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VX-548(Vertex)

今回はこちらの非オピオイド疼痛治療薬を掘っていきます!ちなみにブレイクスルーセラピー指定品です!

NaV1.8

まずはターゲットのNaV1.8を掘っていきます!

NaV1.8は、人間のSCN10A遺伝子によってコードされるナトリウムイオンチャネルです。

主に痛覚を伝える小さな直径の非髄鞘化感覚ニューロン、特にC線維に存在し、テトロドトキシンに抵抗性のある電位依存性チャネルです。NaV1.8は4つのドメインを持つα型サブユニットで構成され、各ドメインには6つの膜貫通領域があります。

独特の特性として、他のナトリウムチャネルが不活性化するレベルの脱分極下でも活性化し続けることが知られています。この性質により、慢性疼痛、特に過敏痛や異常痛に重要な役割を果たし、低温下でも痛覚を伝えることができます。

またNaV1.8チャネルは、主に人間の末梢神経系において発現するため、ここの選択的阻害は副作用を抑えた痛みの抑制に寄与するのでは?と考えられています。

VX-548作用機序

VX-548は、NaV1.8を選択的に阻害する経口薬です。このチャネルの選択的阻害により、VX-548は痛みを緩和する可能性があります。

VX-548はNaV1.8に対して高い選択性を示し、他のNaVチャネルに対してはほとんど影響を与えません。結果全身性の副作用を低減しながら痛みのコントロールが可能と期待されています。また非オピオイドの疼痛管理薬なので、オピオイドによる薬物依存を防ぐことも期待されています。

ナトリウムチャネルの阻害自体は正直珍しいものではなく、塩酸プロカインやリドカインが有名です。

ただ、眠気、不安、興奮、霧視、めまい、悪心・嘔吐など中枢神経系の副作用も起こします。これは非選択のためおこるそうで、それを防ぎながら痛みのコントロールが出来るなら最高ですね!
 
現在、VX-548は、慢性痛、神経障害性疼痛、および筋肉骨格系の痛みを含む複数の痛みの指標での臨床試験を行っています。

それでは実際に副作用を抑えながら痛みのコントロールができているのか?調べていきます!


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