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僕の「あしたのジョー」の時代(2)

 劇場公開が決まった1979年暮れ頃から1980年初頭。その宣伝プロモーションのためかジョーに関するものが目につき始めました。その中で印象深いのがALBAという腕時計のCM。映画の主題歌でもある、おぼたけしさんの歌う「美しき狼たち」がBGMでした。それと連動するように関連書籍も多数刊行されました。アニメブームという背景もあるのでしょうが、こうしたムック本やアニメ誌の記事によって“手元で何度も反芻出来たり、より細かな知識や情報を得る楽しみ”を味わえていた訳ですね。リアルタイム世代の人達はコミックスとソノシート、アニメの記憶位で作品を味わうしかなかったから隔世の感があります。そういう意味では恵まれていたと言えるでしょう。

 1979年1979年3月封切で進行した企画も、以降1979年8月→1980年正月公開と変更が続き、最終的に1980年3月8日と決まったようです(※徳間書店刊行 ロマンアルバム13「あしたのジョー」内記事より。昭和53年10月の時点の情報)マガジン連載時のジョーブームを語るキーワードとして「学生運動」「反体制」「右手にジャーナル、左手にマガジン」なんて言葉がよく出てくる。僕らの頃は無論ジョーのリバイバルブームの熱気を受けて体制に異議を唱えたり、権力に楯つこうなどという行動を起こす若者はいなかった…はず(^^;)さしずめこの頃は「右手にアニメ誌、左手に関連グッズ」ってな感じだったかな。ともあれ映画関係者のプロモーションと受け手側の熱が噛み合い、三度目の再放送(18:00~日本テレビ)において劇場版公開の数日後の3月13日。第13話の視聴率が何と31.6%を記録したのでした。(この高視聴率を受けてTVアニメ・パート2の企画が本格的に動き出します)

 関連音源について。まず1979年5月1日「グッバイジョー」がリリース、歌うのは梶原先生の2番目の奥様でもあったスザンナ・スー。続いて12月15日「あしたのジョー 〜美しき狼たち〜」なのですが、公開の3ヶ月も前にリリースというのは驚きというかほとんど忘れていました。上記の事項から想像すれば、本来正月公開に合わせた形が結果的にロングプロモーションみたいになってしまったようですね。でも35年前のうっすら記憶では「ああこれから公開される映画の曲なんだぁ」位で普通に受け入れていたような…。明けて1980年1月1日に映画のエンドロールに流れた「K.O(ノックアウト)」作詞が村上龍さんだったというを知ったのは随分後の事でした(汗)

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