★《続・読書余論》伊藤隆編『国防と航空――国粋大衆党時代 笹川良一と東京裁判 別巻』2010年刊

こんかいの《続・読書余論》は、戦前に私費で軍用飛行場を関西圏に建設して来るべき空襲を阻止しようとした笹川良一の史料集をとりあげましょう。

彼は昭和14年末に、山本五十六・海軍次官の口利きで「96陸攻」改造機に便乗してローマに飛び、ムッソリーニとは5分間面談しているのですが、ベルリンではヒトラーと面談もしておらず、けっきょく、三国同盟の促進とは、何の関係もない旅行であったことは、この史料集でハッキリします。

例によって、《旧・読書余論》から、航空関係のシブい摘録をあつめて附録します。

コンテンツには、『欧州大戦に於ける独空軍の活躍』『原子力ハンドブック・爆弾編』『1929制定 赤軍偽装教令』『航空随感』『朝日航空講座 上巻』『バード少将南極探検』『爆撃機出動』『岩波全書 14 航空計器』『航空少年読本』『航空母艦』『福山航空兵大尉』『AIRCRAFT ARMAMENT』『伊奈製陶株式会社30年史』『航空基地建設器材輯覧(III)掘鑿器材』……などが、含まれています。

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