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年末休暇と本年度(2023年春)のGCSE

私だけでですが、この6週間ほど帰国しており、noteの更新がお留守となってました。
私の日本での役割たる、年老いて生活に支障が出始めながらも家庭内別居している両親の子🥲としての立場や、婚家の出先機関としてスタートした海外製造&輸入の日本商社経営という立場。この3年間も何度か帰ってはいましたが、いよいよコロナ禍の集大成として、何らかの決着をつけなければならない時が来てるのかなーと思っています。
今回は先ず、ある程度気が済むまでじっくりと見て来た感じなので、来年からは停滞させず行動に起こして行かねば。大変なのだけれど、仕方ない。投げ出せることではないし、ここまで生きて来た責任のようなものです。

基い、12月13日の晩にロンドンへ戻っておりまして、もういい年なので長距離フライトと時差ボケからの快復や、長期間家を空けていた間に給湯関係システムや火災報知器にエラーが出てたのを直しながら数日経つと、あっという間に息子が帰宅する日となりました。☺️
とりあえず快適に住める家(というかアパートですが)にしておいて、あとは年末で寮から持って帰って来る荷物が多いので、迎えに行くか独りで帰って来てもらうかだな、などと思っていたら・・
なんと、鉄道会社の全スト😭!

私は長らく日本に居て情報を把握できてなかったものの、こちらでは連日の警告報道がなされていたらしく、長距離タクシーも予約でいっぱい。寮は朝10時には閉まるし、自家用車が無ければどうしようもないという究極の事態となってしまいました。

結果的にはママ友が助けてくれて、お子さんをお迎えに行くついでにうちの子も拾ってくださり、唯一ロンドン方面への鉄道が動いていたまあまあご自宅から近い駅まで送ってくれたそうで、そこからは息子が自分で乗り換えたりしながら何とか帰ってこれました。本当に助かった。変な話、子を「ボーディングスクールに預ける」のに「自動車運転免許が無いと不便」だなってのは前々から感じてた一見矛盾するような事実なのですが、今回もまたそれを痛感する出来事となってしまいました。或いは丸投げでガーディアン業者にお任せした方が危なげないくらいな。しかしそうすると私たちの場合は、自分と息子の信頼関係やお互いの精神的な成熟がここまで築けたとは思えないので、これはこれで良いのだけれど。
やや残念なのは学校で、毎回厳重に管理されてるお迎え申請書に「12月16日午前10時に電車で帰宅」とまで書いてあるんだから、鉄道会社が全ストになって駅閉鎖することになったなら、保護者かせめて生徒本人にでも、連絡の一つもして欲しかったなーという気はしないでもありません。

さて、そうやって帰宅した息子の、毎度まいど何故かためて持って帰って来る洗濯物を洗っては干し、ご飯食べさせて、お風呂入れて、ゲームもうやめなさいのそろそろ寝なさいの言ってる間に、あっという間にまた月曜日がやって来る。ワールドカップはアルゼンチンが勝ちましたね!

ここからは息子とご飯食べながら聞いた話です。
息子が最近、私が出張中に電話かけて来てまで嬉しがっていた「GCSE迄に習っておくべき公式が全部書いてある本とその練習問題」というのが有って、実はこの度、前の学校含めこれ迄先生にどれだけお願いしても教えてもらえなかった「教科書的なもの」を初めてもらえたわけですが、何とそれを息子の学年は「GCSEの本番試験にも持ち込んで良い」ということになったそう。😲・・というか、持ち込んでも良いことになったから今急に渡されたということなのか。
これは、コロナ禍で授業がおろそかになった学年が対象の救済措置とかで、息子の学年で終わりらしいです。
*GCSEに関してはこちら↓に書かれてる通りですが、簡単に言うと中等教育の学習達成度と理解力の確認試験のようなものです。


当事者である保護者の立場から言わせてもらえば、息子の学年(2020年9月入学)の受験に2020年初旬から始まったロックダウンや学校閉鎖の影響が出たことは間違いないとして、じゃあその後の2021年入学とか2022年入学の子たちには影響が無かったかと言えば、決してそうは思えません。
息子のように私立系で進学して来る子たちは、シニアスクール入学に際して、小学校までの学力の参考として受ける通称コモン・エントランスと言われる(Indipendent Schools Examination Board実施の為ISEBとも言われる)統一学科試験が有るのですが、息子の年代からは、実際に学校で出題範囲までを十分に教えきれなかった可能性があることを理由に、受験はさせるものの学科試験があまり参考とされない=内申点が大きく考慮される習慣へと大きく変わって来ています。
この変化はもちろんコロナ禍を経てということが大きいのですが、元々名門校ほど私立校にはこのような内申点や学校独自の判断基準を大きく考慮する習慣が有ったことと、イギリスの学校も少子化して来ている中でより良い生徒を早く獲得する思考になって来ている為か、コロナ禍を区切りに私立校全体に定着して来た流れが有ります。
ますます、学校が「この範囲までを確実に教える」「統一テストの結果でアピール出来るように教える」といったことに集中しなくなって来はしまいか?というのが疑問で、そんな中で進学して来た子どもたちがシニアスクールへ上がり、四苦八苦した数年後に受けるのがGCSE。
*イギリスの学制に関してはこちら

私としては、とりあえず自分の息子の年代までは恩恵を受けるのだから関係無いと言えば関係無い話なのですが、お子さんたちがどれだけの思いでこのGCSEを受けるか良く知ってますので、あまり学校が教えきってないようなことを問われるような状況となるのは、避けさせてあげたいと思ってる次第です。

とにかく、本年度息子の学年の受験ではGCSEに数学ならば公式を書いてある等の決められた教本を持ち込んで良いことになったそうで、勿論どの公式を使って良いか分からなければ意味が無いですし、また、実際に数学教師からも言われたそうですが、現実的に問題を見てから「うーんどの公式を使うのかな?」等と探してるようでは時間が足りなくなってしまうと思われる為、あらかじめの学習、早い話が、教本が無くても公式が出て来るだけの能力が試される、とのこと。また、教本を持ち込む方式が決まったことで、旧来のGCSE数学では点取らせ問題として配分されていた「公式を問う問題」というのは無くなります。大した点数にはならないのかも知れないけれど、数学が苦手な子にとっては残念な話。

息子は何よりも「やっと教本をもらえた!」というのにめちゃくちゃ喜んでいて、以前のトップセットクラスに放り込まれた経験もそうだけど、常に自分が何か学び漏れてるんじゃないか、入学時の世界的なイギリス長期ビザ発給遅れやコロナ関係の度重なる休校、隔離病欠などで「教えてもらうべきことで抜けてることがあるんじゃないか」という大きな疑念に、最終的かつ決定的な解決法が下った感じです。
教本は網羅的で分かりやすく、たいへん楽しいとのことで喜んでやってます。
瓢箪から駒みたいな話ですが、本当に良かった。
息子はクラス全体に対して教えられるみたいなのがやや苦手だし、理解度に関わらず決められた分量の繰り返しをこなすタイプの宿題だと逆にケアレスミスや抜けが出たりする傾向があって、今回のように教本を渡されて「勝手に進めて良い」みたいなのが、嬉しくてたまらないようです。☺️