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何清漣★ゲームストップ株の高騰劇第一幕とは何だったのか? 2021年1月31日


 1月下旬に10日間近くウォール街を席巻した「ゲームストップ」株の狂奔は、11月28日のウォールストリート・ジャーナル紙の記事の言い方では「ゲームストップ株で、個人投資家がヘッジファンドの伝統的な秩序を覆した」ということです。(訳注;「ゲームストップ」株の狂奔に関する記事は ニューズウィークの「ゲームストップ株を暴騰させたアマチュア投資家たちの反乱と疑惑の幕切れ」 朝日新聞「素人投資家の反乱、ウォール街揺るがす」などを参照してください)


 今、私はグローバリゼーションに代わる「グレート・リセット」を研究しています。「世界経済フォーラム」(NGO)の創始者のクラウス・シュワプ(スイスの経済学者)が描く「グレート・リセット」の新しい世界像をある程度理解した上で、1月20日のワシントンD.C.でのバイデン大統領の就任が新しい世界のパワーゲームの前奏曲であり、「ゲームストップ」の狂奔ぶりが新しい世界のパワーゲームの第一幕だったのではないかと考えています。

 数年前、BBCのドキュメンタリー「アニマル・マーレ」では、アフリカのサバンナでオスのライオンをアリが食い荒らすシーンが放映されましたが、1月下旬には米国のウォール街の株式市場でもそのような大々的なシーンが登場しました。

 「WallStreetBets」はWSBと呼ばれ、中国語で「华尔街赌场(ウォールストリートカジノ)」と訳されています。このカジノでは、ヘッジファンドがゲームの支配者であり、多くの場合、脆弱な企業の株式を空売りして、株価の下落に賭けるのです。

 今回は、ウォール街カジノの大物で100億ドル超のファンド運営会社メルビン・キャピトルと空売りで有名なシトロンリサーチが、どうにもならない株の「ゲームストップ社」「AMCエンターテインメント」「ブラックベリー」など数社に狙いをつけ、株を空売りしました。

 一部のネット民の投資新参者たちは、オンライン掲示板「レディット」、「ディスコード」(ビデオ通話・音声通話・VoIPフリーウェア)、FacebookやTwitter上で、互いに情報を伝え合い、「相手のやり口をそっくり、相手に使う」方法で結束しました。

 「レディット」上の「ウォールストリート・ベット」グループの250万人のメンバーが群がり、1株3ドルの株を400ドルまで押し上げ、資本主義の空売り側を叩きのめして、傍観者はただ呆然、溜飲を下げました。

 ウォール街は打撃を受け、一説には700億米ドルを損したと言われています。損害を止めるために、彼らは中国の株式市場ではしょっちゅうみられる手段である取引量の制限、規制の拡大などの手法を全て使いました。

 1月29日、ウォール街はネットラインを引っこ抜き、ティッカーシンボル(銘柄コード)をすっかり取り外し、個人投資家が「ウォール街を血まみれにする」ことができなr苦なるようにしました。彼らは「親」であり、「親」の権利は顧客よりいつだって大きい、のです。

 ウォール街は買って、ネット上での「軍勢」が株価コントロールするFacebookやTwitterといったプラットホームを告訴しようとしたことがあります。しかし、これらのSNSは、去年の大統領選挙でトランプ大統領や保守派の言論を封殺するというウォール街に遜色ない「優れた業績」を上げていますから、そんな脅かしはへっちゃらです。

 そこでウォール街は新たな手段として取引アプリ「ロビンフッド」に個人投資家の買いを認めさせず、空売りのみを認めるようにして、個人投資家を破産に追い込みもうとしました。

 あらゆる人々がウォール街と米国株式市場を手に汗を握って注目する中、1月27日になってメルヴィンとシトロンが降参したというニュースが流れました。両者はSNS上で、空売りをやめる研究を行い、より多くの長期的多重投資の機会を一般投資家に提供することに専心すると述べました。

 ★個人投資家の集団行動が政治問題化

 次に起きたのは大変今の米国的特徴があります。株式市場の空売りが高度な政治問題化したのです。これはいささか中国の株式市場が暴落した後の政府の対応に似ています。ただ、まだ中国ほどひどくはないというだけです。内外勢力の共謀による中国空売りとされた2015年の暴落を思い出せば、あの時、習近平中共総書記が怒り狂い、中国証券監察会の副主席以下10余人の株式市場救援の任に当たったエリート官僚が皆牢屋入りしました。

