40年も経てば命の価値なんて -20 JAZZ FUNK GREATS-

こいつの初回オリジナル盤を手に入れることは重要なのだろうか？

2000枚限定のポスター付だと市場で2万ほど
ジャケットが差し替えられる前のだと法外なはず

自殺の名所だけに自殺体が写り込んでるだの
なもん今どきじゃ珍しくもなんともないし
見ようと思えばいくらでも見ることができる

もちろん再発盤の

2011年の再発盤CD（勿論日本盤もある）に
そのものズバリが載ってるけど
これにしたってオブジェかマネキンだと言われればそれまで

ゲームやネットで麻痺した眼には何とも感じないし
もっと残酷で凄惨な映像が垂れ流されてのだから

死というのは非日常ではなく身近にあるからこそ
無様でかっこ悪くて汚くて
アイドルも身重も容赦なく「公平」「平等」に
ちっとも安らかなんかじゃなく
文字通り往生際悪く

死のうとして死にきれない奴もいるし
あっけなく死ぬ奴もいる

不慮の死、無念の死、事故事件災害戦争テロ
生まれてくるのも死んでくのも一生に一度きり

きれいに死のうなんて思っとること自体間違ってるよな
自分の意志とはお構いなしに木っ端微塵にされたり
ぐちゃぐちゃに潰されたり黒焦げにするんだから

へっ、変死体が山のように積み上げられてるぜ…

ヘロインが血管を巡り始めてキマってる時の一節のように
いつまで笑って見てる側にいられんのかわからないけど
死体を前に朗らかに記念写真を撮るのって
常人のすることじゃないですか？

命を守る力ってなんだろね

アメンボの肉球

池を棲みかにしてるのはオタマジャクシ、金魚、ザリガニ、カメなど。
底に映った影に、しばし見とれる。

ナスカの地上絵か、ミステリーサークルか...。

アメンボの足が水面に接してる影が描き出す不思議な模様は、陽射しの強さ・向き、水の透明度、底の浅さ、風など自然の産物が無ければ創り出せない。そして何より主役のアメンボ。

金魚が傍らを通ると波紋と共に肉球は消えてしまうが、じきに再び現れる。
水面の魔術師である。

京王線は運転再開してた

乗り換え駅で階段の壁にもたれかかってると
近くで泣き声が聞こえる

友達が自殺した　　芦花公園の人身事故　　飛び込んだのは友達
．．．とにかく帰るから
鳴きながら携帯で電話してるそれ以降は聞き取れなかった

思わず息を呑んだ

遅れた電車がホームに入ってくる

降りるとき、さっきの彼が空席を探して彷徨ってた

とても立っていられないのだろう
気づいたのが遅くて席を譲れなかった

何か声を掛けたり、肩を叩くのも　違うような気がした

思い上がりもいいとこだ

そのまま電車を降りた

自分も電車に飛び込んだり飛び降りたりしかけたことがあるので
躁鬱病ってのは結構、致死率が高かったりする
鬱はもちろん、躁状態が激しいとき妄想のままに迷うことなく死を選んでしまうのだから

でも残された者、周りのこと迷惑なんか考えやしない

考えたら自殺しない

ツイッターで直前まで書き込みをしてたそうだ

やりきれない

別に携帯やツイッターがあるから自殺が増えたとか減ったとかそういうことじゃなく
色々あっても最後は、自分でやるか やらないか、じゃないのだろうか

助けや救いを求めても、それを掬い上げてもらえなかったとき
絶望や迷いを抱え、最後はやっぱり自分しかない

もちろん家族や友人の支えというのも
でもそんな時は気づかないか 気づけないか 気づこうとしないか

とても気が滅入った

一進一退を繰り返しながら鬱々とした日々を送っているなか、

憩いの場が近所の庭園だった。

池には卵からかえったばかりのオタマジャクシの大群がいて、

時間を忘れて見ていた。

ある日、水際で戻れなくなったオタマジャクシをみつけた。

木の枝か何かで戻してやろうとしたら、その前に1匹のアリが尾の付け根に頭を突っ込んでいた。

おそらく内蔵を食べ始めているのだろう。
今さら池に戻しても無駄で、アリも溺れてしまうだろう。

なす術もないまま見守るしかなかった。

このことがいつまでも胸に引っかかっている。
激しく後悔した。

何千匹のうちの1匹を助けられなかったといって、それがどうしたというんだ。
でもとてもそんな気にはなれなかった。

腸を流しながら死んでいくエチオピア難民の子供の映像が目に浮かぶ。

生きることと死ぬことは自然界の中では、どちらも些細なことではないか。

悲しくて、ひどく落ち込んで気分が滅入った。

翌日、同じ場所に行ってみると跡形もなく消えていた。
そして池には何事もなかったかのようにオタマジャクシの群れ。

鬱状態での希死願望は自分という存在をこの世から消してしまいたい
死んで楽になりたい、なんだけど
いざ実行に移そうと思っても　その気力・体力がない
それでもなくなりたい願望が強くて実行に移す

でも躊躇って死にきれない
それで自分のしでかしたことの重大さに気が滅入り
激しく後悔し自分を責める
それで全く希死願望が消えたかと言うとそうではないものの
少なくとも命を絶つということの重さは実感してる

聞こえます？

2020.1.11