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【感想?レビュー?】Death Stranding 手放しに評価できるとは言えない

こんにちは、なるぼぼです。

先日、ようやくDeath Strandingをクリアしました。
本来ならSteamレビューに書くべきなのですが、デスストはEpic版を購入しているために、こちらで感想を書いていこうと思います。
タイトルでお察しいただけるかとは思いますが、普段みたいにべた褒めするような展開ではないのでご了承ください。
それではいきましょう。

ちなみに、デスストの中盤までのプレイは前の記事でまとめてあるので、先にそちらをご覧いただけると幸いです。
今回は、前の記事を読まなくてもいいように全体的にまとめていこうと思います。

1.「配送する」という新しい面白さ

このゲームは、配送という「おつかい」をメインに作られたゲームです。
そのコンセプトにオープンワールドやアクション、ステルスを混ぜ込んでいます。
そして、配送を行う上での障害を乗り越える上で、「建築」や「シェア」があることで、本作が単なるおつかいゲーにならない独自性が確保されています。

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配送をする上で主人公サムには敵キャラだけでなく、岩や川、雪や坂道などの自然が脅威として立ちはだかります。
サムはそれらを建築や他のプレイヤーの設備を用いて攻略していきます。
乗り物が地形によってはあまり役に立たなかったり、ファストトラベルが大きな意味をなさないなど、オープンワールドには御法度レベルになるような制限があることで、おつかいゲームとして適度な縛りとなっており、配送経路の往復という単調な移動でも緊張感をもって楽しむことができます。

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前の記事でも述べましたが、不便を強いることでゲームの面白さを見出そうとする点では、デスストはまさに適任と言えるような作品であると思います。
オープンワールドでもかなり異質な要素を持ちながら、それでいて自由な要素を小出しにしていくことで、プレイヤーは先に進むことに楽しみを覚えていく。
見事なシステムだと思います。
クリア後にも国道建築に挑戦できるなど、様々な点でゲームを楽しむことができる点では、まさに革新的かつ成功しているゲームといえるでしょう。

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また、敵の探知に役立っていたBBが使えなくなったり、アイテムの作成が一切できなくなったりなどのサム個人の縛りもあるため、全体的に飽きるような縛りがない点は見事です。
BBがいないときはちょうどBBの恩恵を当たり前のように受けていたので、いなくなって初めてBBがどれだけ役に立っていたかがわかるようになりました。
最初からある緊張感が抜けることなく継続するという点では、常に新鮮な気持ちでゲームを味わえると思います。

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常にプレイヤーに斬新さを与え続けるという意味合いでは、ステルスゲームを作り続けた小島プロダクションならではの発想が多分に盛り込まれており、十分に楽しむことができました。
システム面で不安を感じている人には、自信をもっておススメできると思います。

2.裏返してみれば、常識からは離れたゲームである

さて、システム面で自信をもっておすすめできると述べた本作ですが、逆に言ってしまうと「常識が通用するゲームではない」とも言えます。
要は癖が強すぎる、ということです。

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上記の記事でも述べたように、本作では序盤で敵対する勢力に対する攻撃方法が一切存在しません。
これがかなりストレスです。
序盤の重心や川の障害などに対して不慣れな中で、敵にも対処してね!という状況はかなりストレスになり、序盤で積みやすいゲームになっていると思います。
実際僕も序盤でしんどくなって長期間積んでいます。
この点は無視できないと思います。

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加えて、ステルスゲームとしても少々いびつで、「近接キルが中盤までできない」という点はかなりマイナスイメージに感じました。
ステルスゲームの金字塔である「メタルギア」では、開幕からCQCが使えるため、最悪銃がなくても攻略が可能です。
しかし、本作では息止めをして敵の回避はできるものの、中盤のナイフ獲得までステルスキルが一切できません。
敵に接近する、というリスクをとってまで戦う意味がなく、ナイフがないときの戦闘は逆に単調になっている気がします。
そういった点、ステルスゲームとして本作を選ぶという点では少々苦労すると思います。

