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楽天新外国人 ブランドン・ディクソン 成績予想

はじめに

 前回のケビン・クロンの記事はこちらです。

 助っ人外国人成績予想シリーズ、今回はブランドン・ディクソンです。

 圧倒的な打線を有しながらもAクラス入りを逃してしまった楽天ゴールデンイーグルスですが特に2019年に主砲として活躍したジャバリ・ブラッシュが不振に終わってしまいクビになってしまいました。そんな楽天ですが新たな助っ人としてブランドン・ディクソンの獲得を発表しました。

 ブランドン・ディクソンといえばオリックスのピッチャーを想像させますが彼はBrandon Dickson、今回の彼はBrandon Dixonであり名前のスペルが異なります。注意しましょう。

 彼についてはアメリカでもネガティブな意見が見られ、あまり印象はよくありませんがどれぐらいの数字が期待できるのでしょうか、分析していきましょう。

 動画でも同じような話をしているのでそっちも見ていただければと思います。

基本データ

 ブランドン・ディクソンはアメリカ出身の188cm/97.5kgの右投げ右打ち野手です。ポジションはユーティリティプレイヤーで一塁、二塁、三塁、外野手を守ることができる使い勝手のいい選手です。1992年1月28日生まれで来年29歳とまだまだ可能性のある選手です。

通算成績

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 2019年にはメジャーで112試合に出場して.248 15HRとまずまずの活躍を見せましたが2020年は.077 0HRと結果を残すことができませんでした。ただ長打力には一定の期待ができ、ブラッシュの穴を埋める野手として期待することはできるでしょう。

 AAAはインターナショナルリーグが中心で数字についてはある程度の信頼が置け、ボール変更で打高となった2019年はメジャーリーグが中心であったことも安心要素と言えるでしょう。

 特筆すべきはその出塁率の低さで、フォアボールはあまり選ばず積極的に打っていくスタイルです。これが彼の評価を下げる原因にもなってしまいました。また三振の多さも気になるところで、積極的に打っていく割には三振が多いのは気になるところです。

打撃の傾向

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 近年打者を評価する指標として使われているバレル率ですがこれに関してもメジャーの平均を上回る数字を記録しており、ボールを捉える技術は高いものがあると言えます。

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 基本的にフライが多い打者で長打力を感じさせます。ただメジャーリーグではゴロが増えており、一番活躍した2019年以外はゴロの割合が多くメジャー級のボールを捉え切ることができませんでした。

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 引っ張り方向にホームランが集中していますが逆方向へ打ち返す技術もあり、外野へのフライはどの方向にもある程度飛んでいます。楽天生命スタジアムは改修によりホームランが出やすくなっており可能性を感じる打者です。

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 投手の左右による成績の差は多少あるものの右投手相手には長打がよく出ていてそこまで大きな差がある感じはありません。左をカモにしたシーズンも1シーズンあったりはしますが基本的に左右特に数字が変わらず、どちらでも安定して数字を残す能力があります。

球種・コース

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 問題の球種ですが、ストレートに対する数字の弱さがありつつも日本はアメリカより球速が落ちることもあり大きな問題とはならないでしょう。一方でスライダーやカーブといった曲がる変化球に対しては強さを見せていて、2020年もスランプだった中でやはり捉えています。2019年に最も多くホームランを打ったのも曲がる変化球で、これらの変化球を捉える技術力には定評があると言えます。

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スイング率

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空振り率

 積極的に振っていくバッターなだけにボールゾーンの空振り率は高い数字となっており、高めの空振り率の高さも気になります。

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 インコースと低めに強く、真ん中外目にも強い一方で高めには明確な弱点があり、高めの直球に対するソリューションが必要でしょう。

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 ボール球スイング率の高さもさることながらコンタクト率も平均以下となっています。ただストライクゾーンのコンタクト能力はメジャー平均より1割低い程度になっており打てる球を打つ技術に問題はないと言えます。
 ひとつ気になる点としては2020年に急にボール球を振らなくなった点で、急に慎重な打撃を見せるようになっています。ストライクゾーンのコンタクト率もメジャー平均を上回り、急に打撃スタイルに変化が起きています。たった14打席の数字なので分かりませんが、もし打撃スタイルを変更しているのなら気になるポイントではあります。

走力

 走力は28ft/sとメジャー平均を上回る脚力を持っていて、二桁盗塁を記録するなどスピードもあり二塁を守らせるに当たってもその脚力は問題とはならないでしょう。

守備位置

 メジャーでの出場機会は一塁が最も多く600イニング余りを守ってUZR 2、DRS -1とその一塁としての守備力に問題はないでしょう。ただ楽天の一塁手は銀次、鈴木大地とおり一塁で起用するかどうかは悩むところです。

 次に可能性がある三塁手は55イニングでUZR -0.1 DRS ±0、AAAでもあまり守っておらず経験が少ないのでなんとも言えません。ウィーラーが103イニングでUZR ±0、DRS 1であることから考えると三塁手として同程度の守備力を期待するのは難しいかもしれません。

 二塁手としては58イニングでUZR -0.1 DRS ±0、マイナーでも113イニング守ったシーズンがありまずまずの守備力を期待できますが、セカンドには浅村がいることなどからおそらくセカンドで起用するのはあくまでオプションのひとつといったところでしょう。

 そして外野手として起用した場合にはUZR DRS共にマイナスが並んでおり守備力には若干の不安を感じます。

 よって、ディクソンがもし楽天に入団した場合には一塁もしくはレフト、指名打者での起用が現実的なラインになってくるかと思われユーティリティプレイヤーではあるものの楽天の戦力等を考えればまず二塁で起用されることもそう多くはないでしょう。

成績予想

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 マイナーとメジャーの数字から弾き出された成績の予想がこちらです。楽天生命スタジアムのホームランの出やすさを考慮しホームランを増やしつつツーベースを減らす感じの予想にしてます。

 AAAでの数字をもとにした予想が.270 28HR 出塁率.333、メジャーでの数字をもとにした予想が.242 29HR 出塁率.297です。出塁率がどうしても低くなるのでOPSも思ったより伸びない結果となりますがそれだけ長打力があるのでオプションとして使えるということはチーム力を向上させるでしょう。

 まあそんな感じの選手ですね、ブランドン・ディクソンは。

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