 私は2015年11月に、金融反腐敗⑴ー”株式市場救援隊”のリーダー連一網打尽 ”金融反腐敗⑵ー権力と資本間の関係は変わるか?でこの問題について書いています。

 親トランプ派のムスク氏(音訳)が「ゲームストップ」の株を大量に買っていたことから、トランプの陰謀だと主張する人もいました。しかし、ウォール・ストリート・ジャーナルの取材では、個人投資家や大学ローンの返済の滞った大卒、さらに去年、バニー・サンダースの選挙活動に従事した人々など、こうした人たちは民主党支持者でした。

 何が真実かというと、株式市場の波風が奇妙な「統一戦線」を作り出したのでした。
 
 Politics.comの1月28日付記事「GameStop spawns united front of AOC, Trump Jr. and Cruz」によると民主党下院議員4人のうち、パレスチナ系のニューヨークのオカシオ・コルテス下院議員(AOC)、ミシガン州のパレスチナ系議員のラシダ・トレイブ、そして、ドナルド・トランプJr.が皆、この「レディット」での運動に歓呼してます。

 オカシオ・コルテス下院議員はツイッターで「ウォール街が我々の経済を賭博場とみなしていることには長い歴史があることを認めるべきだ。そして、メッセージボードでもそうした文句、批判があふれている。これはいいことだ」としています。

 彼女はそれに続いて、「ロビンフッド」が一般個人投資家の道を塞いでヘッジファンドが自由に売買できるようにしたことは許しがたい」と書き込みました。

 共和党のテッド・クルーズ上院議員も「AOCに全面的に同意する」書き込みました。また、ドナルド・トランプ・ジュニア氏は、小口投資家を支持するとともに、「ロビン・フッド」による個人投資家の個人買いは禁止、ヘッジファンドの空売りのみにしたことに反対するツイートをしています。

 多くの人々が個人投資家の今回の大騒ぎが、果たして市場操作かどうかを論議しています。1月27日、ジェローム・パウエルFRB議長は記者会見では何度も「ゲームストップ騒動」についての質問が出ましたが、パウエル議長はコメントを避けました。

 28日、上院銀行委員会の新議長に就任したS・セロッド・ブラウン上院議員は株式市場に関する公聴会の開催を約束。前証券取引委員会のローラ・ウンガー1月6日の議会乱入事件になぞらえて、「どうすればコントロールして、阻止できるのか?」と政治力を使って脅しにかかるなど、いくつもの記事ではこの活動を経済テロにたとえています。

 ★左翼は「チェンジ・アメリカ」で新世界を意のままにするか?

 以上が1月20日以後の米国で生まれた「新世界」の一幕で、誰もが滅多にみられないウォール街の大戦に夢中で、様々な各種のコメントがよせられています。

 1月28日のウォールストリートのレポートの見出しは、「ゲームストップ狂騰の背後のウォール街のパワーゲーム。小規模投資家が結束、システムが震え上がる」です。

 中国語圏のコメントはさらに精彩を放ち、「これまではニラを切る鎌しか見れなかったが、ニラが鎌を蹴っ飛ばすなんて、これは全世界の草民が立ち上がった延長だ」「暴騰1700%、血まみれのウォール街、米国の小口投資家が世にも稀なる団結でヘッジファンドをやっつけ、空売りの巨頭連は300億ドル以上の大損。人民の力量を見たか!」とかです。

 今回の状況は私の研究を検証するものでした。それは「世界経済フォーラムのスーパーエリートたちの『グレートリセット』が求める新世界と米国のベストセラーアクションロールプレイングゲームの『サイバーパンク2077』の世界に似ています。あのゲームは米国のカリフォルニアやニューヨークなどのスーパー都市に基づいて作られたものだと言われますが、例えばこのようないくつかの特徴があります。

 1.科学技術が発達したが、社会構造がある程度崩壊した社会
 2。政府やコンソーシアム、秘密結社による社会秩序の高度なコントロール を受けている。2020年の大統領選挙選挙は、このことを完全に反映している。

