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GANG OF FOUR 2013.3.24 下北沢GARDEN

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開場待ち列に向け唐突に「ぶっ壊した電子レンジにサインを入れて希望者に差し上げます」とのアナウンス。
しかも昨夜と今夜の2台分ある、と。

やっぱ、ぶっ壊すんだレンジ。
おーっし。
とっても欲しかったんだけど、それを抱えて電車に乗る勇気と体力は無かった。

志願者4人でその場でジャンケン大会を取り囲む地下駐車場。

開場とともに勢いづいて物販でバッヂとサイン入「contents」購入。
Tシャツは、我慢。

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GANG OF FOURとはいっても、今やオリジナルメンバーはAndyのみで、
さながらAndy&HIS BANDの様相を呈するかと思っていたけど、
これがなかなかどうして、凄いライヴだった。

直立不動で無表情、という先入観があったAndyだったけど、そいつは大きな間違いだった
ギターを機関銃のように構えステージを縦横無尽に走り回る。
無表情なんだけど時折りゾッとする薄笑いを浮かべたりする。

それに負けていないのが元エル・プレジテンテのベーシストThomas McNeice。
彼の時にアグレッシヴで時にクールなパフォーマンスを生で観られ大感激。
本当に凄い、素晴らしいベーシストだ。


そして「軍隊を送りこんだ男」。
電子レンジを金属バットでぶっ叩きながら唄うというパフォーマンスは、
もう30年以上前からやっている彼らの名物。
それを目の前で観ることができるとは。

この日もドアが叩き落され会場は興奮の坩堝と化し、

さらにAndyがギターを投げつけ破壊するパフォーマンスでそれはピークに達した。

直前登板のヴォーカリストも、それなりのパフォーマンスで頑張ってたね。
まぁ若いし。


とにかく聴きたい曲は全部やってくれた。


ライヴ後、線路沿いのロックバーSTORIESでクールダウンン。
もう線路はないんだったっけ。

夜だったせいか、電車の走らない線路や車が通らない踏切、灯りと人影が無い駅
そんなものが静まり返った闇にあるということは
とても怖く感じられた

まるで核戦争が起こったか爆心地のような錯覚を覚える

店に入ればいつも通りなのだけど、
時折り地の底から地響きがする。
反射的に横を向いても窓越しには電車は走ってない
踏切も聞こえない。

電車の通る気配はするけど電車は見えず踏切の音は聞こえない。

地下化された小田急なのだけど。

慣れるのに時間かかりそうだ、これは。


これが下北沢GARDEN二つめの記憶


GANG OF FOURは1977年結成リーズ出身のバンド。
FASTのコンピレーションアルバムに1stシングル3曲が収録されているが、殆ど聴いてなかった。名前は良く聞くが何となく近寄り難いバンド。SCARS同様、意を決して聴いてみたのが2009年のこと。
1978年6月録音、10月にリリース。

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(FAST F11より)


「Damaged Goods」オープニングとエンディングで一瞬レゲエのビート、「Love Like Anthrax」一人が歌いもう一人が別の詞を読み上げるのはヴェルヴェッツ「The Murder Mystery」のスタイルに近い。「Armalite Rifle」ノイジーなギターが突き刺さる。「Love Like Anthrax」は「Anthrax」というタイトルで「Damaged Goods」と共に1979年1stアルバム「entertainment!」に収録。詞は差し替えられたらしい。

1980年のライブ


通過儀礼は念には念を入れて慎重に。しばらく冷却期間をおき2年後に1stアルバム「entertainment!」を ようやく目当てのRHINO盤で手に入れた。

これが凄く充実した内容で、ボーナストラックとして、まずは1980年10月リリースの「Yellow EP」。これにオリジナルアルバム未収録の1stシングルのカップリング「Armalite Rifle」や破壊ライヴでお馴染みの「He'd Send in the Army」(邦題「軍隊を送りこんだ男」)が含まれている。ここまでは他のフォーマットと同じだが、さらにRHINO盤は4曲。
そこには何とヴェルヴェッツの「Sweet Jane」のライヴが収録されている。テクニックも何もあったもんじゃない、これには痛快極まる。
さすがヴェルヴェッツの申し子たち。
ボーナストラックも含めオリジナルナンバーには歌詞が掲載されているのも嬉しい。

本編は、やはり1stシングルの「Damaged Goods」とイントロのフィードバックノイズが1分半の「Anthrax」(「Love Like Anthrax」から改題)が光る。そしてオープニングの「Ether」と「At Home He's a Tourist」。

全編を通してハードボイルド小説を読んでるようなスリリングさと、鋭利な光と濁った水路の異臭、緊急処置室のエーテルの匂い...そんなものを感じ取ることができる。

これは本当に聴いておいて良かった、心からそう思うアルバムだ。

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30年が経ちヴェルヴェッツの申し子として2009年5月ALL TOMORROW'S PARTITESに出演。

何ともやるせない気分になるけど、それを吹き飛ばしてくれるのが新ベーシストThomas McNeiceの動き。あのメンバーでこんなステージが展開されても平然と弾き続け、時おり見せるアクションが滅茶苦茶きまってる。

あまりにもかっこいいのでもう1曲。


ギャング・オブ・フォー「Anthrax」の映像を捜してるうちに見つけてしまった2009年9月8日ナイン・インチ・ネイルズの演奏。共演はゲイリー・ニューマン。共に今まで縁が無かっただけに。
特にNIN、怖そうだなあ。


NINがGary Newman、JOY DIVISIONや QUEENをカバーしてるのも収穫







2011年リリースされた新作「Content」のボックスセットにはメンバーの血液が封入されていることで物議を醸し出している。相変わらず怖い奴らだ。


もちろん持ってる


Andy Gill 1956.1.1 - 2020.2.1 R.I.P.


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