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TIN DRUM / JAPAN

・・・老眼鏡装着きっかけとなったジャケット、、、あれ?・・・

生まれてこのかたメガネ、コンタクトの類いとは無縁だったんで
ここ数年来悩まされてる老眼も、老眼用のコンタクトが良いかなぁと漠然と思ってただけで何のアクションもとってなかった

だが紙ジャケの内袋の歌詞は反則だろ、読めたもんじゃない
でも老眼鏡って常駐ツールでないし100均だって買えるでしょとそっぽ向いてた

きっかけは、ほんの些細なことで
机の上に置きっぱなしの「錻力の太鼓」のジャケットが眼に入った瞬間、閃く。そうだ、このメガネで老眼鏡ってどうよ?
そうなるともう止まらない
デヴィッド・シルヴィアンがかけているのがどんなものか調べてくうちに
あのジャケットはウォーホルのヘアスタイルとメガネを真似たということが判明。何だそうだったのか、じゃっ

そして週末、早速メガネショップへデヴィッド・シルヴィアンの写真を握りしめ...

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(「Forbidden Colours」ジャケットより)


そして購入

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すんません全然違うね


これで歌詞カードを拡大コピーしなくても済むし飲み屋のメニューも楽勝だぜソフトドリンクだけどさ

人生初のメガネ生活は、こうして始まった。

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さて本題

この作品だけ別もんなんじゃないかと思うくらい突出してるし案の定これを超えるものは現れずJAPANは灰燼に帰す

試しにベスト盤を聴いてみ?
便乗して出た「アッセランブラージュ」は初期の音源だから論外

「Quiet Life」あたりから兆候あるものの、それにしても前作と比べてその変わり様は激しい

うねりまくるMick Karnのベースは唯一無二のもので、彼のソロアルバムは当時リアルタイムで買ったJAPAN関連唯一のLP
このソロアルバムはとても良く、その後に出た作品も秀作揃い。
またまた脱線するけど彼はUltravoxのMidge Ureと共演したり
つくづく早逝が惜しまれる

そしてもうひとつの重要な要素がドラム、パーカッション

高校生だった僕はクラスの友達にはニューウェーヴやプログレを聴く奴らもいて、
僕がOMDとかHUMAN LEAGUEなんかを聴いてるに対し、彼らはCABARET VOLTAIRE、PILだもの
しかもそれぞれ「Three Mantras」「Paris Live」を話題にしてるから着いてけない

一度、「Three Mantras」と「Voice of America」を借りたことがあったけど理解を超えていた

そんな彼らが文化祭で音響担当だったからたまったもんじゃない
教室にMantrasが充満してるなんて尋常ではない

まともに聴けるようになったのはその20年以上経ってからだった

その彼が「Steve Jansenだったらキスしてもいいぜ」
なことを言っていた

は?

名前からして女性じゃなさそうだってことは何となくわかったけど
んーBoy Georgeで満足してた僕には計り知れない深い世界だった

そう言えば彼は
「めちゃくちゃ美形なんだ、David Sylvianよかね」
のようなことも口にしてたが、これもわからなかった。

今なら彼の発言に激しく同意するけど当時わからないなりにスティーヴ派とデヴィシル派に分かれ花を咲かせてたNW男子ちなみに共学だった


あららメンバー 一人一人に言及してたら夜が明けてしまう


さ、ほんとに軌道を戻して



邦題「錻力の太鼓」は言うまでもなく日本では1981年に公開された洋画のタイトルを拝借

原題もドイツ映画(原題「Die Blechtrommel)」)の英訳なんだけど、映画との関連は不明だ。
「Talking Drum」という曲の詞が唯一、映画の影響を受けていると思われる他は、
殆ど中国に関する内容で、随所にAndy Woholへのオマージュが感じ取られるくらい。
ナチ党と共産党を重ね合わせてるなんてのは早計過ぎるだろうし



