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Sibeprenlimab(大塚製薬)

今日は大塚製薬が開発しFDAからブレイクスルーセラピー指定を受けたsibeprenlimabを掘っていきます!

日本の企業の薬が海外で評価されるとうれしいですね!


作用機序

sibeprenlimabの作用機序を見ていきます!

APRIL

まずはターゲットのAPRILを確認します。
APRIL(A Proliferation-Inducing Ligand)は、腫瘍壊死因子(TNF)ファミリーに属するタンパク質で、主に免疫系の調整に関与しています。

具体的には、B細胞とプラズマ細胞の生存と発達に重要な役割を果たします。APRILは、B細胞成熟抗原(BCMA)やB細胞活性化因子(BAFF)といった受容体と結合することで、これらの細胞の機能を調節します。

ざっくりいうとAPRILはB細胞の異常な活性化や増殖そして、最終的なIgA産生に関与しています。

糖鎖異常IgA

次に異常糖鎖化されたIgA1です。

通常、IgA1のヒンジ領域と呼ばれる部分には、複数の糖が付加されています。しかし、IgA腎症の患者では、この部分の糖鎖化が異常で、特にガラクトース(一種の糖)が欠けていることが多いです。(※ガラクトース欠損型糖鎖異常IgA1)

この結果、露出したN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)という糖が自己抗体によって認識され、免疫複合体が形成されます。

これらの免疫複合体は腎臓の糸球体に沈着し、炎症や損傷を引き起こします。


sibeprenlimabはAPRILを中和することでIgAひいてはガラクトース欠損型糖鎖異常IgA1を抑制しIgA腎障を治療します。

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