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第5話 高校生のサポート

3月(2024)には、高校生からの依頼が来た。
数学と化学を教えてほしいとのこと。

この依頼を含めると中学生、高校生、社会人の3名。
このサポート活動のターゲットと考えていた世代が全て揃った。

大学生でも、小学生でも構わないのだが学び直したいという小学生は
いないだろうし、現役大学生ならばサポートを受けている場合ではないだろう。

例によって未成年は保護者同伴のもと、初日にサポートの説明を実施した。
当日は父親が付き添ってきたのだが、仕事帰りなのか紺色のスーツにネクタイ
かなりパリッとした方であった。
父親はこちらが用意した概要説明を聞きながら非常に驚いたような様子で
説明を聞いていた(と思う)。察するに、ボランティアでここまでやってるの?
みたいな反応だ。

そのような反応は構想の段階から想定内であった。
私自身、今までに聞いたことも無い活動である。
依頼も来ないだろうと思っていたくらいだ。

当の本人(高校生2年、女子)は非常に潑溂とした聡明な方である。
周囲の目は気にしないからオープンスペースで構わないとのこと。
この方は果たしてどのくらいのサポートが必要なのだろうか。
もしかしたら私のサポートは必要無いレベルかもしれない。
そのように思いながらも、父親の同意の下すぐにお試しサポートを開始した。
父親は1時間くらいで迎えに来るから、ということでその場を去った。

課題は化学であった。
おそらく進学校であろう。
先取りですでに「化学」をやっている。授業のスピードは非常に速い。
教科書は苦手な人にとっては目もくらむような学習量だ。
問題集もかなりのボリュームである。

原子量やアボガドロ定数、密度などのお馴染みの問題。
問題集は基本問題とはいえ、大学入試の過去問を集めたものであるから
解説にも時間がかかる。どこまで戻って説明すればいいのか、計算力、
数学の知識、考える速さ、記述の速さなとなど、多くの情報が
一気に流れ込んでくる。

この方は私のサポートでは足りないかもしれない…
しかしいま決めつけることはないだろう。
必要がないならばいつでもやめていいというのが
このサポートのやり方であり、選択の主導権は
学習者側にある。見限るのも学習者側の自由である。

一方で、話をしているうちに感じ取ったことがあった。
この方はこのサポートの使い方をすぐに理解したかもしれない。
今後どのくらいの頻度で依頼が来るのか、どんな内容で困ってくるのか。
相手のペースでよいのだから、こちらから断る必要はないのである。

初日のお試しサポートは、化学問題集の2問で1時間をかけた。
物理、化学は率や割合、%、などが基礎となって様々な次元の「量」
を計算する。
いろいろ探ったところ、やはり単位(次元)の理解に曖昧さ
があったため、計算式には数字だけでなく単位も付けて書くように
指示した。そうすることで、答えに何を算出したのかを目で確認できる。
そして、この方は一度わかればスラスラと解けるようになった。

4月の段階で化学のサポートを2回行った。
4月の模試では、化学は6割程度であったが
苦手な割にはよくできたのではないかと思う。
サポートをしていなかった数学では3割だったらしい。
サポートを受けたから良い点数になったかのかどうかは
確認のしようがないが、サポートを受けた科目の点数が
下がるよりは安心である。

6月現在、化学2回、数学2回のサポートをおこなった。
数学は円の内接外接、微積分を実施。どちらも2時間かかった。
受験レベルは短時間では説明しきれない。

この方があと何回サポートを要請するのか。
今後の伸びが楽しみである。


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