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『ブルーヘロンのいる森で約束したこと』第3話

第2話からの続き。。

扉を開けると外で見た雰囲気とはまるで違っていて癒される空間だった
テーブルも椅子も木で作られていてヤシムンのベッドと思われる場所には大きなヤシの葉が綺麗に置かれていた

ぐぅー 突然鳴り出した
サヤカが顔を真っ赤にしながらお腹を押さえていた
「何の音じゃ?」
サヤカはますます顔を赤くした
「もうヤシムン嫌だー 恥ずかしいでしょ」

「サヤカお腹すいているんだよ」
ぐぅ。。

「今のは私じゃないよ!お兄ちゃんだよ」
ハヤトは穴があったら入りたい気分だった
「なんじゃお腹すいとるのか。仕方ない 俺が作ってやろうやないか」
「えっ!ヤシムン何か作れるの?そもそも怪人ってご飯食べるの?」
「妖精じゃと言うとるがな。そりゃあ食べるわい」
「なんだかヤシムンの話し方って面白いね」
「俺にはようわからんが。。何でもかまわんじゃろ ご飯」
2人はあんまりにもお腹がすいていたので思わず頷いてしまった
頷いてしまったことに少々後悔もしたが、背に腹はかえられない。。
ヤシムンは床の一部をはずして中から奇妙な形の壺を取り出した

壺を開けて何やら大量の実を皿に取り出す
「ヤシムン それ何?」
「クルミじゃ 知っとるやろ。これは上手い」
「初めて。どうやって食べるの?」
サヤカは好奇心いっぱいだ
「まあ待て。今な殻を割ってやるから そしたら食えんで」
「生で食べられるの?」
ハヤトは我慢できずに聞いた
もう少しでお腹と背中がご挨拶しそうだからだ

2人は用意された皿に乗ったクルミを夢中でむさぼった
「お前らどんだけすいてたんや」
ヤシムンは突然の訪問者を厚くもてなした

翌朝ヤシムンと共に森の奥へと繰り出した
「サヤカどうした 元気ないようじゃの」
「まだ眠いんだもん」
「アハハ そうかそうか まだ早かったかのう」
「まだ6時前だよ」
ハヤトも眠そうである

早朝の森は四方八方で鳥のさえずりが聞こえてくる
緑から赤から黄色から そう青い鳥もいた

「魔物なんていなさそうだな」
ハヤトはぽつりと言った

「まだほんの入り口じゃからな。この先は泥沼もあるわ。正直、歩くのも大変な場所もあるよって 先に言っとくわ」
「えっ!もっと早く言ってくれよ。昨日の夜とか。。」
「なんや?言ったら行かへんかったんか?」
「あっいや。。そういうわけじゃ。。」
「じゃあ どういうわけじゃ」
「ヤシムンもお兄ちゃんもやめて!」
サヤカは苦笑しながら言った

「ところでヤシムンは何の妖精なの?ヤシの葉っていうのはわかったけど。。」
「サヤカよう聞いてくれたな。俺 つまりヤシの木は命をつなぐ植物として知られておる」
「命をつなぐ?」
ハヤトも興味津々だ

             
           ♡続く♡

私は自分の親との関係が良好でなかった為いろんな経験をしました。その経験を活かしてお母さん、お父さんの子育てのストレスが解放される楽しい時間を、たくさんの子供たちに笑顔を提供していきたいと全国の舞台で朗読劇、楽しいパフォーマンスをやる事を目標にしています。応援よろしくお願いします♡