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ガストバーナー危険浪漫譚/2023.02.25 Zepp Diver City & CLUB ROCK'N'ROLL

色々な縁が重なり、ガストバーナーは2/25に東京→名古屋で同日に2本ライブすることになった。


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 2月24日。終わらない仕事に歯向かっていると、気がついたら21時まで残業していた。こういう時に限っていくら朝から馬車馬のように働いても、人々の欲求が多分に込められた急ぎの仕事が次々差し込まれ、振り回されてしまう。
 急いで終わらせて、スーツのまま21時半発の最終の近鉄特急に飛び乗る。24時に名古屋でメンバーと集合してそのまま車で東京に向かう予定だから、ゆっくり寝るなら人類のゆりかご近鉄特急、ここしかなかった。
 といっても30分ほどしか寝れないまま名古屋へ着き、メンバーと、関西スタッフ出張編西尾さんと合流して東京を目指すことになった。今回の遠征の最大の課題は「いかに寝るか」だった。

[2]
 「せっかく車で何時間も数十分のライブ演奏のためにきたのだから、必ず見てくれよな」というオーラを発する、時に言動をする人がいるが、あなたが好きでやってることなのに、なんでそんなに恩着せがましくなれるのだろう、と思うことがある。
 きっとそういう人は、道中楽しくないのかもしれない。ガストバーナーは楽しい。控えるイベントに向かいながら他愛もない話をして、しょうもないことで盛り上がり、とにかく寝たり、人生を考えながらパーキングエリアに入ったりする時間はかけがえのないものだなと思う。
 加納さんがひたすら眠気を飛ばしながら運転し続けてくれたおかげで東京に着き、数時間ネカフェで仮眠をとった。明朝のネカフェはイスに突っ伏して寝る老人達と、とにかく他人を気にせず物音を立て続けることでしか自分を表現できない人たちが溢れて日本の未来が若干心配になったが、もう心配したって日本は明るくないし、体は疲れているしで案外しっかり眠ってしまった。

[3]
 大きいライブハウスでも、小さいライブハウスでも、僕たちのやることは変わらない。「みんなハイエースとかトラックで来てるのに、僕たちだけ小さいプロボックスだ!!」と言いながら現場入りすると、僕らの明らかに少ない機材量に見合わないほど沢山のスタッフさんが駆けつけて機材を運んでくれたので、少し申し訳なくなった。ごめんね、僕はスティックとペダルしかないんだ。
 

楽屋張り紙

 さっきまで残業していたのに、気がついたらこの楽屋にいた。人生はよく分からない。

リハ中
出番前

 ライブはお客さんがいようと、いまいと、小さかろうと、大きかろうと、どういう場所であろうと、ただいつも通り最高にやるしかなかった。どうせ最高なんだから仕方ない。
 ただライブ中、サブステージという特性上お客さんの顔がほぼ見えず、「あぁ、普段僕らはライブ中リアルタイムでお客さんの表情から仕草からパワーをもらいながらライブをしていたんだな」と感じて逆に日々のライブへの感謝が増していた。

セトリ

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 そのまま14時頃にお暇し、ガストバーナー一行は名古屋へ蜻蛉返りしていた。我々は20時から名古屋で2本目の出番がある。車ではライブ後のアドレナリンが出て落ち着けないまましばらく話していたが、ややもすると眠っていた。プロボックスは、メンバー同士で話すのには最高の距離感だけど、眠るにはお尻が痛くなってしまう。
 眠気とお尻の痛さの波を交互に感じているうちに西尾さんが法定速度で飛ばしてくれたので、なんなく名古屋へ戻ってきた。
 ライブハウスに入った途端、folcaがリハをしていて凄く安堵した。folcaの安心感ってどこからくるんだろう(そしてfolcaのライブがめちゃくちゃかっこよくて最高だった)。
 

名古屋本番前
せとりっちゃん
疲弊した我々

 ライブ中、HEREの武田さんが袖からずっと見てくれていた。スーパーヒーローに見守られながら叩くドラムは一層力が入ってしまったものの、シンプルにライブがとっても楽しかった。やはり我々は、いつだって最高のライブをするだけである。
 そして再びネカフェに滑り込んで泥のように眠り、今である。筋肉痛で重たくなった体を起こしながら、僕達はただ楽しくバンドをしたいだけだと再認識していた。今日はレコーディング。きっと今日も楽しい。バンドしてて良かったなー。

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