【ゲーム感想】死神と少女 4章~個別ルート

公式推奨攻略順でプレイするつもりが、気づいたら5章、6章と入ってしまっていました( ノД`)… フルコンした今、最初はシスコンありえね^^;と距離を置いていた十夜ですが、その愛の深さにとても好きなキャラになりました。今は十夜>蒼=夏帆>その他の順で好き。すごい変化だw ただ個人的には、相手を好きになった理由を一目惚れで片付けられるのが無理なのでそれがキツかった。総評としては「面白いっちゃ面白いけど期待外れ」かな……。レビューに踊らされて期待値MAXでプレイしてしまったのが痛かった。どこを見ても評価が高いんじゃなくて、合わない人はダレるから評価をするまでに至らないんじゃないかな……。あと、自分の容姿にコンプレックスがある方は精神衛生上非常に良くないと思うのでおすすめしません。(私がそう)

これ以降、物語の重大なネタバレを含みます!!!また、主人公へのマイナス感情を隠していないので、キャラクターを悪く言われるのが嫌な人は退出を推奨。というかこの作品が好きな人は私の記事を読まない方がいいです。ほんのりスイクラの内容にも触れていますのでそれも注意。





詐欺師ルート

付 き 合 っ て 即 体 を 許 す ヒ ロ イ ン

え……今どきの高校生ってこんな感じなん?私が喪すぎるだけ?それも本当に好きならまだしも、「あなたのことは好きじゃないけど嫌いではないから付き合ってもええで」と、自分は行動しないけどあなたは私を愛してね、みたいな失礼極まりない思考だったのに?シナリオ読む限り自分を肯定してくれれば誰でもいいみたいだし、なら告白してきた男の子と付き合えばよかったんじゃないの???この他人の気持ちなんて一切考えないで理想しか見ない自分大好き不誠実な感じが生々しくて何とも嫌~な気持ちです。よくそれでルイスに説教できたな。それとも、主人公が結局は「嫌で仕方ない娼婦の娘」であることを表してるのか?自分大好きヒロインといえばスイクラの柘榴ですが、この子は見ててイライラすることなんてなかったんですよね。柘榴の場合はいい意味でも悪い意味でも慎ましくて、すぐ他人に頼るようなことはしなかったからかな。あとスイクラはむしろ、自己中な悪魔になるか他人を愛することで自己中から脱せるか、というのがテーマだったし……このルートの紗夜はどのエンドでも何も成長してない気がする。

付き合いだした途端日生にどんどん依存していき、あんなにベッタリだった兄が一切主人公の世界に現れなくなったのは恐怖でした。二人の世界に閉じこもってしまって周りが可哀想。でもこれ、後で考えたら十夜が「自分は紗夜が求めなかったら現れない」みたいなこと言ってましたね。

偽物と本物の違いを暴いていくストーリーは読み物として面白かったです。「噓つきな盗賊とお姫様」ってタイトルも良き。最後の選択肢は迷いなく「嘘を付いて」を選びました。遠野の名の価値がなくなったのに連れて行ったってことは、本当に主人公を好きになってくれたんですよね?確かにこれがグッドエンドだ。

不思議っ子なっきールート

一番健全でした。見えちゃう者同士お似合いでは?恋愛モノにおける結婚・子供ネタって嫌いなんですけどこれはよかったです!「千秋」「千春」って名付けてるのがもう……。最後、コスモスの丘に「俺たちは幸せだぞ!」→「知ってるよ」って声だけが優しく響くのが感動的でした。西の魔女が死んだのラストみたい。

本物の死神ルート

実兄ではなく、紗夜が精神を安定させるため作り出した幻想の死神とのこと。そんなんできるん?と思いましたが、できるんでしょうね(適当)あれ結局「死神」の存在は幻想の世界には実際に存在していて、それが紗夜には見えて兄の役割を与えた、っていう解釈でいいのよね??じゃないと紗夜の感情が何もなかった死神に投影されたっていう描写いらんし、蒼の記憶を消すなんてできるわけないもんね、そうよね??紗夜が十夜の腕に抱かれながら力尽きていくシーンは、BGMも手伝ってなんとも美しかったです。ただ、紗夜の時間を止めたことと時計塔とに何の関係があるのか謎。時間を止めたのに体は成長してるのも謎。全体的にモヤモヤが残りました。

