昨日、衆議院予算委員会で。
こんばんは。今日もお疲れ様です。
国会では、連日予算委員会での与野党質問が続いています。
連日、というのは語弊があるかも知れません。
来年度予算の中身についての質問を誰もしておらず、議論はもっぱら政府の見解を正す質問に終始しています。
日程については、立憲に移籍した(?)、後藤祐一衆議院議員が卓見を述べて
いて、私もその通りだと思います。
今日はアメリカ大統領選の開票日なので、テレビも新聞もこれ一色。
逆に、菅総理にとって一番嫌な衆議院予算委員会が開かれる11月2日は大阪都構想住民投票の翌日、11月4日は大統領選開票でマスコミは一色になるので、そこから逆算して国会開会日を決めたのだと思います。
そう、数ある国会の委員会の中で、慣習的に予算委員会にはTV中継も入るので、野党はここぞとばかりに論客を投入してきます。
菅総理にとっては、一番嫌な会議でしょうから、国民が関心を持ちにくい
日程を組んでくるのです。
いや、それをそもそも野党が認めてちゃダメなんですけどね。
民主党政権時代に経済産業大臣を担当しながら実績ゼロで、経済のことなんにも判ってないのだな、と馬脚を露呈させた枝野代表が、コロナ対策で質問
したのはどちらかというと経済・景気対策というより弱者救済の話だった
ようです。
野党が、「攻めやすい」日本学術会議問題にばかり時間を費やしていると、景気対策やコロナ対策(両方とも根は同じという議論もありますが)などの
重要案件がないがしろにされてしまう懸念がありましたが、少なくとも
シン・立憲民主党は、バランスを取ったようです。
予算委員会2日目、マスコミは、日本学術会議の質問しかとりあげませんが、枝野代表のコロナ禍による生活苦のひとり親世帯への臨時特別給付金の2度目の支給を予備費を使って行うべきという提案、岡田克也元外相の北朝鮮政策、敵基地攻撃能力、核兵器禁止条約に関する質問、北海道十勝が選挙区の石川香織委員の高収益次期作支援交付金に関する質問、逢坂誠二委員の少子化対策に関する質問、後藤祐一委員のコロナ対策、マイナンバーカードに関する質問など幅広いテーマについて立憲民主党の委員から質問がありました。
今日の質問の中で、後藤さんは、官邸に批判的な議員は干され、官僚は飛ばされ、マスコミは圧力をかけられ、学者は排除されるというのでは、誰も諌める人がいなくなると安倍政権以来続く政権の姿勢を批判しました。
これを聞いて思い浮かべたのは「貞観政要」です。古来、帝王学の教科書と言われてきたこの書物の中で、とりわけ強調されているのは、諫言を大切にするということです。
この大西議員の前半の説明のように、シンプルに、立憲民主党が今国会で
追及した政府の各種施策の重要性、緊急性、必要性について、党自体のHPに解説記事をアップすべきですね。
個々の議員が何を質問したのかは早速にアップされているのですが、それ
ぞれの質問項目を、党としてその重要性、緊急性、必要性をどのように判断しているのか、全体を俯瞰する解説が見当たりません。
つまり、立憲民主党を支持していたら、国民は救われるのか、という素朴な質問への答えが欲しいところです。
私はたまたま大西議員のFacebookページをフォローしてましたから目に付きましたが、「いいね!」した人が同僚の国会議員も含めたったの44人です。
(2020年11月5日18時00分現在)
これでは、国民がこの政党の主張を正しく判断できるようになる日は、
永久に来ないでしょう。
大西議員の投稿の後半部分ですが、思うに、菅総理は、失礼ながら
「貞観政要」は読んだことないでしょうし(なお、お断りしておくと私もまだ読んでませんw)、諫言を受け入れる、のもちょっと考えにくいです。
諫言を受け入れる体制づくりは、長期政権維持には欠かせないものと
思うのですが。
その点について、上記のFacebook投稿に後藤祐一議員がご自分のところの
やりとりを抜粋してくれてます。
<コロナ>
(後藤)年が越せないという声。コロナ不況対策として、消費税減税、所得税減税、低所得者向けの給付を3つ揃えてやるべきというのが立憲民主党の考え方だが、前2者を総理は答弁で否定している。せめて低所得者向け給付を。
(総理)暮れを越せないということがないように、全体を見ながらやるべきことはちゅうちょなく行っていきたい。
