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【感想?レビュー?】君も「さにーでいみそすーぷ」でジメジメ布団から脱出しよう

こんにちは、なるぼぼです。

最近は腐りすぎて外出を控える程ティアキンにハマり込み、睡眠に支障をきたして大事故になっています。
そこで流石に「ティアキン以外やるか…」と思い、軽くできそうなゲームを探していたところ、「さにーでいみそすーぷ」に出会いました。
というのも、最近作者のノラ氏にNote上でフォローしていただきまして…。
自分も「アイコンの絵かわいい!」と思って色々見たところ、フリーゲーム製作者様であることを知り、「ゲームの絵柄もいい!」と思って手ごろなものを触ってみた、という次第です。
そんなこんなでこのゲームをやってみたのですが、なんともゆるい時間を過ごせたので、ラブコールも兼ねて軽くご紹介できればと思います。

なお、本作はフリーゲームであり、RPGアツマールによってブラウザ上で遊ぶことができます。
下記リンクからお手軽に遊べるので、ぜひ遊んでみてください。

それではいきましょう。

1.ゆるゆるふわふわなイラスト

この作品の最大の特徴は、なんといっても雰囲気とイラストだと思います。
ノラ氏独特のイラスト感はパステルカラーと相まってとても良い雰囲気を出しており、惹きこまれます。
この薄めの配色、凄い好きなんですよね。
全体的にほんわかした雰囲気で話が進むこともあって、色味との相性が見事にハマっています。
キャラクターに関しても、大イラストをよく見る坊ちゃんとかメイドさんとかは、それぞれ黄色と水色の髪色に青をテイストとした服装をしていて、雰囲気に混じっていてとても良いです。

そしてキャラクターの大イラストや説明の一枚絵など、操作マップ以外のイラストも凄く丁寧に描かれていて、印象づいています。
コミカルに描かれたSD絵、大きめに描かれている分表情豊かで差分を楽しめる立ち絵、移動するイラストでありながらも細かく表情が付けられているドット絵など、どのイラストも本格的な作りになっていて、その雰囲気を味わうことができます。
僕はイラストを描く側になったことがないので詳しいことはわかりませんが、フリーゲームでここまでイラストがコロコロと変わるのは珍しいと思いますし、作者の愛を感じました。

2.印象付けられるキャラクター

続いてストーリーのお話。
ストーリーは至ってシンプルで、「引きこもり坊ちゃんを布団から出せ!」というそれだけの内容です。
ただ、それ以上に強いのがアクの強すぎるキャラクター性とセリフたち。
ここではそんなキャラクターを紹介していきます。

まずメイドさん。
開幕から、坊ちゃんの家にいる理由が「ダメ男たちを養うため」とかいうとんでもなくブラックなことを言いだします。
それでいてなんでも家の外に干して暴れまわるという傍若無人っぷりは、流石メイドというかなんというか…。
とはいえ洗い物はしっかりするし、猫の世話はするし、料理はおいしく作るしとなんだかんだしっかり仕事する人です。
あとなぜかファイアが使えます。怖すぎる。

続いて坊ちゃん。
引き籠りになってしまい、家どころか布団からも出る気がない子です。
そのせいか家にジメジメモンスターを生成してしまいます。
彼の引きこもりには理由があるようですが…?
あとなぜか家に女の子を監禁しています。怖すぎる。

…とこんな感じで、本作はキャラクターが大体どこかぶっ飛んでいます。
しかも、このゲームは地の文でもボケをかましてきます。
例えばメイドさんの干し作業。
メイドさんは家のものを干すことでじめじめオーラを消すことができるのですが、特定のアイテムで珍事件が起こります。
エアコンを干すと太陽とエアコンが対戦を始めたり、トイレを干すとなぜか公衆便所扱いになったり…とこっちもやりたい放題です。
とにかく想定の斜め上の回答が出てきて、プレイヤーを飽きさせません。

僕はこうしたテキストにどこか既視感を覚えていました。
なんというかぶっ飛んでいて、ありえないような回答をいつも出してくる。
それでいてそれが独特なユーモアにあふれていて面白い…。
なんだったのかクリア後までわからなかったんですけど、同作者の「ファイナル・デッド・とんかつ」というksg作品を遊んだときに答えが見えました。