イリヤ・ニコラエヴィチ・ムイシュキン氏ルート

大仰な名前やなあ 殺し殺されフェチの私にはすごくよかったです^^シナリオと実際のセリフが異なる演出も良かった!「終わりを恐れるな」「あなたはあなただ」と互いを補い合う関係性いいですね!主人公がいきなりキッスしたときは生理的嫌悪でビータ叩き割りそうになりましたが、蒼も寝込みにキッスしていたことが判明したので、どっちもどっちやな!このゲームと私との倫理観に隔たりがありすぎてキツいことは否めないけど。え、いくら美形でも付き合ってもない人からいきなりキッスされたら普通に不快ですよね?、、エンディングは、十夜ルートでも思ったけどご都合主義感がすごくてちょっと蛇足かな……。うーんでも臥待さんは「少女に幸せになってほしかった」んだからこうするしかなかったのかな。

遠野紗夜限界オタク・しにしょ界のティーティーウーくんルート

きみ!あんまり誰かを崇拝することは自由を失うことだよ!誰かスナ○キン呼んできて!ってぐらい徹底して紗夜を褒めちぎります。自分と紗夜は無関係の別人だと分かってはいますが、ちやほやされるのが苦手な私には正直居心地が悪かったです。紗夜が自分の顔を嫌いなことを知ってるので、千代が容姿について言及するたびあーそれ地雷……あぁ……と一人気を揉んでいましたw でもお話は切なくて素敵でした。これだから人外CPは~!^^

ウルトララブリーキュートガール夏帆ちゃんルート

「宮沢夏帆」「愛している」で言の葉刻んだけど進めなくて咽び泣いた思い出。友達……うん……ギャルゲーやることにします。髪型交換のスチルが可愛すぎて心肺停止しました。普段髪を結んでる子が下ろしたときの破壊力すごいよね!!そういや、以前何でこんないい子が友達いないのか不思議~と書きましたが、5章で明かされましたね。敬遠されてたのはいつも一緒にいた紗夜のほう。夏帆はいくらでも友達ができる=紗夜だけを愛する必要はない。それに気づいた紗夜の心情吐露もまた生々しい……。

ヒロインについて

美少女、金持ちお嬢様、病弱、魔性の女、家族と因縁アリと一昔前の占ツクで流行ったヒドインみたいだな(伝わらなくて大丈夫です)植田佳奈さんの幼少紗夜、紗夜、椿姫の演じ分けがすごい。執事に命令する紗夜様にはゾクゾクしました。(きも…)五章までは我が強いわりに情緒不安定すぎて引いていましたが、黒・蒼ルートでは愛する人を守るため奮励していて好感が持てました。よくも悪くも人間臭い子だと思います。数々のセクハラ行為だけは受け入れられんけど。

まとめ

要は、臥待さんが書いた「死神と少女」という物語にドハマりした二人が出会って物語になぞらえた旅をする話ですね。しかしその二人もまた「死神と少女」という物語の中の人物であるという、現実と幻想(作り話の世界)の境界線があやふやになってくるような、不思議な構成でした。うーん正直1・2章微妙だったし個別も十夜と蒼だけで良かったかな……もしくは蒼ルートのみで普通に文庫本とかで読みたい。結局美しい言葉が最後まで明かされなかったのがガッカリ。問題提起だけしといてあとは任せるってうまく逃げられた感じがwでも普遍的なものなんてあるようでないんだし(定義否定だけど)、ここはぼかすのが賢いですよね。でも恐らく「愛する人の名前」じゃないかな。蒼ルートのラスト読み返して思ったんですが、「あなただから意味を成す」とか「私はもう見つけてしまいました。最も美しい言葉を」って台詞の前に蒼い空の描写が入っているとかで普通に考えたら「蒼」です。逆に何で1周目で気づかなかったのか……


さて、これでしにしょの感想は終わりです。お読みいただきありがとうございました。

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