リディア・デイヴィス『話の終わり』 メタ、執着、記憶の曖昧さ
Xで見かけて、購入した本です。1994年の刊行なので、私が読む本の中ではかなり新しめ。試し読みした時には「若い彼氏との別れを回想する話なのかな」と思いましたし、ざっくり言えばそれで正しいのですが、構成がなかなか複雑なんですね。
私という一人称で過去を語っていたかと思うと、いつの間にか現在の私が登場して、「あれをどんな風に表現すればいいのだろう」と小説の書き方について思いを巡らせたり、「あの時はどうだったっけ」とあやふやになった過去を思い出そうとしたりする。今現在の結婚相手