男と女の間には

先日、NYへ旅立つ友人(前述の)をクルマで成田空港まで送っていった。

ひさびさの成田。やっぱり空港はいい・・・。

これから新天地へ旅立とうとする人。
自分の国へ帰ろうとしている人。
別れを惜しむ人。
再会する人・・・。

空港というこの非日常な空間には、さまざまな人間の期待と希望、興奮と悲哀が入り混じって、一種独特の空気に包まれている。
オレはここに来ると、例によってちょっとセンチメンタルな気分になってしまうのだが・・・。

友人の搭乗時間まで2時間ほど食事しながらおしゃべり。
そして、彼女は旅立った。

何か一仕事終えたような安堵感に包まれながら、夕暮れ迫る空港を背に都内に向かって独りドライブ。

「空港送迎専門のドライバー稼業やったら楽しいかも・・・」なんてまた変な空想に浸っているとき、「そいうえば、オレ昔ニューオリンズに住んでるとき、“白タク”やってたよなー」 と懐かしい思い出が蘇ってきた。

いや、もとい。白タクと言ったらちょっと語弊があるな。
正確に言うと、「友人や知人をクルマでいろんな所へ送り迎えしてあげて謝礼を貰っていた」、と言うべきだろう。

当時、一番の得意客だったのが、知り合いのアメリカ人のおばあちゃんだった。
彼女はニューオリンズの中心街フレンチ・クォーターに独りで住んでいたのだが、週1回ある理由でミシシッピ川の向こう岸のウエスト・バンクという所に行かねばならず、毎週オレが彼女を車に乗せ、フェリーに乗ってミシシッピ川を往復していたのだ。

彼女が川の向こう岸に出かける理由。
それは、ウエスト・バンクにやはり独りで住んでいた恋人に会いに行くためだったのだが・・・。


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