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検索難度が高いSCARS

SCARSは1977年結成エジンバラ出身のバンド。
FASTレーベルから出た1979年1stシングル「horrorshow」はタイトルのイメージ通り不気味でノイジーなサウンドに荒々しく言葉が乗る。

B面「adult/ery」はプリミティヴなドラムに妙にメロディアスなギターがかき鳴らされて良い曲だ。

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で...タイトルが分断されているわけ。

1979年1月に録音、リミックスされ3月にリリース。
1979年のライヴ

スコットランドのダンスロックバンド本領発揮。

このシングル1枚のみでFASTから去り、CHARISMAに移籍。

1981年にポップな「All About You」がラストシングルとなった。それがSILHOUETTEがカヴァーした曲だ。


PV監督Alex McDowellは'Rocking Russian' (ブラム・チャイコフスキーなどを手掛けた集団)を創立したデザイナー。コスチュームはピストルズ関係者とのこと。

同じように変貌を遂げたアダム・アンド・ジ・アンツやニュー・ロマンティックらの一連のムーヴメントの渦中、メロディアスに洗練されたサウンドはファッションも含めこの変貌はさぞ当時のファンを戸惑わせただろう。

同郷オルタード・イメージ「I could be Happy」のような曲なのだから。

TVショウ

う。まさにニューロマ、、、


唯一のアルバム「Author! Author!」は、ラストに据えられた 「All About You」のようなポップなナンバーは他に無い。

1979年ライヴ「Obsessions」

ギグの締めで定番だったというナンバー。


1979年ライヴ「Your Attention Please」

ギャング・オブ・フォーや同郷のシンプル・マインズの強力なライバルになっていたかもしれない、そんな気がした。

いいバンドだ。

1981年、アメリカ進出を狙った12インチEPがStiff Americaからリリース。

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2007年。「Author! Author!」は晴れて初CD化された。では1曲ずつ。


1.Leave Me In Autumn --- 歌い回しがスパンダー・バレエ「The Freeze」



2. Fear Of The Dark 

ジム・カー


3. Aquarama
4. David --- シンプル・マインズの1stアルバム風

 

5. Obsessions --- 後半の哀愁を帯ながらの疾走感

6. Everywhere I Go
7. Lady In The Car With Glasses On And A Gun
8. Je T'Aime C'Est La Morte
9. Your Attention Please --- イントロとエンディングで聞こえてくる音は世界終末時計に思える警告。
10. All About You

ここからボーナストラック

11. Silver Dream Machine --- カセットのみ収録だったナンバー 
12. She's Alive --- カセットとEPのみ収録だったナンバー
13. All About You (single version)
14. Author! Author! --- そのB面。これもエンディングが捻っている。


15. Love Song --- 1980年リリースのシングル
16. Psychomodo ---そのB面


17. They Came And Took Her --- 1981年リリースのシングル
18. Romance by Mail --- そのB面


残念ながらFASTからの1stシングルは未収録

流通量が少ない為か、高値でしか入手することができずにいたこのCD

が!

2020年(そう今年だ)10月30日に3枚組で再リリースされる

デモ、ライブトラックなど満載

ジョン・ピール・セッションやライヴ音源などを当時はYouTubeで聴いていた
Bone Orchard (unreleased)---FELTに近い
You Turn Me On (unreleased)---1981年6月ジョン・ピール・セッションでオンエアされた。
L'Afrique (live - unreleased)---1981年オランダ
Vanishing (live - unreleased)---1981年オランダ
Remember Me (live - unreleased)---1981年オランダ

このうち、「L'Afrique」「Vanishing」「Remember Me」が今回収録される。てことは同じオランダでのライブからあと8曲、収録される予定。

これまでちまちまYouTubeで聴いてたライブ音源がまとめて聴ける幸せ


但し1stシングル2曲のうち「adult/ery」はライブ音源のみ収録

「horrorshow」はデモとライブ。どちらもオリジナル音源は入ってないんかね。


7インチは高値が付いちゃって

そんな時は比較的流通してるFASTのオムニバス「Fast Product - The First Year Plan」を聴くべし

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ジャケットの展開図があってとても親切

まー面子の凄いこと

まだTGってたヒューマン・リーグとか

ギャング・オブ・フォーとかいずれも初期のレアなシングルばかり


ちなみにこのレーベルのラインアップは

FAST 1 The Mekons - "Never Been In A Riot" / "32 Weeks" / "Heart & Soul" 7" (1978)
FAST 2 2.3 - "Where To Now?" / "All Time Low" 7" (1978)
FAST 4 The Human League - "Being Boiled" / "Circus Of Death" 7" (June 1978)
FAST 5 Gang of Four - "Damaged Goods" / "Love Like Anthrax" / "Armalite Rifle" 7" (December 1978)
FAST 7 The Mekons - "Where Were You?" / "I'll Have To Dance Then (On My Own)" 7" (November 1978)
FAST 8 Scars - "Adult/ery" / "Horrorshow" 7" (1979)
FAST 9a Earcom One (The Prats, The Flowers, Blank Students, Graph, Simon Bloomfield and Tim Pearce) 12"
FAST 9b Earcom Two (Joy Division, The Thursdays & Basczax) 12"
FAST 9c Earcom Three (DAF, Noh Mercy, Middle Class, Stupid Babies, From Chorley) double 7" (1979)
FAST 10 The Human League - "The Dignity of Labour" 12" (some with flexi-disc) (1979)
FAST 12 Dead Kennedys - "California Über Alles" / "Man with the Dogs" 7"

(参考;vinylnet.co.uk. )


ヒューマン・リーグだけ持ってる。flexi付の12インチ

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ところで

Alex McDowellは1989年Maria McKee「To Miss Someone」のPVでは美術監督。


オルタード・イメージは1stシングル「Dead Pop Stars」が暗く沈んだマイナー調のサウンドでB面「Sentimental」が多少メロディアスだった。



2ndシングル「A Day's Wait」で多少暗さは解消、プロデューサーがマーティン・ラシェントの3rdシングル「Happy Birthday」でブレイク。

同じ路線での「I could be Happy」は4thシングル。1stアルバム「Happy Birthday」はタイトル曲のみマーティン・ラシェントで、それ以外は暗く沈んだサウンド。

というわけでALTERED IMAGESとSCARSとを重ね合わせてしまった。

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