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生成AIによって奪う仕事、創生される仕事、そして死の谷

今の世の中は生成AIで話はもちきりである。何でもかんでも生成AI。今の時代生成AIを使えこなせない人、企業は世の中に置き去りにされる・・・そういう焦り(煽り)もあるのか、必要以上にヒートアップしているようにも感じられる。

私、ワニもフリーランスで受託でシステム開発を行っている。今年にはいってGitHub Copilotを使い始めたが、これが絶大な効果を発揮している。10ドル/月だが、こんなん、10ドル/月払ったってそれ以上の効果(生産性向上)を発揮しているし、もうこれなしでは仕事が進まない状況になっている。GitHub Copilot導入前と比べるとその効果は明らかである。

ここで生成AIに関する世の中の動きについて見てみたい。

今年のgoogle I/Oは殆どが生成AIに話が寄っていた。
おそらく、巨人googleとしてもOpenAIに先を越されてしまった焦りもあるのだろう。

AppleはOpenAIと提携した。Apple側にしてみればOpenAIの話は控えめで、Apple Intelligence(これも略すればAIなんだが・・・)としてiPhone、iPad、Macに生成AIを組み込むことを発表。
ここはいかにもAppleらしく裏の仕組みがどーの、こーのよりも、ユーザ体験を前面に押し出している。

OpenAIも磐石とは言えない。ちょっと前にOpenAIのお家騒動、アルトマン氏の退任事件があったが、その首謀者の中の一人(アルトマン氏を追い出す側)とされているサツケバー氏がOpenAIを退社し、新たな企業を立ち上げた

まだまだ、生成AIを巡る各社の動きは波乱含み、この先どうなるか?一発大逆転もありうるかもしれない。

そんな中、生成AIが我々一般市民にどんな影響を与えるか?であるがネットの記事等で取り上げられているように

  • 生成AIによって、奪われる仕事

  • 生成AIによって、創生される仕事

が存在する。業種にもよるが、ほとんどの業種は奪われる方が多いのではないだろうか?特に士業(「士」がつく専門的な職業、弁護士・弁理士・社会保険労務士・行政書士・税理士・司法書士・土地家屋調査士、公認会計士・中小企業診断士・不動産鑑定士)はかなりの割合で生成AIで奪われる側ではないかと予想されている。その他、翻訳業、ライター業等も奪われる側かもしれない。それら中でも若干、創生される仕事もあるかもしれないが、割合的には小さいと予想される。

そして、IT業界に限って言えば、奪われる仕事と創生される仕事がある。

創生する側は言わずもがな、生成AIをシステムに組み込む仕事、生成AIのチューニング、それらのコンサルティングなどであろう。

奪われるのは上記Copilotの例でもあるように生成AIで代替え可能な初級スキルのエンジニアである。

IT業界全体のエンジニア数で言えばこれらの創生される仕事と奪われる仕事で拮抗し相殺しあう形になるが、エンジニアのスキルレベルで見ると奪われるエンジニアと足りないとされるエンジニアが存在することになる。

問題は、ここで死の谷が存在することである。

ITエンジニアの死の谷

ここの図で言う初級レベルは企業側のコスト的な理論から言っても生成AIで代替え可能であり、代替えされるであろう領域である。

これが何を意味するかと言うと・・・

人は誰でも最初は初級レベルでそこから少しずつ中級、上級へとステップアップしていく。初級レベルが死の谷で欠落しているということは、いきなり中級以上からスタート、そうでなければ中級、上級・・・その上に到達できない。新規参入の壁が高くなるということを意味している。

おそらく、会社員はまだいいだろう。新人教育の中で初級レベルは今は利益も産まなくても将来中級、上級へとステップアップしていくとを期待され、カバーされるであろう。

問題は他業種からの参入である。他業種からIT業界に参入しようとする人は自力で中級レベル(少なくとも生成AIで代替え可能なスキルレベル以上のレベル)に達しないと参入できないことを意味している。これは壁が高い。しかも生成AIも日進月歩で進化していくのでその壁は日を追う毎に高くなることはあれ、低くなることはない。

今はだいぶ下火になったが、ちょっと前ではプログラミングスクールでプログラミングを学び、転職、年収1000万年を目指す等という触れ込みがあったが、今は、プログラミングスクールを卒業しただけではこの死の谷を超えられない。

プログラミングスクールを卒業しただけで未経験、微経験、初級スキルのエンジニアは生成AIで十分代替え可能で、需要がないのである。

そんな中、そういった死の谷を超えられない初級スキルITエンジニアをターゲットにした、無料で実務経験を積ませるビジネスというのが横行しているらしい。

かなり、グレーで違法性が疑われるビジネスである。(笑)

なんなら、「無賃が法的にダメなら逆にお金取れば、それは教育ビジネスだろ?」みたいな業者も存在する。

いや、いや、いや・・・コスパ、タイパと言っている今どきの若者が?経験を積めるとは言え、タダで無賃労働する人がいる?と思ったが、これが実際に応募している若者が結構な数でいるらしい。

絶句・・・死の谷の闇は深い・・・


100ワニをパクって退職エントリでバズろうとしたけど、全然バズらなかったワニ。 副業のオファーあればよろしくお願いします。 Twitterのフォローもよろしくおねがいします。@180wani