【小説】水族館オリジン 7-I
chapter VII: 翁撫村①
翁撫(オーブ)という名前、珍しいでしょ? 小学校の総合の時間で村の歴史を勉強しました。そのときポルトガル語のオーヴォからきたのだとならいました。
オーヴォは楕円、つまり卵のことです。でも、なぜ何百年も前からポルトガル語でよばれていたのか、それはわかりません。少し飛び出した村の西端の半島にむかしむかしポルトガルからの船が来て、そんな名前をこの土地につけたのかもしれません。昔から『おうぶ』と呼んでいるところに漢字をあてたみたいです。おうぶなら