#「資金繰りを楽ちんにする5つコツ」

株式会社ファイブスター
代表取締役 中小企業診断士 上級ウエブ解析士
      金綱 潤
 資金繰りは企業が事業活動を行うための資金を常に確保しておくために収入と支出を適切に管理し、収支の過不足を調整する活動です。
 
 ですから「いくらいつ金が入って、いくらいつ出ていくのか?」についての管理の問題です。多くの経営者は「いくら儲かっているのか?」への関心が高いために、この
いつ金が出ていつ金が出ていくのか?」についてへの感度が鈍くなっています。
 
ピータードラッカーは著書の中で企業の経営目的は「顧客の創造」すなわち「お客様、世間へ本質的な価値を提供し続けていく」ことにあると述べています。
 また、「利益は企業の目的ではなく、企業目的を果たすための条件」と述べています。
利益がなければ企業は存続出来ませんし、持続可能な成長は望めません。その意味では
「儲ける」ことは重要なのですが、それと同様に本質的な価値を提供し続けていくためには、「お金」つまり「現金:キャッシュ」の管理も大変重要になります。
 
 では、会社の資金繰りを悪くする原因について考えてみましょう。
5つにしてみました。
 
一つ目:「収益-費用=利益」と「収入-支出=資金」を混同している。
 小学生の時、私は親から月初に300円のお小遣いを貰い、足りなくなると追加を請求する事を繰り返していたために、ある時親から「お小遣い帳」をつける様に厳命されました。
 その御蔭かお小遣い以外の臨時収入(お年玉等)や家の手伝いをしたご褒美のお駄賃もノートにつけ、いつ何にいくら使ったか?について段々把握が出来るようになりました。
 にもかかわらず、会社の営業会議では「売上中心のため」か取引相手別、商品別、部門別にいくら資金を残したのか?についていつの間にか「視えなく」なっているようです。
 前述した通り、入りと出の状況を過去、現在、未来で把握する「癖」をつけましょう。
 
二つ目:そもそもの自社のビジネスモデルを見直す
 仕事柄様々な業種・業態の事業者さんとの相談に乗りますが、お金に困っている方の
多くは「そもそも今のビジネスモデルが赤字になっている」事があります。
 昨今では円安のためとか、コロナの影響・・等の影響を赤字の原因にされている方も
多いですが、そうした外部要因が取り除かれた時には「本当に黒字になるのか?」についての客観的な分析が出来る方はまず居ません。
 経営は「環境適応」の側面もありますので、企業の内外環境の変化の「仕業」を赤字の原因にするのではなく、「御蔭」を黒字経営に導くための「打ち手」を考えたいですね
 此処でのポイントは「分解」です。売上、費用、利益の中身を適宜分解していくことです。売上構成比、売上粗利益率、固定費、変動費のバランス等「一段深く状況を視る」事が鍵になります。

 三つ目:義務と権利を意識しよう
 商売には義務と権利があります。それはお客様にモノやサービスを納品、または提供したら「お客様にお金を請求し回収出来る権利」と業者からモノやサービスを納品、または提供して貰ったら「業者へお金を支払う義務」です。
 それぞれに「期日」があります。此処で意識して頂きたいのは、この「タイミング」です。資金繰りが文字通り、「現金管理」です。売上とは違うものです。
 売れるからと思った仕入商品が思ったように売れずに倉庫に残ると「業者へ支払う義務」は残りますが「「お客様にお金を請求し回収出来る権利」は残りません。
 その他税金や社会保険料等、商売に派生して生まれる義務にも留意して資金が残る経営を検討してみるようにしてみましょう。

 四つ目:権利の保全に努めよう
 お客様にモノやサービスを納品、または提供したら「お客様にお金を請求し回収出来る権利」が貴社に生まれると説明しました。しかし権利は行使しないと意味がありません。
 また、相手がその反対の義務を果たさないと無意味なものになってしまいます。
コロナ禍、残念な事に取引先の倒産や入金遅れ等の悲しいニュースも目にしました。
 常に環境変化の中で活動している企業は「常に絶好調~!」と言う訳ではなく、「急激に売上が減少した」「資金が底をつくこと」もあり得る話です。しかしお客様の「懐事情」と言うのは目に見えないものです。
 期日通りに入金がなされない取引先や期日どころ支払い義務をバックられる方も生まれるのも残念ながら世の常です。
 「展示会で初めて知り合った業者から突然、大口の発注があった」ために、緊急対応して納品したものの、期日が来ても入金がなく、慌てて先方事務所へ出向くと代理人の弁護士名の「債権者の皆様へ・・」と言う貼り紙を視て甚大な損害を受けた事業者の方も居られます。電気代等のエネルギーコストや賃上げ対応等、今の企業には様々な支払義務が生じていますので、「お金が入る権利」の保全に努めましょう。

 五つ目:お金の集め方を意識しよう
 今の貴社の商品やサービスが魅力的で受注が殺到し、しかも現金取引であれば、その商売は利益も現金もドンドン増えていきますので、利益の蓄積だけに傾注すればよいでしょう。しかしながら事業活動には様々なフェーズ(局面)があります。
 例えば「お店を改装する」「営業車を購入する」「大規模な業務システムを導入する」等
多額の投資が必要な時や、震災等で使用不能となった工場の復旧等、平時と緊急時では
「お金の出方(流れ)」が異なるコトは良くあります。
 ですので、何処からいくら「お金を持ってくる(調達)のが良いのか?」についても
重要なテーマになります。例えば金融機関からお金を借りれば、期日が来たら、利息や元本を返済しなくてはなりませんし、ツケ(信用)で商品を仕入れたら期日までには現金を返さなくてはなりません。大企業であれば株式を買ってくれた株主へ配当を支払うことも
検討しなくてはならず、お金の集め方にも様々な「知恵」が必要になります。

詳細なコンサルテーションが必要になる事もある場合はお気軽にご相談下さい。
皆様の事業の成功を心よりお祈りします。
ご一読有難うございます。

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