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読書感想文

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海外文学や現代文学の感想文。
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2023年1月の記事一覧

20世紀の巨匠に挑んでみる ジェイムズ・ジョイス『若い芸術家の肖像』

 活字中毒と名乗っているだけあって(noteのプロフィール欄など)、小説に退屈or冗長な部分があっても、「これも修行の一つだ」程度に受けとめて、淡々と読み進める方です。なので、今まで途中で挫折した小説は四冊だけ。一つは、島崎藤村の『夜明け前』。これは中学生の時とKindle端末を購入した時、二回挫折しています。幕末を舞台にした小説なので、とても興味があったのですが、数ページで目が霞んできて。最近、藤村の別の作品を読んで、体質的に合わない作家だと確信しました。それから、ゲーテの

2022年12月 読書記録

 あけましておめでとうございます。今日は、会社の人たちと伝通院に初詣に行ってきました。  伝通院は、徳川家康の母親・於大の方の菩提寺です。今年の大河ドラマ『どうする家康』では松嶋菜々子さんが於大を演じるようですが、時代の波に翻弄されながらも、息子・家康の天下取りに大きな役割を果たした女性ですよね。伝通院周辺には、他にも徳川家ゆかりの女性の菩提寺がいくつかあるので、いつかまとめて紹介したいです。  さて、去年の12月は、青空文庫から五作品とそれ以外の三冊を読みました。 塩野