見出し画像

AVALON / ROXY MUSIC

       ・・・いまだわからないダンディズム・・・

画像1

ROXY MUSICはFMから流れてきた

それが「Same Old Scene」で、なんてかっこいんだと思ったものだ

この曲とボウィの「Stay」をエアチェックしたテープは繰り返し聴いた

その前にJonny Destry がカヴァーした「Dance Away」を聴いてるけど、
これは全く別物のアレンジだから。
オリジナルのアンニュイな感じもいい。

シングル「Avalon」はリアル・タイムで聴いた。
当時、全英1位のタイトル・ナンバーの良さがわからなかった。
ちなみに「More Than This」は今でもカラオケで唄うけど「Avalon」は唄う気になれない。
何で?

CD化されても前作「Flesh+Blood」や「Manifesto」は持ってて

特に「Flesh+Blood」は良く聴いたけど何故か「Avalon」には手を出さなかった

1995年頃に出た4枚組のアンソロジー「The Thrill of it All」で初めてCD音源を聴くことに

その後、紙ジャケットのBOX「THE COMPLETE STUDIO RECORDINGS 1972-1982」でアルバム全編通して聴いたのが2012年のことだ

だから比較的最近のこと

このBOXについてちょっこっと脱線しとこか

何せ6月に予約した際は5,000円足らずだったのだから。
10枚組でその値段ということは、ありがちな薄っぺらい紙スリーブに入ったものだとばかり思ってた。

届いた時、梱包の大きさと重さに驚いた。開梱してまたびっくり。

豪華な箱、開封してさらに驚き。

画像2


久しぶりに輸入盤の匂いにむせ返る。
まだインクの匂いも抜けきってないほど出来上がったばかりだということがわかる。

何と、全て見開きジャケットなのだ。
しかもコーティング。
唯一、アナログで持っている「Avalon」でさえ見開きジャケットになっている。
え?アヴァロンも見開き...

この商品についてはファンの間で熱い議論が交わされているが、
ま、これはこれでいいと思う。

確かに「Avalon」が見開きジャケットだったのはショックだった。
アナログがCD化される際のジャケットなんて、今でこそLPを忠実に再現した紙ジャケとかあるけど、
当時は、文字のバランスやデザインを無視したそれはそれはひどいものだった。

比べれば見開きになったことは、そう悪いことではない。

印刷も、特に写真が鮮やかで素晴らしい。
文字も活字から起しているかと思うくらい鮮明。

ただ、ライナー、歌詞の類は一切なく、その辺は徹底している。
なので図書館を活用。
さすがに「Country Life」を借りる時はちょっと恥ずかしかった。
ガキじゃあるまいし...

画像7


蛇足ながらROXY MUSIC史上最強の知名度を誇るこのジャケット

こんなのもありんす

画像8

ご不在なんですよお姉サマ方々

数年前までその存在知らなくて目を疑い思わずジャケ買いしてしまった、、、


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


大学の近くにある中古屋で「Avalon」のLPを買ったのは1983年の5月だった

入学直後に付き合い始めた子が「Avalon」を持ってて、
そいつを聴くのが部屋に行く口実でもあった

口には出さなかったけど「へ、どこがいいんだこのオヤジ...」

今で言う“枯れ専”のはしりと言えなくもないが

で、この記事を書くに際し調べてみたら
その時ブライアン・フェリー、37歳だったということがわかり愕然

今、55歳。ミドルステージからシニアステージに上がったばかり

けれども
ダンディズムなんてとてもじゃないけどわかる境地には至ってない

わかろうともしないんだけどさ


聴いてたのは18歳になるかならないか

案の定、自分でLPを買うハメになるのはそう時間がかからなかった

ガキはお呼びじゃないとさ

買った時点で相当使用感があるジャケットと歌詞カードで
その割りに安くはなかった
1,400円というのは当時の経済事情ではかなりの勝負価格

それほど当時は
まだ中古で流通していなかった

ところが不思議なことに盤は綺麗でノイズも無い
今、聴いても同じ

持ち主は余程、丁寧に聴いていたのだろう
あの歌詞カードの状態からすると滅茶苦茶聴き込んだと思えるのに

ヨレヨレのジャケットでも、はっとするような鮮やかで瑞々しい音

大事にされてたんだ

でも手放さざるを得ない

泣かせるぜ


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ジャケットもダンディズムの極み、としか書けん

「More Than This」
これぞまさしく名曲のお手本のようなもので
ドラマチックなイントロに滑り落ちていくような展開
限り無く甘美なサビ


3曲めのタイトルナンバーも終わり、やれやれこのアルバムも終わったな

そうじゃないでしょ

実は、ここからアルバムとしてのAvalonの本質が始まるわけで

と偉そうなことを書いてる自分、3曲めでターンテーブルから降ろしたクチであることを自白します

だって退屈そうだったんだもん

ねぇ、よく聴きもしないでさ

彼らもその辺考慮してインストの小曲を挟んでinterlude


「While My Heart Still Beating」のサウンドは、
後にFASHIONが「You in the Night」で使いヒットさせている。


今の季節のように身も心も引き締まる頃に聴く「Avalon」と、
鬱陶しい雨季に聴く「Avalon」とは当然ながら違うものに聴こえてくる
この記事を書いてる今は後者なんだけど、これが結構ハマるよね

