。

セラピストとしての自分の欠点を、他のセラピストに喋るお客様もいれば、黙っていてくれるお客様もいる。

けれど、どちらにしてもパーフェクトな100点満点の施術で、非の打ち所も無いという事はなかなか無いであろう。

カラオケの採点機能のように点数を明確にしてくれる訳でもないから、何点マイナスだったのか?と、不安になるキモチも分かるが、恐がる事は全く無い。

そこをチャンスに変えたいものだ。

何十回、何百回と、ご指名で通って下さるお客様だからこそ、(私に言いにくい事は無いかな?)という前提に立って、セラピストがお客様とのやり取りを出来たら、それだけで嬉しいお客様は沢山いる。

お客様には何も言われないし、
いつも指名してくれるし…

それは、たまたま他のセラピストと比べれば、
まあまあよかった…という事に過ぎない。

最初は60点でもいい。とりあえず施術させてもらう権利は得たのだ。

残りの40点を、こちらから教えてもらうようなつもりで施術する。そうする事によって少しずつ100点に近づき、お客様にとって《替えの利かない貴重なセラピスト》になれるのだと僕は思っている。


       コットータン😊



      

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