アートワークに至っては、ジャケットが表すようにこれはもはやコンセプトアルバムといっても過言ではない。

1曲目からラストまで全編チャイナテイストだ

言うまでもなくYMOのそれと同一のベクトル

意地の悪い言い方すれば、ようやく名実共にバンド名に相応しいバンドになった


そもそも海外から見れば中国も日本も韓国も同じ

YMOが人民服を着てたように

そんなステレオタイプの東洋感を見事にデフォルメして表現してる


2003年にリマスター盤が出た際に「The Art of Parties」のシングルが同梱されたBOX仕様も出て、BOXのデザインはジャケットとは別の写真が使われた

これよっ

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ブックレットは写真満載
特にメガネをかけてない別ショットのジャケットが嬉しい
(今回の見出し画像がそれね)


まーしかし
初めて聴いた時は、金太郎飴のように、どこから聴いても同じだった。

本編は、たったの38分しかない
山手線1周できないよ

当時のニューウェーヴのアルバムなんてそんなもんだった

本当にあっという間に終わってしまう


とにかく彼らの様式美が大きく開花したこのアルバム、
シングルカットされた「Ghosts」は自身最高位を記録。
このような曲が大ヒットするというのは
ROXY MUSICの「Avalon」が1位になるのと同じくらい稀有なことだと思うけど
それが大英帝国ってもんだ。
サウンド的にはDEPECHE MODEの3rd辺りに通じるものも感じ取られる

「Talking Drum」でTOM TOM CLUB期のTALKING HEADSのアフリカ的なサウンドも聴けるし
タイトルをヘッヅに掛けてる?ってのは考え過ぎだろうか。
初期から取り込んでたファンクがここにきて評価されたと解説などには書かれている。

さらに「Canton」ではラテン楽器のクイーカ(NHK eテレの「できるかな」のゴンタ君の声を演じていた楽器)のようなサウンドが聴ける。

「Visions of China」では、得も言えぬ高揚感


P.Vや当時のライブ映像を当時はTVで見た記憶がない。ポッパーズでデヴィッドのソロ「Red Guitar」を見たことははっきり覚えているのだけど

ライヴ音源の2枚組「Oil on Canvas」は結局買わなかった
つまりその程度でしかなかったというわけだ当時
メンバーが脱退したり日本のバンドからサポートに入ったり、
ニュースでは耳に入ってもそれ以上のアクションを起こすまでのものではなかった

その「Oil on Canvas」は今に至っては、衝動的に聴きたくなる
スタジオ録音が数曲散りばめられ、ライヴ音源は、おそらくオーバーダビングなど施されているからライヴとは思えない音になっている

ま、通して“錻力の太鼓アレンジ”なんだけど「Quiet Life」もしっかり入って

あの頃は全くうわべだけしか聴いていなかった。級友の方がよっぽど本質をついていたってわけ

来日記念盤として発売されたのが「ナイト・ポーター」
当時はやってたピクチャーレーベルの大きいやつ

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「Night Porter」は「Gentlemen Take Polaroids」(孤独の影)からのシングルでリミックス。
「Ghosts」はロング・ヴァージョン、「The Art of Parties」はライブ・テイク、
「The Experience of Swing」は「Cantonese Boy」のカップリング。
「Life without Buildings」は「The Art of Parties」のカップリング。
「The Width of A Room」はシングル「Gentlemen Take Polaroids」のカップリング。
と、まぁ妙な選曲であったが当時は珍しいことでもなく。

「The Art of Parties」は「Oil on Canvas」とは別テイクらしいけど



ここに黴まみれの12インチ「Cantonese Boy」がある

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記録によれば1986年に買ってる

ということはジャケットだけの為だったと思う


この作品もおかげで“ちゃんと”聴けるようになった。

ちなみに
「Quiet Life」「Forbidden Colours」「Ghosts」の順ね、カラオケ頻度は。


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老眼鏡はメガネアイドル現場で活躍の場を拡げてますとさ、ちゃんちゃん


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