★《続・読書余論》菅沼竜太郎訳『ベルツの日記』昭和26年~30年刊・他

 こんかいの《続・読書余論》は、明治9年から日露戦争までの間の日本国内の変転・変貌を日記に記録し続けた、貴重なドイツ人医師の観察です。
 《旧・読書余論》で上巻の途中までしか摘録できていなかったのを、やっと下巻の最後まで摘録しおえました。

 日本国内での戦争報道を、新聞読者の立場でリポートしてくれていますので、どんなルーモアがいつ流れたかを承知できる。これだけでも驚きの連続です。

 また、朝河貫一が《日本は対露開戦前にさんざん新外交を標榜していたじゃないか》と書いているのは、とうじ、主要な新聞すべてにおいてそのような記事が書かれまくっていたのだということも、本書によって理解することができました。

 《旧・読書余論》からは、戦前の医療事情がわかる資料をピックアップして附録します。
 『戦争と医学』『元帥 西郷従道伝』『陸軍主計団記事』『武士道論攷』『ドクトル・ヘボン』『カンテラ日記――富士山測候所の五〇年』『奇跡の薬 ペニシリンとフレミング神話』『雨森芳洲』『営農技術』『史説──幕末暗殺』『眞珠灣潜航』『アニマル・マシーン』『チベット旅行記』『櫻井忠温全集 第二巻』『幕末閣僚伝』『日本奥地紀行』『乃木将軍と孝道』などなどです。

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