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スターウォーズ エピソードⅨを観た

前書き

 12/20公開のスターウォーズの新作、エピソードⅨ「スカイウォーカーの夜明け」をついさっき観てきたので、若干の感想を書き綴ったりなどしようかと思う。

 ただこの映画をどうこうするまえにやはりエピソードⅧの話題は避けて通ることができないというのはあり、ざっくりと触れていくと自分もやはりエピソードⅧに対してはがっかりしたという感情が強い。
 エピソードⅦで新たな三部作が始まり、新しい登場人物たちに胸を躍らせ、ルーカス監督時代よりも軍事的考証もしっかりとなされた雰囲気は心が躍った。しかしエピソードⅧでいきなり登場人物がやたら増えた上に、今回のラスボス枠であったはずのスノークが突然殺されるという展開に、私自信驚きを隠せなかった。さらにレイアは空中浮遊するわで、もうどうなってんだと。

 まあそんなわけで、エピソードⅨに対しては結構期待値低めというか、個人的にはやはり広げすぎたこの風呂敷をどうやって包むんですかと。その辺は結構気になっていて、期待はしていないけれどもなぜかものすごく気になっているという、微妙な気持ちではありました。

感想

 感想から言うと、思ったよりよかった、という感じです。そして観終わった結果、「やはりスターウォーズはスカイウォーカーの物語なのかな」という風には感じました。

 続三部作と呼ばれる今回のシリーズ、主人公はやはりレイなのかなという風に考えていましたが、今回のエピソードⅨでカイロ・レンことベン・ソロもまた主人公であったのだなということを強く感じたところではあります。

 そしてまた主人公であるレイは、今まで全く出自が明らかにならず、両親も行方不明、それでありながら強いフォースを持っているジェダイという謎に満ちた存在でしたが、今回ついにレイの出自が明らかになりました。これには驚きましたね。

 一応どこまで書いていいものか考えながら書いているのですが、公式サイトにもwikiにもあらすじが書いていないのであらすじは書きません。気になる人は劇場で観てください。
 個人的にちょっと感極まるシーンもあったりなどしたのもプラス要素でしたね。新たな強敵の登場、レイの葛藤、カイロ・レンの葛藤、そして厳しい状況のレジスタンス......そして最後には「希望」、そういう感じの映画だと思います。

ネタバレしつつ...

 さて、ここまではネタバレなしの感想レビューでしたけれども、ここからはネタバレありのレビューをしていきたいと思います。ネタバレを見たくない方はここで引き返すことをお勧めします。



以下、ネタバレ


 


 さて、ネタバレしてもいいというみなさんがここまで来たと思いますので思う存分ネタバレをしていきたいとは思いますが、それでも丸裸にせず本質情報は隠しておこうかなと思います。
 以下、箇条書きで感想を述べていきます。

・軍事的考証などについてはやはりⅦから引き続き面白い
 続三部作は軍事考証なんかがしっかりしていると言うか、軍隊らしさ的な部分を感じるところが多いのですが今回もその辺はしっかりしていると言うか、個人的にはルーカス時代よりも軍隊感が増していて好きです。

・ドロイドたちの描き方はディズニーらしい
 多分ローグ・ワンで学んだんでしょうけれども、チャーミングなドロイドを出すと受けるということを学んだのか今回もドロイドが出てきます。割とそういうかわいいドロイドの描き方というのはディズニー時代になってからよくなったという感じはありますね。BB-8も今回も可愛いし。

・フォースの力、ヤバすぎ
 これは前作の時も僕は思ったのですが、宇宙空間に放り出されたレイアがフォースで船に戻ってくるシーンに僕は違和感がありました。フォースの力、便利すぎるやろ、と。今回もやはりそういう描写があって、なんというかフォースがさも魔法かのように描かれている感じがしました。これは制作がディズニーになってからの不満ポイントですね。
 今作もやはりそういう描写があって、惑星を飛び立つ宇宙船をフォースの力だけで留まらせるという描写がありました。正直今までのスターウォーズではそんな描写はなくて、違和感を抱く部分ではありました。他にもフォースを治療目的で使用しているシーンが複数回あり、かつ一回はかなりの致命傷をフォースの力で治癒しています。フォースには癒しの力があるとされているけれども、かなり高度な技術であることもまた事実で、この辺はちょっと違和感がありました。
 他にもフォースの力を持ってる人間同士離れた距離で会話するだけでなく、場所や視界を同期し、さらには離れた場所の間で物体の瞬間移動をさせるような描写がありました。これもなんというか違和感のある描写で、???という感じは拭えませんでした。
 なんというか、フォースというのはやはり万能なものではなくて、あくまで自然の中にある力を借りているというだけにすぎないという認識がありますから、基本的にそういう本来なら不可逆的なものをフォースの力で無理やり変えるということには違和感を感じてしまいます。

・フィン以外の帝国脱走兵たち
 今回帝国軍から脱走した兵士たちも出てきます。フィンは自分に課せられた任務をこなせず、逃亡することとなりますが同じような状況で逃亡した脱走兵たちが今回現れます。これはファーストオーダーの弱さというか、劇中でも子供をさらって兵士にしていることが描かれていますし、おそらくクローン技術を失ったことで完全に徴兵でないと兵士を育てられない、そしてクローン兵士でないからやはり人間らしさあって、それが足かせとなって脱走兵が後を絶たない。これはファーストオーダーの非常に厳しいところだなと思うところです。

