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「医療崩壊」の心配よりも大事なこと

こんばんは。今日もお疲れ様です。

日本の医師の方、医療関係者の方が見たら、この投稿は極めて不愉快かも
知れませんが、事実を確認するためのものですのでご容赦ください。

1.新型コロナウィルスの全世界動向

新型コロナウイルスにより、全世界で7千万人近い人が陽性と診断され、
既に158万8千人が亡くなっています。

米国では1日あたりの死者が3,000人を超える日が出てきてしまいましたが、日本ではこれまでの全死者数がまだそこまでいってませんよね。

でも、米国では医療崩壊せず、引き続き医療関係者達が勇敢にも現場で
頑張ってます。

フランスやイタリアでは、半年前は、引退した医師達が次々と現場に復帰し、貴重な命を賭けて治療にあたってくれ、その結果亡くなった医師も
大勢居たと聞き及んでおります。

2.日本のこれまでの状況

翻ってわが国では、今月初頭に大阪・十三(じゅうそう)の公立病院から集団転職しちゃったり、8か月前には緊急事態宣言直前に、慶應病院に勤務するインターンが合コンなんかしちゃってクラスター発生させたりの事件ばかりです。
Facebookのタイムラインを見ていても、世界一死亡率が低いのに、「現場は大変なんだぞ、崩壊直前だぞ」というお医者さんの投稿ばかり。

そこから導き出せる結論は、ここは私の主観も入りますが、日本の医師は
世界一ビビりだ、ということでしかありませんが、違いますかね。

でも、世界一ビビりで臆病であっても、医師は医師、同じ日本人なのです
から、助けてあげましょう。

そんなこと言ってる私だって、「じゃあお前が、コロナ重症患者の面倒見る仕事をやってみろ」と言われたら、重症患者の面倒を見る場所での作業資格を得られるなら、喜んでやりますが、さらに「じゃあ米国やイタリアに
行って同じことをやれ」と言われたら、自分が感染して死んだ時に、遺族に適切な補償がなされるのかだけは必要、とか言っちゃうと思います。
もちろん、報酬も人並み、補償も手厚く、と言われたら、前向きに考えますので、ぜひお声がけください。
もちろん、すべてこれから勉強になりますけどね。

でも、ビビッていろいろ言い訳しているお医者さん達が今、一番必要としているのは、実際のところ一体何なのでしょう。
GOTOを一時休止させることによって、臆病虫が引っ込むならそうして
あげて、彼らの心のケアを図るべきですし、今回の政府の一時休止措置で
だいぶストレスも収まったのではないでしょうか。
そして、お金で済む話なら、ボーナスを政府からあげましょう。
なんだかんだ言って、それが一番日本らしい解決策かと思います。
私の、この極めて現実的な考え方にご不満等ありましたら、ぜひ対案を
お寄せくださいませ。

あと、コロナ治療の最前線で命を失われた医療関係者を探し出して、遺族に十分な補償をして差し上げましょう。
でも、そんな人、日本に居るのでしょうか?
もし居らしたら、メディアがいろいろな意味で飛びつくと思うのですが。

3.国境なき医師団に入って、海外のコロナ患者を救う道

そうか、「国境なき医師団」の日本のサイトを見に行ったら、世界で困っている新型コロナウイルス患者を救いに行った日本人医師の事例が見つかる
かも知れない...。

残念ながら、その様な事例は存在してませんでした。

なお、本稿の目的は国境なき医師団をdisるためではないので、海外で活躍された女性医師の経験談もご紹介しておきます。

「二度と行きたくない」というタイトルは誤解の素ですが、読んでみると、「二回目の渡航体験で、良さに気づいた」事例ですね。

国境なき日本医師団の前会長の事例もどぞ。

国境なき医師団に参加する、と心に決めてから、実際に参加できるようになるまで10年もかかったそうです。
私には絶対無理です。

4.他国の事例(インド)

さて、日本ではまだ最初の医療関係者の犠牲は報告されてませんが、
他国でも実は状況はそれ程明確には報告されていません。

もちろん、私の探し方が足りないせいもあるでしょうが、調べて判ったことだけは、お伝えしておきます。


インドの状況です。

なぜインドなのか、と云えば、人口が日本のちょうど10倍、IT(情報通信)を4年制大学で専攻した卒業生の数は日本の10倍以上をとっくに超えている
ので、人口あたりのIT技術者の割合が、すぐに日本を追い抜く、世界的には当然日本より重要な国です。

