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ブリーバラセタム :UCB34714(UCB)

今回はUCBが日本発売を目論むイーケプラの改良誘導体、ブリーバラセタムを掘っていくよ!

ちなみに海外では2016年に発売済みなので、日本には8年遅れての登場となります!



ブリーバラセタム (UCB34714) の詳細な作用機序

概要

ブリーバラセタムは、部分発作の治療に使用される抗てんかん薬で、レベチラセタム(イーケプラ)の誘導体です。

レベチラセタムの化学構造を基にして、4位のプロピル基 (R-propyl group)が追加された構造を持ちます。この変更により、ブリーバラセタムはレベチラセタムに比べてSV2Aタンパク質に対する親和性が約20倍高くなっています。

レベチラセタムと同様に、主にシナプス小胞タンパク質2A(SV2A)に作用し、神経伝達物質の放出を調節することで発作を抑制します。

シナプス小胞タンパク質2A(SV2A)との結合

SV2Aは、シナプス小胞に存在するタンパク質で、神経伝達物質の放出に重要な役割を果たします。

ブリーバラセタムはSV2Aに高い親和性で結合し、この結合が神経伝達物質の放出を調節します。具体的には、SV2Aに結合することでシナプス小胞のエキソサイトーシスを抑制し、興奮性神経伝達物質(グルタミン酸など)の放出を減少させます 。 

てんかん発作は、脳内の過剰な興奮性神経伝達物質の放出によって引き起こされることが多いです。

ブリーバラセタムは、SV2Aへの結合を通じて、この過剰な放出を抑える

つまり興奮性神経伝達物質を抑さえることにより神経の高ぶりを抑え込む訳ですね!

ナトリウムチャネルの抑制

ブリーバラセタムはナトリウムチャネルも抑制し、これがさらに神経膜の安定化に寄与することがわかっています。

ナトリウムチャネルの抑制により、神経細胞の過剰な興奮が防がれ、発作の広がりが抑えられます 。

イーケプラとの違い

つづいてイーケプラとの違いを見ていきます

作用機序

  • 共通点: 両剤ともSV2Aに結合し、神経伝達物質の放出を抑制します。

  • 相違点: ブリーバラセタムはSV2Aに対する親和性が約20倍高く、より強力に作用します 。

薬物動態

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