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こよみだより ✽ つちうるおうて むしあつし ✽


お暑うございます。

二十四節気では、一年で最も暑さが厳しいとされる「大暑」を迎えています。
そして二十四節気を三つに分けた七十二候では今日、「土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)」に入りました。


❑ 二十四節気
 2024年7月22日~8月6日 大暑(たいしょ)

七十二候
 ・初候 7月22日~ 桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)
 ・次候 7月27日~ 土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)
 ・末候 8月2日~   大雨時行(たいうときどきにふる)

日にちは年により異なることがあります。


土潤溽暑つちうるおうてむしあつし

草木が生い茂り、潤いを得た大地に夏の太陽が照りつけて、熱気がまとわりつくような時季です。夏のこの蒸し暑さは、日本独特のものでしょう。
暑いのが苦手な私は、ついつい「暑い、暑い」と口にしてしまうのですけれど、七十二候のことばをおもうと、情緒を感じて暑さが少しやわらぐような気がします。


一方で近年は、かつて自然と共にあった夏の風情が 少しずつ消えゆくように感じることもしばしばです。
夕立はゲリラ豪雨と化し、猛烈な熱帯夜にはエアコンが欠かせず、夕暮れ時に揺れる風鈴の音色も 埋もれがちになってしまいました。
だからなおさら、風情を感じたときには、ちいさな幸運を得たような感覚になるのかもしれません。






私は先日、東海~近畿地方のやきものの里を訪ねてきました。
その中で兵庫県「丹波焼」の里を歩いた時のこと。
お天気は曇り ときどき小雨。気温は高く、まさに土潤溽暑つちうるおうてむしあつしを感じさせる日でした。
急こう配の坂道を歩いていると、着ていた綿のワンピースも 私の気持ちも、湿気と汗とで軽やかさを失ってしまうようでした。


けれど時折、ふうっと夏風がそよぎ、そのわずかな風がとびきりの癒しを運んできてくれたのです。

湿り気を帯びた土や草木、窯の煙突、そこに暮らす方々の家屋、響き渡るうぐいすの声。
それらをやさしく撫でるように流れゆく風に包まれながら、久しぶりに「こよみだより」を書いてみたいと思いました。

うぐいすの声は春のものだと思っていましたけれど、暑い夏に聴くのも良いものだとしみじみ。

(約40秒の動画を撮りました。上手には撮れませんでしたが... いかがでしょう?)



暑い日が続きます。
どうぞお身体 おいといください。










今日の写真
タイトル画像は三重県伊賀市・「伊賀焼」の里、
本文中に使用したのは兵庫県丹波篠山市・「丹波焼」の里を歩いたときのものです。
そのうち「うつわのおはなし」を書いてみたいと思っています。そのうち…。




ご覧くださいまして、ありがとうございました。





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