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Last Holiday

連休最終日、案の定午後に起きる。昨晩(今朝)からどこかに行きたいと思い観光スポットを探していたのだが、観光スポットというのは基本的にはアクセスだったり営業時間だったりという点で午前中に起床する一般的で模範的な人々のことを想定しているので、正午をすぎてからのろのろと起き出すロクでなしが訪れるとなるとかなり限られてきてしまう。

計画を立てずに外出することがなかなかできないのだが、同時に計画を立てるのが苦手でもある。基本的に家に引きこもるのが苦ではなく、むしろ外出が面倒だと思ってしまうところがある。
調べているうちに「ここは早起きがつらそうだな」だとか「ここは今よりもっといい季節がありそうだな」だとか「ここまで行くとちょっと運賃嵩むな」だとかそういう気持ちが湧いてきて、贅沢なことを言っている人間にふさわしい観光スポットというのはなかなか見つからない。ヘッドホンを買ってしまったのであまりお金を使いたくないというのが切実な現状である。もうこいつやっぱり引きこもってるのがお似合いなんじゃないかな。

結局ちょっと近場にラーメンでも食べに行くことにした。連休中に電車で旅行をしている方を見たら電車に乗りたくなっていたので、定期券内ではあるがちょっと移動する。車窓の外には海の上に積み重なる積乱雲が見えて、慣れ親しんで刺激のない通勤路線ではあったが今日は夏を感じた。
天気が優れない連休で、今日も晴れ間が見えるとは言え出かける直前には雨が降っていたようだ。ただそのおかげで久しぶりに虹を見ることができた。そろそろ梅雨も終わるだろうか。

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調べておいたつけ麺の店に行く。つけ麺自体はちょっと麺が柔らかすぎたのがイマイチだったが、味は王道の濃厚魚介系で満足感があった。わたしは基本的につけ麺が好きなのだがあまり近所では食べられず、ちょっと足を伸ばせばあるというのは収穫だったしまた機会があれば訪れたい。
せっかくなのでそのまま近場の立派なお寺と神社を訪れる。現代の立派な寺社を訪れると毎度不思議な感覚があり、近代的な町並みの中に突然門前町が現れることに驚く。地方でも多かれ少なかれそういうところはあると思うのだが、それでもある程度は「その寺社を中心に町が生まれた」みたいな感触があるのだが、東京みたいな場所だと建物のあまりの立派さに対して本当にあまりにも突然門前町が登場するように思える。建物を見上げつつも、更に巨大な高架道路やビルがそびえ立っているのはとても奇妙な感覚だ。下町風の町並みから一歩進むとビジネス街めいた場所があり、更に進むと埋立地の振興のマンションが立ち並ぶ。ここにはディズニーランドのように壁を作るほどの境界はなく、あるがままに人間の営みの結果があるのだな、となんとなく思った。

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今日見たアニメ。『巨人族の花嫁』#4、登場人物みんな善人でほっこりするな……。かなり徳が高い僧侶という気がする(僧侶は僧侶だけどそんなに徳が高くないよね)

『八月のシンデレラナイン Re:fine』#4、ボールの受け渡しで表現される想いの伝播の表現があまりにも良すぎる。最強のアニメーションか? 正直言って、毎回ちょっと涙を浮かべている。

『忍者コレクション』#3、そろそろノリがわかってきた。忍者くんが助けてくれるな~と思いながら見ると安心感があり良い。オフでもちゃんと闇を討ってくれるNINJAクンいいやつすぎるだろ……。

今日読んだマンガ。『旅する海とアトリエ』1巻、77円セールで購入したもの。ロードムービー的に美術薀蓄と共に旅をするのがシンプルに楽しく、その上で各人物の細やかな内面描写によって「偶然旅の途中で知り合った人々」が寄り添い情を育んでいくさまがなんとも暖かい。旅は道連れ世は情け、なんだよな。絵も綺麗で可愛らしく、情景豊かな雰囲気も良い。人物も皆魅力的だけど、とにかく危うさすら感じる内省さがありつつもあくまであっけらかんと明るく、周囲の太陽になることができる主人公の七瀬海の造形がとても魅力的。素敵な作品だった。

『星屑テレパス』1巻、TLでめちゃくちゃ褒められていたので今日発売のものを電子で購入。「おでこを合わせて相手の内面を知る」というシチュエーションにある種の背徳感というか、触れてはいけない部分に触れてしまっているみたいなものを感じてドキドキする。
そうした言わば耽美的で百合チックな部分も強いのだが、夢を追いかける少女たちのヒューマンドラマとしても強い。やはり夢想じみた主人公組の対抗馬として登場する雷門瞬という人物が非常に良くて、閉じた3人グループの世界に現実を突きつけるとともに、最終的には技術的な部分などで非常に頼れる仲間にもなる……という新たな世界を切り開くキーパーソン。瞬のこの違う視点を介在させたことでグッと世界観が広がりリアリティの質感みたいなものが増したように思えるし、同時にそれが主人公である小ノ星海果の世界が広がった表現でもあるという。
そしてまた世界の広がりとのギャップによって際立つ海果とユウの二人の世界、このミクロとマクロの両輪で進むバランス感覚がたまらない。言うまでもなく絵も華やかでとてもかわいいし、これは確かに「強い」マンガだな……という感じ。
今の所読んだきららコミック全部面白いんだけど、もしかしてきららコミックってわたし向き……? という感情が芽生えてきた。

連休、ダラダラと過ごしたけどこうして日記を書いてみると今日はいい日だったな……という気がしてきた。外出とフィクションはやったほうがいいらしいね、世界が広がるので。

2020/07/26


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