IT専攻学生数のデータは、こちらから引用しました。

そんなインドでの、新型コロナウィルスでの医師死亡率、を英語で検索したら、以下の論文がヒットしました。

英語の論文ですので、私の訳を以下に付けます。

Currently India is the third worst affected country in the world with more than 2 million confirmed cases and above 43,000 deaths attributed to COVID-19 [4]. It has been observed that COVID-19 related mortality in the general population has been slightly lower in the South Asian subcontinent [5]. Concerns have been raised since nearly 200 doctors have succumbed to COVID-19 so far with a significant number of healthcare professionals affected as well [6]

(試訳) 現在インドは世界で3番目に(新型コロナウイルスの)影響を受けた
国で、200万人以上の陽性者と4万3千人以上の死者が確認されている。
新型コロナウイルスによる南アジア亜大陸における総人口比の死亡率は若干下がってはいるものの、医者だけで200人近く(論文の後段部分で、実際には196人と記述あり)がこれまでに命を落としており、医療関係者総数でも
同様に被害が出ている。

比較のため、表にしてみました。
日本の数値は、LINEが発表しているものです。
陽性者数も死者数も、クルーズ船の人数を加算しています。

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人口も約10倍違いますが、陽性者数もちょうど約10倍の違いです。
肝心な、と云ったら語弊がありますが、新型コロナウイルス死者数は、
それらに対して16倍の開きがでました。

日本の死者には、自宅で待機している間に短期間に病状が悪化して、死体が発見された、なんて例も含まれていますが、それを勘案しても日本の医療
関係者が頑張ってくれたおかげで、この差がついたのでしょう。

日本に生まれて本当によかったと、改めて医療関係者の方々に感謝すべき
です。

5.ところで、医療崩壊って、そもそもどうなるのか

まずは、緊急事態宣言中によりにもよって病院内で日本最初のクラスターを発生させてしまった慶應病院のインターン達の、その父親達があちこちの
病院や医院で医師をやってる神奈川県医師会の説明を見てみましょう。

この「医療崩壊すると何が起こるの?本当の意味は」というタイトルがついてるPDFは、そのクラスター発生をNHKに報道された1週間後に出されたものです。
それまで、HPに新型コロナウィルスについて何もアップされてなかったのに、1週間後に、急に怒涛のように新型コロナウィルスに関するコンテンツが山ほどアップされて、あぁ、やはり慶應病院の失態は神奈川県医師会に
とって致命的だったのだな、ということがよく判る事象でした。

8か月前で、新型コロナウィルスの状況もよくつかめてないタイミングでの投稿ですからよく判ってなかったのでしょうが、「医療崩壊すると何が起こるの?本当の意味は」というタイトルの質問について、全く答えてない内容だ、ということがお判り頂けると思います。

中の人達も、後からこれを読み返して、訂正させよう、という気持ちには
ならないのでしょうか。
慶應病院インターンの合コンクラスター事件を世間がすっかり忘れてくれたので、それはもうどうでもいいのでしょうかね。

でも、今月に入り、以下のコンテンツがアップされました。

「このように神奈川県の発表しているデータと、医療現場の状況は大きく
乖離しているのが実情であり、医療崩壊はすでに始まりかけていると
いえるのです」とか、「今の状況を見て、早急にコロナ専用病床を開設
すればいいのではないかというご意見もあろうかと思いますが、それは
容易なことではありません。神奈川県ではすでにコロナ患者専用の受け入れることができる臨時の医療施設(180床)を作りましたが、実際には109床の稼働にとどまっております。要因の一つは医療従事者の不足が挙げられ
ます。コロナの重症患者の治療には、ECMOや人工呼吸器といった医療機器を使う必要があり、通常医療の数倍の医療従事者の人員を割く必要があり
ます」とか書いてありますが、一体この人達は、今年いっぱい時間は十分
あったのに、一体何をやっていたのだろう、と疑問に思わざるを得ません。

医師会の重要な機能の一つは、まず地域の自治体と緊密に連絡を取り合う
ことでしょう。
「乖離がある」って、まさに他人事の発言でしかありません。
また、第三波が来ることは、皆が想定している事態ですし、それに対して
無策でした、と言われても、すみませんが同情する気にはなれません。
いや、神奈川県には知り合いが五万と居ますので、自分にとってはこれは
冗談では済みません。

