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こどもに性のこと どう 伝える?

こんにちは べびぃLabo☆Ceres 杉上です。

助産師で~~す なんて宣伝していると よくいただく質問です。
「こどもが性器をさわってるんです。どうしたらいいですか」
「性教育 しないとと思うけど、どうはじめたらいいんでしょう?」

そうですよね。なかなかにプライベートなことも絡まって伝えにくい、って思うこともありますね。

どうしたらいいか?
私の経験も交えてお伝えしてみようと思います。

いつがいい??

ズバリ! 子どもが質問してきたときです!!
「赤ちゃんってどこからくるの?」
「あの人 なんで裸なの?」
「(テレビのシーンなどから)なんであんなことしてるの?」

はい、どきっとした そこのあなた!
それはね。自分の中にこういうことは話しちゃいけない、口に出すのははしたないこと、みたいなバイアスがかかっているからです。

性って 動物にとって さらに人にとってとても大切なもの。
子孫を残す、ということに加えて
お互いのコミュニケーションを促す
お互いを感じる

っていうことを手渡せるもの。
なので、使い方を間違えると
極限まで傷つける。命を奪っていく。

だからこそ、学ぶ ことが必要になります。

何か 質問とかつぶやきとか 子どもが発したら
チャ~~ンス! です。
しっかりと具体的に話をしていきましょう。

どうやって?

もし 質問してくれたら、背景を聴いてみます。
例えば・・・・・

「赤ちゃんってどこからくるの?」

子どもが聞きたいことってどんなことでしょう?

 お腹でそだってでてくる
 卵子に精子が合体して育ってくる
 ママのからだにパパの精子が入っていって卵子をみつけて合体した
 赤ちゃんはキャベツからでてくるって聞いた
 赤ちゃんをママが拾ってきた

もっと他に聴きたい理由があるかもしれません。
そこがわからないと、なんて応えていいか、わかりませんよね?

もし、子どもから何らかの問いかけがあったら
ぜひ

「というと?」「どんな感じ?」

って聞いてみてください。
子どもたちは、自分がどうして聞きたくなったか話してくれます。
それを聴いてから 応えたいことを応えてあげてください。

どうこたえる?

私 子どもが小学生の頃に性教育講演に行く機会が結構あり
子どもたちに聴いてもらってました。

「どんなふうに伝えたら皆に伝わるか、聞いてくれない?」
子どもって、教えてあげる、は抵抗あるけど
教えてくれない?はむっちゃ協力してくれます。

うちの子どもたちはこのおかげ? このせい? で
科学的な性の知識は自然に身に着けました。
ある時、小2の子どもが帰宅した時
「先生がね、膣ってすぐに応えられたの あなただけやわ、って感心してた」って。
そりゃあ、我が家では膣とか性器、ペニス、亀頭、勃起、皮をむく、おりもの、月経、卵巣、卵子、性交って普通にあふれてますからね。

たとえば、「私、よくわからないから、今度図書館にいって本一緒にさがしてくれない?」というのもありですね。

子ども達、一所懸命本探すと思います。それを見ながら、ああでもない、こうでもないって語り合うことそのものが性教育ですよね。

子どもに読んでもらいたい本をトイレに置いとく、というのもアイディア。
個室で誰にじゃまされることもなく、興味のあるものに没頭できます。
トイレ長くなってもそうっとしておいてあげてくださいね。

知識は自分を守る

性犯罪をする人はどうやって対象をみつけるか?

これはちゃんと調査があります。

性暴力を働く場所 屋内が70%以上
性暴力をされた人 知っている人 60%以上
性暴力をしたきっかけ あらかじめ計画的に進めていた 60%以上
性暴力をしようと思う相手 誰にも言わなそうな人 70%以上

つまり衝動的にはしていないってこと。
相手、場所、タイミングを見計らって計画的に行われています。
これは女子だけでなく男子も受けています(男子16人に一人)

特に性器の名前とかをいわなさそうない人が狙われます。
犯行しても誰にも言わなそうな人を探してるってことです。

逆を言えば、科学的な知識を身に着け 膣、ペニス、プライベートゾーンなど話すことができる子どもは標的になりにくいってことです。

親がずっと24時間子どもにべったりくっついて守ってやれるわけではありません。
子どもが自分で身を守れることとして性教育の知識はとても大事なことです。

知識は自分らしく生きる糧になる

誰かを好きになる。
触れ合いたい、手を握りたい。
自然におこる感情です。
人は皮膚独自にいろんなことを感じて、考えていることがわかってきています。
そんな時、相手はどうなのか?
自分に起こるこの感情を衝動をどう処理したらいいのか?

知っていたら、自分もOK 相手にもOKなことをちゃんと選ぶことができます。

「いや」なことはいやをいえる
いつなら「OK」かを伝えられる

これは自分も相手も生かすとてもだいじなスキルです。

身に着けていたら、幸せだなあと思います。

オランダは5歳から段階を経て性教育をします。その結果初交年齢があがったという調査があります。
WHOが「包括的性教育」という概念を提唱しており 世界中がそれをかなえようと努力しています。日本も取り組みがはじまろうとしています。

※参考 性に関する知識やスキルだけではない「包括的性教育」とは? 今の日本に必要な理由

参考になりそうな本など

何冊かあげてみます。

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村瀬幸造さんは 性教育パイオニアの方。子どもたちの人権を真摯に考えた発信をずっと長年されています。

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現状。女子よりも男子のほうが生きにくさが多いと思っています。
ねばならぬ に支配された人生を生きています。
有害な「男らしさ」からは是非自由になってほしい。
女子は有害な「男らしさ」をちゃんととらえて男子が苦しまなくて済むようにしてほしい。

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高橋幸子氏。子どもたちに性の適切な知識を伝えたい、と活動されている産婦人科医の著書です。先日お話をお聞きしました。子どもたちへの愛にあふれた方でした。

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古い本(1998年刊行)ですけど、お役立ちです。似た感じの本に出合えるといいですね。

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これも古い(2003年刊行)ですが、とても参考になります。

性教育は生きる教育・命の教育

性を学ぶことは生を学ぶこと、と私は思っています。
自分で工夫したり、解決したりできることもある。
それ以上に他人に助けてもらったり、教えてもらったりすることもたくさんある。

生きていくときに 人に助けてもらう力ってむっちゃ大事。

性を学ぶってそういうことを学べる、考えられることだと思います。

だって性交はひとりじゃできないよ。

性は 心(りっしん弁)が生きること
性交は 心が生きて交わること

この人と近づきたい、この人と触れ合いたい、この人を理解したい 
この人と身体も心も通じたい、まぐわいたいって思って
相手も
あなたと近づきたい、あなたと触れ合いたい、あなたを理解したい 
あたなと身体も心も通じたい、まぐわいたいって思って

表現される行為が 性交。

人生がより豊かになる。
そんな豊かな生活が送れるよう
子どもたちに手渡せるものを
渡していきたいと思いませんか?

ちょっとずつちょっとずつ
皆で伝え合えたらなあ、と思っています。



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