・ファーストオーダーのスパイ
 レジスタンスたちはファーストオーダーの中にいる協力者からの情報を基に行動するのですが、のちに劇中でこのスパイが明らかになります。で、正直彼のスパイした理由がよくわからないというか、まあ一種の権力争い的な要素もあったのかなという感じはします。これは旧三部作でもベイダーのことを見くびる帝国軍将校がいたのとかを思い出したりしますね。
 まあしかし、やはりファーストオーダーなどと言っても全盛期帝国軍には及ばないし、弱さですな。

・成長したカイロ・レン
 一方で今まで指揮官としては未熟というか、人間として未熟でよく厨二病の発作が出ては暴れ回っていたカイロ・レンでしたが今作ではかなり人間的に成熟したところを見せてきました。指揮官としても成長したという感じがします。

・ちょくちょくレイの無双が入る。強すぎる力。
 レイが今回かなり無双するというか、前作の段階ではまだ未熟なはずのレイですがそれでも今作ではかなり活躍します。で、これが悪いかというと個人的にはそうではなく、のちにレイの出自が明らかになった時に「だからこんなに無双してたのね」という納得はあります。

・不明だったレイの出自
 上でも書きましたが、レイの出自が明らかになってレイの強力な力の由来も明らかになります。これがかなり衝撃的というか。すでにジェダイの家系というものがほとんど途絶えてしまった時代にレイが強力なフォースを持っているというのはそういうことなんだなと納得しました。

・ベン・ソロの物語
 上でも書きましたが、やはり続三部作のなかでスカイウォーカー一族と言えるのはルーク、レイア、ベンすなわちカイロ・レンしかいないわけです。今作はベンへのフォーカスが強まり、よりスカイウォーカーの物語感は増していたと言えます。
 ベンが暗黒面から帰ってきたことによって、やっと「スカイウォーカー」の血を引く者が帰ってきたという実感がわいた感じもあります。
 そして、暗黒面に堕ちたカイロ・レンは自分が殺したはずのハン・ソロに説得されて改心します。これが一度道を踏み外しても戻ってくるのに遅すぎるということはない、という感じがして、感極まってしまいました。親子愛というか、そういうものに弱いです。

・ 蘇った皇帝
 今作でついに皇帝が蘇ります。Ep.6で倒したはずの皇帝はシスの暗黒面の力を使って生き残っていました。というか生きているのか死んでいるのかもよくわからなくて、本人も「自分は死んだ」と認めています。何がどうなってああなってるのかは正直まだよくわかりません。
 ただよかったと思うのは、続三部作でラスボスになると思われていたスノーク最高指導者が唐突に死んでしまったことについても、スノークというのは皇帝が作り上げていた架空の存在であって、あくまでカイロ・レンを都合よく動かすためのコマだったのだなと。唐突なスノークの死にも納得が行きました。

・重要人物たち
 劇中、レイのミスによってチューイが死んでしまうという描写があり、これは本当に胸が痛みました。ハンが死に、ルークも死に、チューイも死んでしまうのかという悲しみ。あの時の映画館の空気と言ったらないでしょう。しかし結果から言うと死にません。生きています。これはよかったなと思いました。
 一方でレイアはベンを更生させるために力を使い死んでしまいます。そしてその更生したベンも最後の最後、レイを救うために死んでしまいます。ある意味ではスカイウォーカー一族はこれで全滅したことになるな、と言う風には思いました。

・ファイナルオーダーの出現
 皇帝の復活と同時に、シスが根城にしていた惑星では帝国軍の戦力を復活させるという計画が進んでおり、ファイナルオーダーという名前の大艦隊が突如出現します。これがカイロ・レン率いるファーストオーダーと協調するのかと思いきやそうでもないような発言もあって、なんとなくファーストオーダーとファイナルオーダーの全面戦争が見たかったなという気がしました。本来の帝国の正統な後継者はどっちなのか、バチボコに殴り合って見て欲しかった。
 このファイナルオーダーについてはファーストオーダーの士官からも「あいつらはカルトだ」などと呼ばれるほど旧帝国軍そのまんまで、ガンダムでいうところのアクシズという感じがします。エゥーゴの連中がアクシズに交渉に行ってあまりのジオンっぷりに辟易する、あの感じがファイナルオーダーに感じます。

・星ぶっ壊しすぎ
 ファイナルオーダーの艦隊が出現したのはいいのですが、彼らのスターデストロイヤーには大型レーザー砲が積まれていて、これが惑星一個を簡単に破壊します。そんなレベルの大砲が全ての戦艦に積まれています。これはオーバーキルにもほどがあるというか、そんなに気軽に惑星ぶっ壊してんじゃねえぞという感じはちょっとあります。

・絶望的な最終決戦
 ファーストオーダーだけでなく、突如として発生したファイナルオーダーによってレジスタンスたちは絶望的な状況に追い込まれます。ポーが率いるレジスタンスはそのファイナルオーダー撃滅に対して最後の作戦を立てるのですが、これが本当に絶望的な戦争になります。しかし、最後の最後は「希望」が勝つ。人々の中にある希望が途絶えない限り、状況を打破することはできるのだという感じがしました。

後書き

 そんなわけで長々と書いてきましたがいかがだったでしょうか。個人的には割と面白かったなと思いますし、本当にエピソードⅧが悔やまれるという感じもあります。

 まだこれでスターウォーズが終わったという実感はあまりなく、正直まだ続編ができるような気持ちもあります。実際また2022年から映画を作り始めるらしいですが、果たしてどうなるか。
 個人的にはやっぱりディズニー制作のスターウォーズシリーズではローグ・ワンが一番好きですかね。やっぱりロマンと、そして勇気、希望、結構いい映画だったと思います。

 そんな感じで、今回は終えていきたいと思います。長文読んでいただきありがとうございました。

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