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モダニズムを生きる女性-憧憬-

先日、欲しかった図録を古本屋で見つけました。2002年に芦屋市立美術博物館で開催された展示会「モダニズムを生きる女性〜阪神間の化粧文化〜」の図録です。この展示内容は中山太陽堂展と言っても過言ではありません。
タイトルに憧憬編を付けたのは、現時点で阪神間についての知識は殆どなく、漠然とした憧れだけを持っているからです。ですので、今回は阪神間とその土地の女性について触れることにします。


阪神間?

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曽祖父の時代から東京が故郷である私には、どの地域を阪神間と指すのかすら知りません。もちろん気質、習慣、地理、文化等についてもです。戦前に関しても、東京を基準に考えておりその他の地域は関心の範囲外でした。そのような中で、中山太陽堂と高島屋の流行機関を関心を持ち、京阪・阪神間について知りたくなり、いつの間にか憧憬へ変わっていました。


阪神間の地域

大阪・神戸に挟まれ、六甲山系と海に囲まれた地域が阪神間です。地図だと上の辺りでしょうか。阪神間の発展は、明治以降の鉄道開発により始まりました。神戸は東洋最大の港湾都市へ拡大したことから、西洋文化が浸透した国際都市へ成長。大阪は工業都市として、西日本の経済活動の中心地へ発展。利便性と環境の良さから、大阪の豪商たちが住居を求め阪神間に移住していきました。大正期にはミドルアッパー以上の住宅地として一層発展し、多くの文化人が移住しています。

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