★《続・読書余論》 「台湾」特集

 こんかいの《続・読書余論》は、台湾に関連する摘録を《旧・読書余論》からあつめてみました。

 プーチンがウクライナを侵略したから、次は台湾じゃね? という連想が世間にあるのですが、バイデンがヘタレない限り、それはないでしょう。

 かつて日本海軍は石油が無いというので対米戦をおっ始めてしまった。日本陸軍(武藤章)はドイツから洗脳され、対英開戦することでドイツを助けねばと、思いつめていた。しかし日本国が国策として戦争を始めるには、陸軍と海軍が完全に合意していなくてはならない。海軍のスタンスは、対米戦争もいっしょに始めるなら対英戦争につきあってもいいというものでしたので、そこに合意が出来、世にも無謀な対英米戦争となりました。

 プーチンのロシアはエネルギーには少しも困っていなかった。だから、経済制裁なんて効かない、強い立場だった。それが、コーカサス地方とは違って、石油もガスも出ないウクライナに侵略戦争を仕掛けるのですから、外野からはわけがわかりません。動機は、プーチン老人の常軌を逸した「内面」にのみあります。彼はじぶんが「過小評価されている」との強迫に悩まされているんでしょう。国内の失業を解消できない政治指導者が内外からロクに評価をしてもらえないのはごく普通の話ですが、独裁者稼業を数十年も続けると、そのセンスが麻痺してしまう。じぶんの納得のできる「リスペクト」を得るには、もはや中外に恐怖を与えるしかないと信じ込んでいるのです。だから核攻撃だってあり得ますよ。

 しからば台湾はどうか。考えましょう。

 コンテンツは、いずれも《旧・読書余論》から、『華府会議の真相』『支那軍事史』『「核兵器使用計画」を読み解く』『新編・琉球弧の視点から』『日本浪人史』『暴風の島――新南群島発見記』『城下の人』『星と兵隊』『潜水奇談』『日本の名著 西周 加藤弘之』『殊勲の荒鷲――少年飛行兵物語』『源田實論』『台湾油田調査報告』『中国の軍事戦略』『夢声戦争日記(2)』『放送用中波空中線60年史』『日台IoT同盟』『日本陪審法義解』『折口信夫全集 第一巻』『折口信夫全集 第八巻』『折口信夫全集 第十五巻』……など、です。

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