もし、神奈川県医師会が、本当に現場の状況を正しく把握していると
したら、神奈川県、マジでヤバイ。

さて、神奈川県医師会が医療崩壊の足音が聞こえる、と叫んだその前の
週に、週刊新潮がオンラインでアップした記事を見てみましょう。

医師で医療経済ジャーナリストの森田洋之氏は、「全国の総病床数は、数え方にもよりますが、130万から150万。本気を出せば、新型コロナの病床を
増やせるはずです」 と指摘し、続ける。「スウェーデンをみると、新型
コロナ用の病床を新規感染者の増減に合わせ、日ごとにドラスティックに
増減させています。日本より感染者が多く、全体の病床数はとても少ないのに、なんとかしているのは、臨機応変に病床数を動かしているからだそう
です。手術も、緊急手術数は新型コロナの流行前後で変化がありませんが、緊急でない手術はコロナの流行時期には減少し、感染者が少なくなると数が戻っています」
 では、日本はどうか。「病床を日々増減させるなど夢のような話で、各
都道府県が2~3回、新型コロナ病床を作って終わり。日本の医療はほとんど動いていません。新型コロナ用に確保できる病床は、百何十万とあるうちの2万7千床にすぎず、病床使用率はそのうち20%強。国が本気を出すなら心配の要らない数字です。そもそも欧米の感染者数、死者数とくらべれば、日本はせいぜい数十分の一。世界一の病床数を誇る日本にとって、現状は余裕でクリアできるレベルなのに、“医療崩壊だ”と訴える人がいるのは、不可解でなりません」

日本の福祉政策も、スウェーデンの福祉政策を結局真似できませんでした
から、医師だけを責めるつもりはさらさらありませんが、「どうしてこんなこともできないのか」と思うようなことがはびこるのが、残念ながら現在の日本なのです。
ここまで読むと、日本だけは医療崩壊が人災で発生する、ということが理解できてしまいます。
そして、人災なのに誰も責任を負いません。

6.旭川市のケースも人災

さて、5名の自衛隊の看護官が派遣された北海道旭川市ですが、これも人災です。

現地を取材してきたエッセイストの方の投稿を紹介します。

http://medg.jp/mt/?p=10012

吉田病院によると、11月6日にクラスターが発生し、すぐに旭川市に対し「感染者の転院要請」を行なったものの市はこれを却下。
これにより病院内のクラスターが看護師にまで拡大したため、病院は11月25日さらに市に対し「自衛隊による災害派遣要請」を行なうが、これも「市長により即座に却下された」としている。いずれも却下された理由は明らかでない。
この問題を取り上げていたTV朝日の記者が旭川市と北海道に対して取材した報告によると、彼らの言い分はこうだ。
まず市長は「道に対して要請は行なったが、『今すぐ判断することは難しい』との返事だった」と話す。
要請を受けたとされる北海道の職員は「何もしていなかったわけではなく、(検討するから)電話ではなく書いたものでほしいと伝えた」と述べたそうだ。
命にかかわる現場の悲鳴にこの答え。彼らは溺れて「助けてくれ!」という人に、「紙に書いてよこせ」とでもいうのか。
市民の命を最優先する気持ちがあるのなら「支援要請はすぐ行ないます(準備します)から、後でよいので書いたものも送ってください」というべきだろう。

自衛隊の派遣は最終手段と日本医師会の会長さんも言ってますが、最終手段も事態が発生してから1か月もかかりましたし、その間、北海道医師会とかにも、何もする手段が思いつかなかったのでしょう。

旭川市の犠牲者が、最小限に食い止められることを祈念します。

大阪府のことは書きませんでしたが、皆さん状況はよくご存知かと思いますので、省略します。

さて、この節の最後になりますが、一応Wikipediaで確認すると、医療崩壊の定義はかなり実も蓋もない説明になってます。

医療崩壊(いりょうほうかい)とは、医療安全に対する過度な社会的要求や医療への過度な期待、医療費抑制政策などを背景とした、医師の士気の
低下、防衛医療の増加、病院経営の悪化などにより、安定的・継続的な医療提供体制が成り立たなくなる、という論法で展開される俗語である

7.医療崩壊を食い止めることより重要なのは、もちろん人命

本日のタイトルへの自分なりの答えです。

日本の場合、病院相互の連携ができていませんから、ある病院で医療崩壊が起こったら、患者に出来ることは、治療を受けられる他の病院を急ぎ見つけて、そちらに行くことです。

大事なのは、自分の命であり、家族の命です。

政治家は、もちろん、自分の選挙区の人々の命を背負ってもらわないと困ります。

神奈川県をなんとかするのは、黒岩知事の責任です。

そして日本にもし、余裕のある政治家が居たら、日本だけでなく、世界の
ことも考えてもらいたい。

国境なき医師団では、海外派遣スタッフ募集をずっとしてますよ。
給料削られて不満があるそこの医師の方、ぜひ応募されてみてはいかがで
しょうか。

応募資格さえあれば、私も応募したいです。
フランス語での実務経験がないし、還暦のじじぃなんて、出番ないです
けどね。

今日は、言いたいこと思いっきり書いてしまって、すみませんでした。

では、また。



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