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梶原一騎原作漫画読破への道(2)

リストからホームページ作成へ!

 『劇画王 梶原一騎評伝』『「梶原一騎」をよむ』『マンガ地獄変』。これら3冊に載せられた作品年表を基にリスト作成に着手を開始しました。
『チャンピオン太(画・吉田竜夫)』で(※オフィシャルな解釈として週刊少年誌に)原作者デビューをした1962年から、遺作『男の星座(画・原田久仁信)』が書かれた1987年までノート1頁に1作を記入し、漫画家、掲載誌、掲載期間、単行本巻数等のデータを書きます。まず1冊目の年表で作成した後、別の年表を重ねて情報を補完していく方法で進める訳ですが、そこで前の年表にはない作品を見つけ加えていく分には作業は楽。が、困るのは同一タイトルで漫画家や掲載誌、連載年度が異なるなどの各冊で統一されていない情報を見つけた場合です。メジャーな作品なら“それは違う!”と断定できるが初めて知るタイトルも多く、その問題を解決する為には結局自身で答えを導きだすしかない!という結論に達しました。ではどうやって…?Aという作品の掲載誌が、少年●●・少年××・少年△△と各冊で情報が異なれば、その雑誌の各1年分の確認をすれば良い訳だが、古書店にある雑誌の表紙を見て調べるには、号が欠けてる場合もあり手間。早稲田の漫画図書館は1冊読む毎に料金がかかりコスト面に問題あり。最終的に入館無料・貸し出し無料の施設・国会図書館で調べる事になったのです。
 また時を同じくして、通いなれた古書店で通販を目的とした目録を入手したり、懐かし漫画を特集したサブカル雑誌を買ったりと、次第に増え続ける情報の補完と検証を重ね、私の作品データリストは精度を増していったのです。そして1998年!私はそのデータを基にホームページを作ることを決意したのです!

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↑テレビブロスに掲載された記事

 パソコンに興味を示すキッカケは人それぞれでしょうが、私の場合は“インターネット”でした。そもそもパソコンに関する基礎知識が大きく欠落(つまりはメカ音痴)していた私の「パソコンで何ができるか?」という疑問に、知人はこう答えたのです。「パソコンがあればインターネットが楽しめる。ネット通じてあらゆる情報が入手できる!」と。それが本当なら、当然梶原一騎の情報(作品データ等)も容易に入手が可能になる…。
 ものは試しと、とりあえず会社近くのネットカフェに行き、ネットサーフィン(この言葉も懐かしいですね)を初体験しました。店員の説明を聞き、検索ワード・梶原一騎を入力するとズラっと並ぶウェブサイトの数々。そこからリンクしてアクセスを重ねていった訳です…が!その全部が古書店サイトの販売ページでした。アレコレ方法を変えてみたのですが、私の求めている“梶原一騎に関する情報を網羅したサイト”は存在しなかったのです。手塚治虫や藤子不二雄系はいくつあったにも関わらず…。何でも入手できるはずの魔法の箱・パソコンでも叶わない事実に落胆する一方で、“無いなら自分で作ればいいじゃん”という気持ちもわき上がり、購入の決意に至った訳です。
 必要なハードとソフトを揃え、プロバイダ契約、ネット接続手配、HTMLの勉強、画像やテキストの素材準備を経て、1998年6月1日。自身初のホームページがついに開設しました。サイト名はかなり悩んだ覚えがあります。実は当初から“一騎に読め!”が浮かんでいましたが、この命令口調にネット上の梶原ファンから「にわかファンが何を傲慢な!ごるぅあ!」と怒られたらやだなぁ…と弱気になり、ちょっと謙虚な姿勢を示そうと“一騎に読む蔵”に決めました!

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↑インターネット雑誌に掲載された記事その2

 ここで少し脇に逸らさせていただき、ホームページ開設後の余話をアレコレと。読破活動にインターネットを加えたことで、様々な交流が広がった話は前回しました。実はコレ以外にもホームページ効果による出来事が私の身に起こったのです。最初にあったのは“雑誌にホームページを紹介したいのですが”という申し込み。当時は様々な形態のパソコン専門誌が百花繚乱のごとく刊行されており、様々な切り口で個人のホームページを紹介する企画がありました。私の場合ですと漫画ネタですね。メールでの依頼にOKの返事をするだけなので、どういう風に載るのかは当日まで分かりません。発売日は書店にダッシュ!して購入。わずか1頁程度ですが凄く嬉しかったですねぇ。変わった所では“懐かし漫画のクイズ企画があるので、梶原作品で問題を作ってくれませんか?”とか“アニメ「巨人の星」で飛雄馬と一徹が剣豪の格好をして戦ったのはエピソードがあるって本当ですか?”というのも。他にも“WEBマガジンで連載しませんか?”という依頼を受けて、梶原一騎作品ネタを書いたこともあります(※5本掲載した所で残念ながら配信終了に)。それと、これは随分後の話ですが某CS番組に梶原一騎ファンとして出演依頼もありました(こちらは撮影まで済ませた後、時間の関係で全カットに(涙))。“一騎に読め!”というホームページは、交流関係の広がりだけでなく、それまでの生活では味わえなかった経験をさせてくれたことにもなるのです。
 その他、“一騎に読め!”開設以降はいろいろな出来事が起こる訳ですが、それらは次回より各作品毎の思い出話と共に少しずつ紹介していきたいと思います。お楽しみに!

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↑WEBマガジンに連載された記事(のプリントアウト)

梶原一騎原作漫画読破への道(3)に続く