これ、雰囲気がVIPRPGに近いんです。
僕がVIPRPGを触っていたのは8年ぐらい前なのですが、あの頃のksgにあったバカバカしいネタの雰囲気が、ノスタルジーを感じさせていたみたいです。
VIPRPGの5分で作った感と勢いで全部どうにかしようとする感覚、そして一発芸みたいな謎ネタ軍団は、くだらなさすぎて印象づいていました。
本作は、そうしたくだらない雰囲気がなんとなく漂っている気がするんです。
ただ、そうしたくだらなさは雰囲気や色味である程度中和されていて、ksgほどの勢いを感じさせません。
また、後述しますが本作はゲーム性も結構高いので、遊ぶ上ではしっかり面白いです。
そうした点は、VIPRPGにあった勢いとは違う、丁寧な面白さになっています。
作者様にこうした意図があったのかどうかはわかりませんが、僕は自分がなんとなくその匂いを感じ取っていたのかな、と思います。

3.奥深いのに手軽に味わえる、RPGの醍醐味

さて、最後に本作の戦闘面について。
プレイしてから気づきましたが、本作には敵と戦う戦闘シーンがあります。
ジメジメモンスターを倒すための戦闘ですね。
これが12戦程度あります。

本作はRPGツクールで作られていることもあってか、戦闘に関してはかなりシンプルな作りになっています。
MPで魔法を放つ、オーソドックスなRPGの戦闘です。
しかし、このシンプルな戦闘でも、敵の動きに独特な動作が加えられていることがあって、面白くなっています。

例えば敵の中の「カエル親子」。
この敵は時々強力な一撃を1ターン貯めてはなってきます。
その時に、ちゃんと防御を貼らないと大ダメージを受けてしまいます。
だからこそ、貯めのターンには「攻撃を貯めているぞ!気を付けろ!」みたいなメッセージが出て、プレイヤーに防御を促してきます。
こうした敵の動作がどれもワンパターンでない点は、ゲームの面白さに繋がっていると思います。

さらに、TPの概念が本作をさらに面白くしています。
TPは攻撃を与えたり受けたりするごとに溜まっていくのですが、1/4のゲージを使ってMPを回復するか、全部使って強力な攻撃をするか選ぶことができます。
これにより、MPの回復に回しながら特殊能力を活かして長期で戦っていくか、全部TPを使って一気に畳みかけるかを選ぶことができます。
このような「駆け引き」が短い時間でも多くの選択肢を生み出しているので、かなり奥深く満足感のある戦闘に仕上がっています。

余談ですが、本作の戦闘画面は「オウガバトル64」や「幻想水滸伝」のような斜めの視点です。
この戦闘画面を採用したことで、個人的にはRPGツクールにありがちな「同じ戦闘画面」が解消されていて良かったと思っています。
本作はHPバーなどはおそらくデフォルトのものなのですが、視点を特殊にしたり、キャラクターの造形をオリジナルイラストにしていることで、他のゲームとの差別化が図られています。

もう昔のイメージなのかもしれませんが、RPGツクールはどうしても「似たり寄ったりの絵柄になるため、制作ツールがプレイヤーにバレやすい」という難点がありました。
VXやVX ACEはその代表例で、主人公ドットが1マスしか打てない関係上キャラの造形がどの作品で同じになるようになっていました。
しかし、近年のMVまで来ると大体のゲームがオリジナルイラストを採用し、個性として戦闘画面にも大きな変化が見られるようになってきました。
本作もその例にもれずオリジナルの戦闘画面を演出していますが、前述したVIPRPGが基本デフォルトキャラとデフォルトの戦闘画面を採用していたので、そこにオリジナリティが出されているのを見て、「ツクール製のゲームも色々変わってきたんだな」とちょっと感慨深くなりました。
ちなみに僕はRPGツクールでゲームを作ったことはありません。クソ目線です。

画像は前述の「ファイナル・デッド・とんかつ」より
RPGツクール2000のデフォルト素材が使われています

4.終わりに

いかがでしたでしょうか。

短時間の体験の中にも、セリフは味わい深く、雰囲気はパステルでかわいく、そして戦闘は奥深くと要素がてんこ盛りで、非常に楽しめるゲームでした。
30分~1時間ぐらいでクリアできる尺のゲームを求めていたのですが、そこにちょうどよくハマったうえに、予想以上にいい体験ができたので、良作だったと思います。
ノラ氏最新作の「脳みそジャーニー」も雰囲気ドストライクで超楽しみです。
体験版触れていないので今度触ろうと思います。

さて、次回の記事ですが、構想では「ティアキン」の記事を再度書いてみたいと思います。
前回のはゲームレビューという立ち位置ではないので、ちゃんとティアキンを正面から見る記事を書きたいな、と思っています。
余裕ができたらまたアップロードしますのでお待ちください。
あと、貯めてある記事に「7 End Days With You」と「Spark the Electric Jester 2」の記事があるので、それも随時アップロードしようと思います。
そちらも合わせてお待ちいただければと思います。

それではまた次回。
さよなら~。

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