★《続・読書余論》袖井林二郎『マッカーサーの二千日』中公文庫2004、初版1974年

 こんかいの《続・読書余論》は、ウォーターゲート事件のさなかに世に問われた、日本人研究者によるマッカーサー評伝の1冊です。

 文庫版のあとがきには、著者が2002年に渡米中、ブッシュ政権が、日本占領がうまくいったようにイラク占領もうまく行くと楽観していて、アメリカ人の阿呆さ加減におもわず新聞投稿をくわだてたが、ボツにされてしまったというエピソードが語られています。
 善い指摘なのだからインターネット投稿すればよかったように思います。

 わたしもとうとうこのトシになってマッカーサーへの興味関心がほとんどなくなってしまいました。
 人生の残された時間でマッカーサーのことなど書いているヒマはないと計算できます。

 それで蔵書を整理するついでに摘録をつくってみました。
 じじいが死んだときに部屋の中が古本だらけだと家族が大迷惑しますからね。
 こうやって、すこしでも物理的な書冊を減らすべきなのです。

 また例によりまして、占領期のGHQ関係の摘録を《旧・読書余論》からあつめてみました。が、その数は多くはありません。

 コンテンツとしては、『フィリピンの戦い』『聖山随想』『愚行の世界史』『武士道の倫理――山鹿素行の場合』『ここまできた日本の核武装』『山本七平全対話 5』『新しい警察』『混血児の母 エリザベス・サンダース・ホーム』『証言記録 太平洋戦史』『國際電氣通信株式會社史』『自由と不自由』『戦争報道の内幕』『最後の帝国海軍』『笹川良一の見た 巣鴨の表情』『折口信夫全集 第廿八巻』『「科学者の楽園」をつくった男 大河内正敏と理化学研究所』……などなど、です。

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