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三澤寿喜のお薦めコンサート:ソプラノ末吉朋子さん

三澤寿喜のお薦めコンサート:ソプラノの末吉朋子さん
「グローリア」
2024年1月20日(土)sonorium
ヘンデル・フェスティバル・ジャパン後援企画

2000年に新しくヘンデル作と認定され、カークビーのCDでも話題沸騰した《グローリア》(HWV deest)を始めとして、器楽伴奏付きカンタータ《棄てられたアルミーダ》(HWV 105)など、ヘンデルの若い頃の作品を中心とした意欲的なプログラム。
《グローリア》も《棄てられたアルミーダ》もともに高い集中力と技巧を要し、どちらかひとつだけでもプログラムに入っていれば十分「挑戦的」ですが、なんと末吉さんはこの2曲をひとつのコンサートで歌います。
ラテン語の《グローリア》は礼拝用の教会音楽にもかかわらず、華やかな超絶技巧が最大の聴きどころ。
《棄てられたアルミーダ》はイタリアの詩人トルクァート・タッソ(1544~95)の有名な長編叙事詩『解放されたエルサレム』の中の有名なエピソードを題材としています。十字軍によるエルサレム解放の頃、異教徒の女戦士で魔女のアルミーダが十字軍の勇士リナルドに叶わぬ恋をし、棄てられるという悲恋物語。
ヘンデルはのちに同じ題材によるオペラ《リナルド》を作曲しています。ロンドンで上演されて大成功を収めたこのオペラは全曲上演に約3時間を要するという長大な作品。
それに対して、この器楽伴奏付きカンタータ《棄てられたアルミーダ》はわずか18分ほどの作品で登場人物もアルミーダ一人。まさに長大なオペラのエッセンスを20分の一人芝居に凝縮した、とてつもなく密度の濃い作品です。末𠮷さんの渾身の演奏が楽しみ!

バロック・ヴァイオリン2本、バロック・チェロ、チェンバロの古楽器伴奏による華やかで技巧的な声楽曲をお楽しみください。
ヘンデル・フェスティバル・ジャパン(HFJ)おなじみのバリトンの牧野正人さんがゲスト出演の予定。
私、HFJ実行委員長の三澤寿喜も、曲間で簡単な解説をします。


チラシ(表)
チラシ(裏)


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