 3. 低い暮らしのレベルとハイテクの組み合わせ - これは実際に多くの若いアメリカ青年の暮らしがどのようなものであるかです:窮屈な住宅とみじめな生活、しかし、最先端のコンピュータや携帯電話はあります。

 4 性別の役割の曖昧さ。男でも女でもなく、男でも女でもある。(サンフランシスコ、ニューヨークはどちらも進歩主義の都会で性別の多元化では米国の最先端です)。バイデンが署名したジェンダー・アイデンティティに関する大統領令の発令は、この状態を奨励するものです。

 5 社会の抜け穴を利用してある種の突破を図る人物が常に存在。今回の「ゲームストップ」の狂奔は、基本は250万人のウォールストリート上の250万人の若者によって、バーチャル世界でスマホ、パソコンによって「富の転移」が行われました。

 グレートリセットについては、今後、グローバリズムに取って代わる人類の生き方になるでしょう。この新世界を人々が歓迎しようとされまいと、今後の暮らしはその中にあります。

 グレートリセットの理論の源は、世界経済フォーラム創始者がどこからかえたインスピレーション何、なぜグローバリズムに取って代わるものなのかは、今後、分析していきます。(終わり)

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新世界权力游戏:GameStop狂飚上演第一幕
2021-01-31 7:31

1月下旬近十天的GameStop狂飚席卷华尔街,用《华尔街日报》11月28日文章的话来概括,是“投资GameStop股的散户颠覆了对冲基金和散户投资者之间的传统秩序”。此刻,我正在研究取代全球化的“大重置”,对世界经济论坛的创始人克劳斯‧施瓦布的Great Reset描绘的新世界图景有一定了解之后,认为1月20日华府拜登总统登基上演了新世界权力游戏的序曲,GameStop狂飚则是新世界权力游戏的第一幕。

多年前,BBC记录片《动物之雄》曾展现过非洲草原上蚂蚁吞食雄狮的景象,1月下旬美国华尔街股市上演的就是这么一场大戏。

WallStreetBets简称WSB,中文译为华尔街赌场。在这赌场上,对冲基金是游戏的主导者,它们经常会找出脆弱的公司下注,做空股票——赌股价下跌。这次,华尔街赌场上大名鼎鼎的空头香橼(Citron Research),规模超百亿的对冲基金梅尔文(Melvin Capitall),瞄准了以下几只被认为无可救药的股票,例如GameStop Corp. (GME)、AMC娱乐控股公司(AMC Entertainment Holding Inc.)和BlackBerry Ltd. (BB)等几家公司,想将它们做空。

一些网民投资新手在Reddit、Discord、Facebook和Twitter上抱团,互通信息,以其人之道还治其人之身。Reddit上“华尔街下注”群的250万名成员蜂涌购入这只股票,推高股价,将这只股票的股价从$3一股拉高到超过$400,一路爆打资本主义空头,旁观者看得目瞪口呆,直呼过瘾。

华尔街受伤了,据说一共损失700亿美元。为了止损,那些在中国股市上常见的手法,比如限制交易量、规定涨幅之类全都用上了,1月29日,华尔街干脆拔网线,清除股票代码,让散户无法再“血洗华尔街”——人家是庄家,庄家的条件与特权永远大于赌客。

华尔街一度想指控网络大军合谋操纵股价,Twitter、Facebook为这些人提供了平台,威胁要控告这些社交媒体。但这些社交媒体在2020美国大选中封杀总统川普及保守派言论方面所立奇功不逊于华尔街,这威胁吓不倒社交媒体。华尔街于是另出新招,交易软件Robinhood采取行动,不许散户买入、只让做空机构卖出,本被散户逼得接近破产的做空机构得以出逃。就在所有人在为华尔街和美国股市捏了一把汗的时候,1月27日消息传来,梅尔文与香橼投降了,两公司在社交媒体上发文称,将停止做空研究,专注于做多机会,为散户投资者提供长期的多重投资机会。

散户的集体行动被政治化

接下来的故事很有现在的美国特色,股市多空对赌被高度政治化——这有点像中国股市惨跌之际的政府反应,只是还没走到中国那一步。犹记2015年那一轮惨跌,被视为境内外势力勾结做空中国,中共总书记大怒,中国证监会副主席以下数十位官员及奉旨救市的业界精英尽皆入狱,本人曾写《救市三军尽入狱》(2015年11月)以志其事。

