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#4 前の車のナンバープレートを読む

運転しながら周囲の車の「動き」を読むことは、安全・快適面からも長じておきたい。たとえば「行灯(あんどん:車の屋根のランプ)」を灯しているタクシーはお客さんを乗せていないので、左側の歩行者の動き次第ですぐ停ることがある、なんてのは基本である。私は読める範囲で「ナンバープレート」を確認する。まあだいたい、自分の目の前を走る車のことである。

まず、今走っている場所の近くが車の登録先なのかどうか。たとえば目黒通りを走っていて、品川ナンバーや世田谷ナンバーであればまあご近所だろう。これが東京東部の足立、葛飾、江東だったり、西部の多摩、八王子のプレートをつけていれば、遠くからやってきたorこれから遠くへ帰るのだろうと察しが付く。朝なら早い時間に家を出てこれから行き先まで急ぐのだろう。夜だとこれからもう一踏ん張りして家路につくのだろう。あるいは帰宅時に横浜ナンバーが都内の幹線道路を西に走っていれば、すぐに小道に曲がることはなくそのまま都県境を渡るルートを選ぶだろうなと思う。車線の選び方の予測もつく。

さらに関東圏外のナンバーをつけていれば、長距離を走ってきたのか、都内の生活者だけど単に登録が前のままなのかと思う。この想像からは「あまりこの辺の道に慣れていない人かも」の警戒心も働く。ま、不意の動きがあっても慌てない程度に備えておく。

数字にはあまり意味をもって見ることは少ない。同じ数字が並ぶ“ゾロ目”や一桁台のナンバーを付けている車は、「こだわりがあるんだろうな」位には思うが、ナンバーより車種や色の方が、所有者のこだわりを雄弁に語っていることも多い。

長距離ドライバーへの敬意と警戒

高速道路や有料自動車道路を近畿以西の遠隔地のナンバーをつけたトラックが一定の速度で走っていれば、ほぼ間違いなく長距離ドライバーである。膨大な物流の一端を支えていることに敬意を払いつつも、車体がでかいので、当方が先方の死角にはいる可能性もあるのであまり近くには寄らない。向こうも疲れているかもしれないし。さっと抜いたり素直に譲ったり。要はリズム良く。東名高速や関越道、東北道を走っていると、こうした遠方からの車もより多く目にするのだろう。

ところでメッキでやたらキラキラ光る銀盤を車体にブラブラさせているトラックの後ろにつくと、夜は当方のヘッドライトが反射してまぶしくてかなわない。これも早々に避ける…ナンバーの話からずれた。

“自ら所有しない車”が道には増えている

注意すべきもひとつは、「わナンバー」いわゆるレンタカーやカーシェアである。今、この道に慣れていない以上に、日頃は運転する機会が少なかったり、今乗っている車に慣れていないということも考えられる。とりわけ週末のレジャー利用で「わナンバー」は増える。最近はTimesの黄色いステッカーが目立つので、ナンバープレートで確認するまでもなくレンタカーだなと分かることも多い。ただし、「わナンバー」車の登録先は、車両手配の都合で案外と遠方のこともあり、運転者までが遠いところからやってきたとは限らない。東日本大震災の取材で東北に赴き、現地でレンタカーを借りた時は、結構遠方から回送されてきた車に出会うことも多かった。

とはいえ、車を日常的に所有せず、必要な時だけ借りるというスタイルが広まると、「わナンバー」はさらに増えるのかもしれない。レンタカーやカーシェアが悪いとは言わないが、同じような姿形の車ばかりが道を行き、趣味に走った車を見る機会が減るのは残念だが。