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ステルスやキルに係る制限が結構あるため、そういったものへの抵抗はある程度あるかもしれません。
ただ、逆に言えばその点を乗り越えることができれば自由にやれることがそこそこあるため、そういった制限の壁を乗り越えるという、ある種オープンワールドらしい楽しみ方はあると思います。
ボス戦などの戦闘シーンもあるため、TPSとしても楽しめる点などはあるので、ステルス一点に寄っているわけでもないと思います。
そういった点では、作品としてまとまりがあるのかもしれません。

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まさにタイトル通り、「裏返せばいびつなゲームである」という印象はどうしても残ったので、ここを超えられるかどうかに本作の面白さが詰まっているような気がします。

3.ストーリーラインが素晴らしい、が…

さて、本記事で一番言及したい点が、ストーリーです。
個人的にはここが結構ネックになりました。

主人公サムは、配達や通信網の建設を通じて、様々な人と出会い自身の考え方や価値観が変化していきます。
デスストの依頼者には、子どもが生まれそうな登山家、恋人に会うために自身を配送してもらうよう依頼してくるカイラルアーティスト、よくわからんコスプレイヤーなど様々な人がいます。
そんな個性的な人と接するうえで、自分の生きる今しか考えなかったサムが、未来を考えるようになり、デスストランディングの滅亡と対峙していくようになります。

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こういったサムの心情がある上で、アメリの救出に向かうシーンや、帰還後にダイハードマンからの懺悔を聞くシーンなどは、かなり感動する展開でした。
配達の中で心情が変わらなければ、サムはダイハードマンの懺悔やアメリの思いに対して、適切な選択肢を受け取ることができなかったと思います。
ダイハードマンはずっと司令部のような立場であったために、こうした本音が聞けるシーンは重要で、そこに対してサムがしっかりと諭す点は、サム自身の成長が見事に伝わるシーンでした。

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ただ、結構問題点だと思ったのが、エンディングまでの展開で色々と詰め込み過ぎているのではないか?という点。
プレイヤー側の負担がまず大きく、エンディングまで戦闘のないシーンが約1時間半続きます。
それならまだいいかとは思いますが、加えてその1時間半に使われている表現や演出が結構難解です。
ラスボス手前の戦闘からノンストップで進めてきたプレイヤーは疲弊しており、難解なストーリーを読み解く余裕がありません。
実際僕もそうでした。

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僕の場合、プレイ時にスタッフロールが流れる際の意図を全く読み取ることができませんでした。
そこではサムを操作することができるのですが、一定のエリア外に出ると元の位置まで戻される仕様になっています。
まぁいわゆるエンディング流してるから無粋なことするなよ、みたいな意味合いもあるのでしょうが、その正確な意図を理解することができず、なんだこれは…というような気持ちでスタッフロールを眺めていました。
そういったちょっと頭を使わないと真意が理解できない、考察がいるようなシーンが1時間半、ほぼムービーで続くため、プレイしている当時は混乱状態になっていました。

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ゲームをした後に約1時間半の映画を見るような気分でエンディングまでが続いているため、プレイヤーの体力が結構消費される、という点で僕は賛否両論あるように感じています。
実際感動できるような終わり方はしますし、ゲームとして楽しむことはできたものの、結局何がどうなった?みたいなところはぼかして表現されているので、疲れた頭で考えても「?」みたいになりうるケースがあると思います。
ただし、落ち着いて考察してみれば、展開としては驚きの連続になっているため、時間をかけてゆっくりとエンディングを消化していけば、ストーリーそのものの完成度の高さを味わうことができます。
そういった点ではすごいです。

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ただ、どうしても後ろに全部詰め込んだ感が拭えなかったように感じたので、手放しに評価できるようなものではないのかな、と僕は思います。
個人的に色々と賛否両論あるような部分だとは思うので、あくまで個人の意見として捉えていただければ幸いです。

4.終わりに

いかがでしたでしょうか。

個人的に色々と思うことはあるのですが、新しいゲームという斬新さでは面白かったと思います。
ただ、どうしてもゲームの枠を超えた部分が目に付く可能性もあるので、その点を理解したうえでプレイするのが望ましい、とも思いました。
全体的には楽しくできたので、良かったと思います。

次回についてはサイレントヒル2のまとめになると思います。
またしばらくお待ちください。

それでは~。


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