マガジンのカバー画像

歴史&文学散歩

17
各地の史跡をめぐった記録です。
運営しているクリエイター

#夏目漱石

新選組発祥の地 新選組隊士と夏目漱石のつながりなど 【幕末歴史散歩】

 自分では覚えていないのですが、幼稚園に入る前から、日曜の夜は父と二人、大河ドラマを観ていたというので、生まれついての歴史好きなのでしょう。特に、敗者や悲劇の人、滅び去った者への思い入れが強く、幼稚園児の時には、源義経や弁慶をあわれんで、「頼朝ペケ!」と怒っていたそうです(これも自分では覚えていない)。  その後、地元の英雄である小楠公・楠木正行への興味を経て、小学校の高学年になると、幕末に興味が移りました。通っていた塾の図書室がとても充実していたんですね。「中学受験は、読

漱石山房記念館訪問記 特別展『夏目漱石と芥川龍之介』

 新宿区区立漱石山房記念館に行ってきました。夏目漱石の最後の家である、漱石山房の跡地に建てられた記念館です。  高校生の時に芥川龍之介の随筆『漱石山房の秋』と『漱石山房の冬』を読んで、漱石山房のことを知りました。芥川が亡き師の家を訪ねる冬の随筆が特に好きだったので、上京後、どこにあるのか探してみたところ、当時は漱石公園として名をとどめるだけでした。  以前、『吾輩は猫である』の文学散歩の時に書いたように、明治村には猫の家(漱石と森鷗外の旧宅)、石川啄木の下宿、幸田露伴邸と

猫の家と宝丹 『吾輩は猫である』 文学散歩

文豪の家in 明治村  犬山市にある明治村は歴史好きには楽しい場所なので、名古屋圏に住んだことがないのに、三度も足を運んでいます。 園内の建物としては、帝国ホテルの本館を始めとする古い洋館が有名ですが、戦前の文豪が住んだ家もいくつか移築されています。  一番立派だったのは、幸田露伴宅ーー明治後期に向島に住んでいた時の住居です。当時の向島は田園地帯ですから、あれだけ大きな家が建ったのでしょう。逆に、石川啄木が晩年に二階を借りていた床屋は、啄木夫妻と子ども二人、啄木の母親計五人が