レコード屋ではROXY MUSIC、プログレのカテに入ることもある

初期メンバーのブライアン・イーノとか、透明なヴァイオリンでお馴染みのエディ・ジョブソンとか
メンバーや客演がプログレ畑が多いことからで

本作もまるでNEU!のような重奏低音を思わせるサウンドなどプログレの残渣を感じとれる


一方、「To Turn On」なんてのは南国のビーチが似合う

曲が進むにつれ夕陽も身方に付けようかという勢いだ


そして、ラストの「tara」
すっかり陽は沈み夜のビーチ、波の音に消えていく

決まりすぎだぜブライアン・フェリーさんよぉ


全編これでもかというくらいダンディズムに満ち溢れている

ではダンディズムとは何ぞや?

それはブライアン・フェリーのヴォーカルそのものに他ならない

たゆたうように、一体どうやったらあんなふうにいつものらりくらり、
もとい、ふんわりと浮遊していられるのだろう

このアルバムもサックスが重要な役割を演じてて
それだけでオトナの音
当時の“ニューミュージック”の面々は、こぞってこのサウンドを採り入れる
ニューミュージックだけでなく歌謡曲も演歌さえもこの哀愁漂うサウンドだった


アルバムとしての完成度は高いけど、バンドは既に崩壊状態

それはTHE POLICE「Synchronicity」にも言えることだ

結局バンドとして最後のアルバムとなってしまう



「More Than This」のPV、どうしてもCHEAP TRICKの「If You Want My Love」と混同してしまう。
ライティングが似てて、同時期どちらも好きな曲と映像だからね

「Avalon」のPVは...っと。いまだに理解できない世界だなぁ。
同時期のULTRAVOX「Vienna」は好きだ。

ライヴは見とらんです。



スリムなVネックTシャツがいきなしレコード会社から送られて来た。

帯の裏にはアンケートに答えるとTシャツが1,000名、銀ネックレスが200名に当たると書いてある。
でもアンケート欄は切り取られずそのままだ。

どうしたんだろ

たぶん、ぴあの読者プレゼントだな

かなりタイトなVネック黒のTシャツの胸に小さくROXY MUSICと赤いロゴ。
ちょっと恥ずかしいのでアンダーウェアとした
冷房が苦手で、まだ弱冷房車もない時代だったのでシャツの下に良く着てたっけね。

1995年頃に4枚組のアンソロジー「The Thrill of it All」に抜粋された6曲、
そして「Avalon」のシングル・テイクが収録されている。

画像3


これ。ヴィジュアルブック仕立てで、往年のジャケットをモチーフにしたショットとか、見ても楽しめる
発売当初は高額だったけど、最近は中古で安く入手可能
持つべし


「Avalon」時期のライヴとしては、
1982年フランスでのライヴ音源が1990年に「Heart Still Beating」という2枚組のLPでリリースされている。
バンドが崩壊状態のライヴなんで、まぁこんなもんかブライアン・フェリーと彼のバンド的な。

画像4

(相変わらずのジャケです)


2001年に再結成したワールドツアーの音源は2枚組「ROXY MUSIC LIVE」でリリースされた
経緯など詳細はわからないけど、まぁ頑張ってるんじゃないの程度。
「Avalon」からも数曲、奏ってるけど「More Than This」は音が割れてるのか歪んでて酷いもんだ


2012年の紙ジャケットBOXのボーナスディスク「SINGLES, B-SIDES AND ALTERNATIVE MIXES」には
「More Than This」「Avalon」「Take a Chance with Me」のそれぞれ7インチヴァージョン、
「Take a Chance with Me」のUSA 7インチミックスが収録されている。

画像5

(秀吉か)

が、「Avalon」関連の曲で特筆すべき内容では、ない。

シングルは日本盤を稀に見かけるだけで、UK盤やドイツ盤の特に12インチは見たことがない。

アルバムだけ聴いてりゃ十分ってことだ


PVは2008年にDVD化された「Thrill of It All: A Visual History 1972-1982」に収録されている。
タイトル通り、「The Thrill of it All」の映像版だが、ライヴ映像が多く併せて40曲近く収録されている。
これも必携でしょう

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

前述の“バチもん”見開きジャケを今回、改めて見ると、
自然と「Tara」のエンディングが湧き上がってきた

画像7

そういうことかよ、

かなわんなオヤジ!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?