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生き残るメインフレーム

こんにちは。今日もお疲れ様です。
いつも、夕食を済ませてから投稿作業に取り掛かるのですが、今日は月末近くの就業時間調整のため、早上がりしたので少し早いですがアップさせて頂きます。

今日は、メインフレームの話をさせてください。

メインフレームというのは、別名汎用コンピューターとも言われ、私が小学生だった1970年代に動いていたコンピューターは、ほぼすべてメインフレームに相当する代物でした。

その後、1980年代に入るとパーソナルコンピューター、いわゆるパソコンが発明・発売され、同時にサーバも売り出されるようになり、これまでメインフレームで行っていた業務は順次サーバやパーソナルコンピューターに移行されました。

東洋の国、日本の一部の(古い)企業でだけ、今でもメインフレームが稼働しています。例えて言えば、コンピューターの絶滅危惧種でしょう。

日本を代表する大手メーカー、NEC、富士通、日立が長年メインフレームを製造・販売していました。

富士通

その3社のうちの富士通は、台湾のTSMCに製造委託して、自社設計のCPUをスパコンで世界一となった富岳に投入しました。先日拙稿でもご紹介させて頂いた通り、製造コストはとても高くついたそうですが。

NEC

NECは、自社で製造販売しているACOSというメインフレームのCPUは、自社開発を断念し、10年前からインテル社製のCPUを採用していました。

Itanium-2が商品名ですが、HPのNon-Stop Computer等に採用されたものの、インテルとしては売れ行きが悪く、生産終了が昨年発表されました。

メインフレームから移行したくても、どうしても移行できないシステムは日本の国内に限っては意外と多いので、メインフレーム市場は縮小しながらも、細々と生き残っています。

このためNECは、Itanium-2から同じインテル社製のXeonにCPUを変更した新機種を投入してきました。

この記事によると、エントリー版の価格ではありますが、とうとう1,300万円まで下落してしまいました。
30年前には、1台10億円とか20億円とかで売ってましたから、100分の1ですね。

一方、パソコンやサーバと比較してみますと、Xeon搭載で価格が1,000万円以上もする機種なんて、一体どんな機能がついた高性能機種なのかと思ってしまいますw
ちょっと想像がつきませんw

日立

NEC、富士通の話をしたのに日立をスルーしたら失礼にあたりますので、最後にお話ししますと、日立はメインフレーム製造から完全撤退しました。

3年前、2017年の記事でした。

この記事によりますと、日本でまだメインフレームを使っている企業は3年前で150社程で、毎年10%ずつ減少しているそうです。

コロナ禍の影響で減少のスピードも多少増えるかも知れませんので、今年中には100社を切るかも知れませんね。

IBM

なお、メインフレームの話をするのに日本のメーカーだけの話をしていてもフェアではないでしょう。IBMとかもご紹介しておかないと片手落ちですね。
ICUでコンピュータの基礎を学んだ時も、交換留学で渡航した先のUC Davisも、そして社会人になって12年経ったら勤務先が三菱銀行と合併することになり、国内勘定系システムの統合先もすべてIBMのメインフレームだったのですから。
と思ってIBMのサイトを久しぶりに覗いてみたのですが、う~ん、顧客事例紹介もなしでの製品説明は、なかなかツライものがありましたw

ただ、上述の三菱銀行のシステムは、東京銀行、UFJ銀行とのシステム統合以降も引き続き使われており、「世界最大の機器構成」だそうですから、母数が100社を割っても、こうした企業には関係のない話です。いざとなったら、IBMから事業買い取って内製化してしまうこともアリですから。

最後の100社は、もしかすると同様にそれぞれ個別事情が強く残っているのかも知れません。
それが正しい推測とすると、業界規模が極めて寡少になっても、メインフレームはいくつかの企業で生き残っていくのかも知れません。

では、また明日。

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