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連載「私と女優と人生と」

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女優の姿を通して、「ホンモノの大人とは?真の女性の美しさとは?」をお伝えしていきます。
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#映画感想文

“自分の顔”はいつ完成するのだろう ロミー・シュナイダーの場合

“20歳の顔は親からの贈り物、50歳の顔は自分の価値がにじみ出るもの”という言葉がある。若い時はすでに存在する価値を知るしかなく、己から湧いてくる自信などあったとしても強がっているか、世間知らずなだけかもしれない。しかしそこから30年以上、“自分の顔”を引っ提げて生身で生きてきたならば、そろそろ周囲と比べない顔を持ちたいものだ。 女優ロミー・シュナイダー、彼女の日記で構成された本がある。「音楽、お芝居、映画、旅行、芸術 この五つの言葉を耳にするとどうしようもなく血が騒ぐ」と

本来の感性にもどって恋を メリル・ストリープの眼

すごく久しぶりに恋におちた気分を味わっている。映画『マディソン群の橋』を観なおしたせいだ。これには不意な導入があった。ある時、ラジオから流れる邦楽に心を掴まれ、集中していたはずの作業をやめて曲目を調べ(これができる今っていい!)、その日は寝るまで繰り返し流してその歌の世界に浸った。 翌日目覚めると驚くことに、朝イチの行動が変わっている自分がいた。このところの私といえば、起床と共にニュースが気になり、それも自分の目で真実を確認できないものばかりだから、ひたすらスマートフォンで