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VISAGE 2014.3.22 下北沢GARDEN

写真とか、いいですよ。何やっても構いませんから

開場待ちの列に向けスタッフから発せられた言葉に

30年以上ライヴに足を運んでるけど、こんなこと言われたの初めてで耳を疑った
不思議なもんで何をしてもいいと言われると逆に何をすればいいのか戸惑う
踊ってると動画どころじゃないし、スチールも何だかなぁ
事前に知っていればちびっこい三脚とか用意したんだけどまさかね

数年前にSTRANGE CRUISE名義1986年の12インチシングル
「Rebel Blue Rocker」を買った時は、まさかこの日がやって来るとは夢にも思わず。


何せ実体の無い虚構の世界だったVISAGE

今でこそ脚光を浴びるDJやミキサー、プロデューサー、ユニットでの活動スタイル

スティーヴ・ストレンジは、極論すれば存在そのものだけが価値があった

音作りはウルトラヴォックスやマガジンのメンバーらが手掛け
ミッジ・ユーロがヴォーカルをとるなど、
さながらウルトラヴォックスの課外活動を呈していた
2ndアルバムも好きなのだが殆どミッジの美学集大成的な内容で

彼らが去った後の3rdは、やはり聴く機会が少ない
PVとか見るとまるでカセタイシュウ(字がわからん)

それなりのスキャンダルもあった

4半世紀を経てまさかの再始動、アルバムリリース、そして初来日

メンバーに初期Ultravox!のギタリストが加わるというサプライズ


だから今夜はVISAGEのライヴという名のもと
ニューロマンティック同窓会

当時を懐かしみ黒のドレスシャツにアイボリーのベスト、
ストライプのスリムなジャケットにはOMDとVISAGEのバッヂとコスチュームもキメ、いざGARDENへ

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オープニングは予想通りニューアルバムの1曲目「Never Enough」

80年代ニューロマファッションの期待を裏切るように白いカウボーイスタイル

物腰は去年の春に観たジョン・ライドンのようで
時におどけた仕草で挑発・威嚇する
恰幅が良くなった分、余計に不遜に見える
それも計算づくだろう


ウボーイ・ハットを取ると以外に小顔なのだが...
当時の面影が残ってるからこそ、敢えて道化を演じている

ベースとキーボードは渡航費が高いから連れて来てない、とも


次が3rdからのナンバー

3曲目にやってくれた新作からのシングル「Shameless Fashion」は
まるでアイドルが唄ってもおかしくないエレクトリックダンスミュージック

ドラマチックに哀愁のビート

4曲目は名曲「Mind of a Toy」

バックのスクリーンには当時のPV

早々に「The Damned don't Cry」とは心の準備ができてないうちだったので焦った


―――この次は「The Dancer」と「Whispers」の後、また戻って来るよ

そう言い残しステージを降りる

ロビン・サイモンとキーボード(ごめんね名前わからない)の独壇場で
大好きな「The Dancer」
これは昂揚するなぁ

特に「Whispers」のアンビエント的なオリジナルの雰囲気を見事に払拭したギターオリエンテッドな仕上がり
Ultravox!の2ndラストに収録された「Hiroshima Mon Amour」のダルな雰囲気を一掃したハードなシングルテイクを彷彿とさせる。
もう存在していないUltravox!のギタリストを目の当たりに

この大好きなインスト2曲をライヴで聴けて本当に幸せ

満を持しての2ndのタイトルナンバー

かの「Night Train」は嫌いな曲だとおどけて見せる
間奏の間、居眠りの仕草で振る舞う

怒涛のうちに「Fade to Gray」
後ろから人が押し寄せフロアが一気にすし詰め状態に

サビは全員で合唱


アンコール待ちのフロアからどこからともなく「♪Oh my Visage」の合唱が沸き起こり
しばらくして再登場
曲は勿論「Visage」
これも大合唱


ミッジ・ユーロもビリー・カリーもジョン・マクガフもラスティ・イーガンもいない

本当のヴィサージ、等身大のスティーヴ・ストレンジがここにいた。


ステージで若かりし日の自身のお面を装着したスティーヴ・ストレンジ。その後、客席へ投げ込まれる。
終演後、撮らせていただく。(協力;MGさん)



オリジナルの



TDKのCM 「Night Train」


TKDのCM「Whispers」



「The Damned don't Cry」が居酒屋の有線でかかった時、
聴き覚えのある音に耳を奪われ コンパのお喋りも上の空だった学生時代
あの時のときめきは今でも忘れない。

このPVを見るとブラックジャックの最終回を思い出してしまうのだ。



Steve Strange  1959.5.28 - 2015.2.12 享年55 R.I.P.

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