「夢現の先に」良かった~の記

※配信で一度見たきりの個人的な感想です! 台詞もちゃんと覚えていませんし細かいお芝居のレポとか解釈とかではないです! ふわっとした印象での夢現好きだったところたくさんある記録です!

タイトルとあらすじから夢と現実の区別つかなくなっちゃう系、夢にとらわれちゃう系のほんのりダウナーなのを想像してた(し、こってぃ似合いそ~と思ってた)けど、希望にあふれててすごく幸せになれる作品だった。1回配信で観ただけだけどすごく好きになっちゃった。これが初主演っていいなぁ~~! ほんと見る前に想像するのって楽しいけど観劇(今回は配信ですが)という貴重な体験のときには、答え合わせとか解釈するぞみたいな気持ちは一旦置いといてまっさらな気持ちで臨みたいなと改めて思った。

配信見た直後はうわ~~~これも好きここも好き! というのがとめどなくあふれていてきたけど、一夜明けて、「現実でも君に会いたい」が貫かれているのがよかったなぁとしみじみ思った、これが自分的に一番好きなところなのかも。楽しい夢の中にずっといたいとか夢ならうまくいくのにとかよりも、過去と向き合い未来を切り開いて、現実にこそ希望を見出そうとする前向きな意志を感じた。

初日にウキウキでプログラム買いに行ったら中止が発表されてさすがに泣きながらプログラム読み、生駒先生のご挨拶がその時の状況とリンクしすぎてまた泣いたんですが、「未来を諦めたくない」というのをどうやって表現するんだろう……?と思ってたのが分かったような観劇後感。(読後感みたいなのなんていうの、後味?)タイトル回収する場面あるけど、夢現の先に、ってそういうことか~~! その先の未来を一緒に生きたいってことなのかなと思っています。

すずこちゃんのカゲソロの「あなたに出会えたことを私は忘れない」という歌詞泣く……とツイートしようとして思ったんですけど人称が丁寧だなと思って。公演あらすじ出た時から僕、彼、彼女って人称が印象的ではあった。
君の痛みは分からないけど分かりたいみたいな台詞だか歌詞だかがあった気がするけど、「私」と「あなた」を他者として慎重に提示した上で気持を伝え合いたい、理解したいみたいなそういうところにもつながったりするんだろうかというやや深読み。別に他の作品と比べての台詞に登場する人称の頻度を調べたわけではない。でも宝塚の印象深い台詞って、日常会話では言わないくらい人称をしっかり言ってるようにも思う。
エマが女の子の好きそうな花を選んで失敗しちゃって、好みを聞きながら選びなおすエピソードもあったな。「分からないけど分かりたい」なんてこれ以上ない告白の言葉だと思いますよ……。

ほんとに主人公がボロボロになる系のお芝居を想像していたんですが、最初から傷を抱えているのを封じ込めようとしてそれを徐々に吐露していくというのがほどよく複雑でよかった。わびさびを感じた(?)。そして彼の方の底抜けの明るさがあとからどんどん効いてくるという。みんな繊細なお芝居をするなぁ、、と感動しました。
その傷の治癒の過程に色んな人が関わって自分もまた手を差し伸べる側になっていくわけだけど、悪意のある人が一人もいなくて温かい人間関係が織りなされていて、こんなふうに人と接することができたらなぁと思うようなお芝居だった。広げすぎず詰め込みすぎず、コンパクトだけど奥行きのある作品だったな。スカステ放送でまた見られるのを心待ちにしています。

まとまりがない。おしまい。