(後藤)中小企業向けの持続化給付金をもう一回やることも含めて実現を。
<デジタル>
(後藤)マイナンバーカードを取得し、マイナポータルにログインするのは大変でコスパが悪い。これでは普及しない。LINEで簡単に手続きできる市町村もあり、他の市町村の導入を国が支援しては。
(平井大臣)同じように考えていた。自治体の横展開を我々も支援していこうと考えている。
<人事権>
(後藤)自民党の国会議員、官僚、検察、マスコミ、そして学者も、権力者に諫める(いさめる)と人事で飛ばされるようでは安心して仕事できない。諫める人を人事で飛ばすようなことをしないと約束されたい。
(総理)私ほど諫められる人間はいない。2回目まで聞きますけど3回目は自分の判断をする。
(後藤)ふるさと納税の拡大をいさめた自治税務局長は飛ばされて戻れなかった。霞ヶ関の官僚はこの人事を皆見ている。アベノマスクは安倍総理の秘書官の発案だが、専門家は諫めに行ったら飛ばされちゃうから諫められない。
後藤議員は、「約束されたい」と言ってましたが、それだと菅総理の心に響かないと思いますね。
「安倍政権のことをほめるのは野党議員として正直したくはないが、長期
政権が内外、とりわけ諸外国に与えた安心は並々ならないものがある。
引き続き長期政権を維持するためには、これも野党議員としては正直
言いたくはないが、官僚の諫言を聞き入れる度量が、長期政権を支える礎になるのではないか。安倍政権を長期に渡って支えてきた菅総理なら、
ご自身の経験から良くご存知とは思いますが」位よいしょしたら、菅総理も任命し直しを考え直すと思いますけどね。
諫言を聞き入れないのであれば、野党の望む政権交代への展望が見えてくる
のですから、どっちを選びたいのか、菅総理に判断させればいいのです。
そして自分の肉を斬らせたら、返す刀で学術会議を骨までばっさり斬って
しまえばいいのですから。
その上で、学問の自由を堅持する政策を改めて打ち出して行ったら、国民は菅総理の主張は正しかった、学術会議を斬っても学問の自由は守られたと、むしろ名宰相って言われる余地も出てくるかと思います。
<学術会議>
(後藤)主観的に政府当局の気に食わないということで任命しないのは違法か。
(内閣法制局長官)法に合ったやり方ではない。
(後藤)学術会議がもう一度6人を推薦し、総理が任命して頂き、その上で、学術会議の基本的なあり方などを議論してはどうか提案したい。
後藤議員は国会議員になる前は経済産業省の官僚だったので、ご自分の古巣のこともよく判ってる人です。
上記の投稿のコメント欄に、後藤議員がこう言ってます。
昭和44年の内閣法制局長官答弁において、政府の主観的な判断で大学学長を任命しないのは違法との答弁があり、今回の学術会議もこれと同じ構図だと答弁がありました。6名の任命拒否は「主観的」かもしれないが「恣意的」ではないという言い逃れができると直感したので、「恣意的」という言葉の使い方は恣意的だとして、昭和44年答弁で用いられた「主観的」に戻して質疑を続けました。こういうせこいけど巧妙な答弁で政治家と国民が騙されるのです。
官僚は、答弁における言葉遣いや言葉のあやについて、長年のノウハウを
組織として取得しています。
日本学術会議問題は、そうした知見を持たない議員に任せたら、絶対ダメ、時間の無駄です。
ちなみに、上記の大西議員の投稿には登場しませんが、同じく立憲民主党の辻元清美議員が、日本学術会議がその長い、長い歴史の中で、2回程世の中の役に立ったことを挙げており、良くぞ見つけて来たな、とその点を評価しようと思ったのですが、あいにく立憲民主党のHPの記事ではそこがばっさり切り捨てられてしまってました。
でも、1949年に設立されて以来71年目、毎年10億円ずつ政府の税金を使ってきて、総額700億円。
アベノマスク260億円の3倍近い税金が投入されながら、70年間にたった2回ですか。
日本学術会議がわが国にとって必要な組織なのかどうか、恰好の判断材料を
ありがとうございました、と言っておきます。
予算委員会での審議は参議院に移り、今日から始まってます。
建設的な議論を期待しています、と言いたいところですが、正直疑問です。
では、また明日。
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