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700,000,000,000,000,000,000,000点の採点機で

たっぷり睡眠をして、昼過ぎ頃に起きる。日が落ちた頃に買い物に行ったのだが、帰り道に鞄に差していたワインの酒瓶を落として見事に割ってしまった。酒瓶を割るイベントってそんなに発生する??
往復をして同じものを買い直す。フジロックやラピライの配信を見ていたらちょっと落ち込んだ気持ちも晴れてきた。たくさんあるのは面白いが、被せないで欲しい。

今日見たアニメ。『魔王学院の不適合者 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~』#8、正直個人的には作中において死が軽すぎる(登場人物にとって、ではなくドラマを作る装置としての死)のが引っかかるところはあるのだけれど、とはいえそうしたお涙頂戴めいた悲劇的展開をアノスのパワーで捻じ伏せていくのが流れ、というのもよくわかる。ストーリーが偽りの歴史の打破であるので、そうして「筋道立てられた悲劇的物語」を打ち壊していくのは作品テーマとも良く噛み合っている。実際そういうところが少し好みとして引っかかるだけで、よくできている。

『Lapis Re:LiGHTs』#8、順番を逆にしたが、今日はもうこのことしか考えられない。完全にやられてしまったし、LiGHTsの持つ光というのがわかったというか。逆に言うと今までは"理解って"なかったんだよな。なんとなく頭で理解しようとしていたけれど、心で理解っていなかった。おそらくなんとなくこうだろうなと"考察"はできていたけれど、あくまで確信には至っていなかったということなんだと思う。そんななんとなくを形にされてしまったものだから、参ってしまった。
LiGHTsには今に至るまで「物語」が示されていなかった。魔女になる、という漠然とした目標こそあれど、乗り越えるべき壁を提示されるわけでもなく、なんとなく周囲のドラマに一緒に付き合っている感じ。一方で周囲ユニットにはそれなりに担当回というやつでそうした成長は描かれていて、例えば挑戦の一歩を踏み出したこの花であり、メンバーを増やしたⅣ KLOREであり、心を繋いだシュガ-ポケッツであったりした。ではLiGHTsはというと、いや何もなかったわけではないのだが、やっぱりその道筋みたいなものは今まで見えていなかったというか、とりあえず退学を回避する目の前のことで手一杯だったという風であった。
一応コンテンツとしてはアイドルモノであろう本作において、その披露の場たるオルケストラという舞台が、LiGHTsにとって何なのかがわからなかったから、わたしのなかでぼやけていたというか、掴めていなかったのかもしれない。それ自体は前話において魔法の成果であり、役割であり、そしてテストであると示されたものの、なんというか、恐らくLiGHTsのチームとしての打ち出すべきカラーというやつがわからなくて、オルケストラの作中での意義みたいなものがあと一歩掴めなかった。
正直言って、このタイミングで"他のみんなのステージに惹かれて"挑戦しようとするティアラの心の動きにアイドルコンテンツとしてのご都合的なものを感じてしまっていたのだろう。

LiGHTsには何もなかった。他のチームのような強烈なユニットとしての個性も、ユニットとして成すべきことも。メンバーを繋ぐような共通点はなにもなく、単なる寄り合いの落ちこぼれチームでしかなかった。いや、そう思っていた。
本当はLiGHTsには逆にずっとすべてが"有った"のだ! "光"たる彼女たちにとっては、それ故に三原色すべてを揃えた光の如く透明であっただけなのである! 一つのユニットとしてのカラーはなかったが、しかし他のチームと共に悩み、切磋琢磨し、時に助け合える、そんなユニットこそがこの物語における主人公のLiGHTsの"色"なのであろう。メンバーもバラバラでユニットとしての色はないけれど、だからこそ純粋に他のユニットに寄り添うこともできる。故に周囲のユニットのオルケストラの光によって彼女たちはオルケストラを目指すし、その過程では多くの助けを得ることもできるわけだ。

今回は『LiGHTs』というユニット命名回でもあった。そのきっかけとなった、暮れゆく中で光を灯し始める街の様子を見たティアラの言葉にすべてが詰まっているような心地がする。
「いつかこんな風に街を、人を照らせる光になれたらって」
ティアラにとっての"光"というのは自分ひとりで輝くものではなく、人と寄り添い生み出されるものなのであろう。ひょっとしたらここに至ってもまだまだLiGHTsというのは凸凹なユニットなのかもしれない。しかし、それこそが彼女たちのあり方なのである。7色どころでなくありとあらゆる星々のことを歌おうとする彼女たちは、きっとすべてを包み込むような光となるのだろう。あらゆる光の色を持つ"虹"のように。

このエピソードでもう一つ重要なのは初めてティアラの姉、エリザの所属していたユニットのRayが語られたことである。あのチームもどうにもちぐはぐな印象であったが、その一方で今なお語られる伝説的なユニットであるらしい。RayとLiGHTs、同じく光をモチーフにしつつも、単体の光線たる前者と、複数形の後者では受ける印象がかなり違う。そしてこれは、自身でまばゆい輝きを発していたRayと、そのRayの次世代であるLiGHTsという立場の違いでもあるのだろう。一体今後ティアラたちがどのような光になってくれるのか、非常に今後のアニメが楽しみである。
彼女たちがすべての光であろうとするならば、その街の光のどこかには、きっとわたしたち視聴者の姿もある。

さて、彼女たちのオルケストラは魔力量の成果をきっちり出したものの、一方で街を飛びまわって演出をしたことで「対象外の区画も計測されていた」と冷酷な宣言を受けてしまう。様々な人々の力を借りることができたことは彼女たちの美徳であるのだが、しかし学園の評価としてはそれを「シンデレラの魔法」とでもするかのように、本来の実力ではないと判断しているのだろう。新たな壁に直面したLiGHTsは果たしてこの危機をどう切り抜けるのだろうか? いやあ来週以降どうなるか非常に楽しみである。あとアニメ近々ちゃんと見返そうと思う。

2020/08/22


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