由于支持川普的马斯克大量买入GameStop的股票,于是有人称这是川普打击华尔街的阴谋。但是《华尔街日报》采访的散户,或者是欠学贷的大学毕业生,还有去年曾为桑德斯(Bernie Sanders)的总统竞选活动工作过的人,这些人都是民主党的拥护者。

真实的情况是:股市风波促成了奇妙的联合阵线。

据Politics网站1月28日文章《GameStop催生了AOC、小川普与克鲁兹的联合阵线 》,民主党众议员四人帮中的两位:纽约州众议员AOC(Ocasio-Cortez)、密歇根州巴勒斯坦裔众议员拉希达‧特莱布奥卡西奥-科尔特斯(Ocasio-Cortez)和小川普(Trump Jr.)都在为Reddit现象而欢呼。

AOC在推文中写道: “必须承认,看到华尔街人将我们的经济视为一家赌场已有很长的历史,而抱怨张贴海报的留言板也将市场视为一家赌场,这确实是一件好事。”

她在随后的一篇文章中说,罗宾汉(Robinhood)切断零售渠道的举动“而对冲基金可以自由地按其认为合适的价格买卖股票”是“不可接受的”。共和党参议员克鲁兹“完全同意”AOC的观点。小唐纳德‧川普也发推支持小股民,反对罗宾汉交易软件打压散户的做法(不许散户买入,只许做空的对冲基金卖出)。

不少人则在讨论散户投资者的这场狂欢是否应被定义为市场操纵。1月27日美联储主席杰罗姆‧鲍威尔(Jerome Powell)召开新闻发布会,记者多次问到GameStop狂潮,鲍威尔拒绝对此发表评论。28日,参议院银行业委员会新任主席参议员布朗(S-Serrod Brown)发誓要举行一场关于股票市场的听证会。前证券交易委员会委员劳拉‧昂格Laura Unger挥动政治大棒,将轧空GameStop比作1月6日的国会大厦事件,并问“怎样做才能控制/阻止这一切?“好几篇文章干脆将这一股市多空博斗说成是经济恐怖活动。

左派要Change America 新世界如愿而至

以上是1月20日之后美国正在建立的新世界的一幕,没有人放过这场华尔街少见的大戏,各种评价精彩纷呈:

华尔街1月28日报道的标题是:《GameStop狂飙背后的华尔街权力游戏:散户抱团,机构颤抖》;

中文圈里的评价更形象:“从来只见镰刀割韭菜,韭菜干翻镰刀,是全世界草根崛起的延伸”;“暴涨1700%,‘血洗’华尔街!美国散户史诗级抱团,‘干翻’对冲基金,做空机构巨亏三百多亿!感受人民的力量吧!”

这番情景验证了我的研究:世界经济论坛一干国际超级精英“大重置”要求建立的新世界,与美国那款热销游戏赛博朋克(Cyberpunk)里的世界极为相似,据说那游戏的生活方式是按照美国加州、纽约市等几个超级都市设置的,有如下几个特点:

1. 社会拥有先进的科学技术,社会结构产生一定程度崩坏;

2. 社会秩序受到政府或财团或秘密组织的高度控制——2020大选完整地体现了这一点;

3. 低端生活与高等科技的结合(combination of low-life and high tech)——这确实是很多美国青年的生活现状:狭小的住所与简陋的生活,但拥有最先进的电脑与手机。

4. 这个社会里面的角色性别差别模糊,不男不女,亦男亦女(旧金山、纽约都是进步主义城市,性别多元化走在美国前列),拜登刚签发的性别心理认同总统令再次鼓励确认这种状态。

5. 经常有角色利用社会漏洞做出某种突破——本次GameStop狂飚突进,基本就是250万Wallstreet上的青年们通过电脑与手机通讯方式在虚拟世界里进行,通过几只特定股票交易完成的财富大转移。

关于大重置,今后将取代全球化成为地球人类的一种生活方式。这个新世界,无论人们是欢迎还是不置可否,今后将生活于其中。关于大重置的理论来源、世界经济论坛创始人从哪里获得灵感,以及为什么要用大重置取代全球化,以后我将分析介绍。


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