見出し画像

ガストバーナー危険浪漫譚 / 2023.2.12 寺田町Fireloop(マッチングツアー大阪編)

[1]
 ガストバーナーは四者四様で変な人たちだと思う。社会に少し適合しながらも、どうやっても社会に適合できないどうしようもない心のでっぱりを持った人達が集まって「生きづらい」と言いながら破壊的なポップを演奏しているからだ。
 行きの車で話していたのはあまり覚えていないけれど、大体は人生の絶望と諦観を明るく話している。

活気あふれるサービスエリア

 道中、活気あふれるSAに寄り、喫茶ラハトでひたすらのんびりし(忙しい時間にごめんなさいね)、我が大阪が誇るライブハウス、Fireloopに入った。
 僕の喉は何故か水曜あたりから若干の違和感があり、そのままハスキーボイスの水域にまで入ってしまい、ライブ当日にはほとんどまともに声が出せなくなってしまっていた。ドラムは体力が全てだから、楽屋の片隅で横になって寝ていると、僕以外のメンバーとセクマシの皆さんが談笑していた。
 本当はその話題に入りたかったけれど、声はまともに出ないし、休まないと良いライブできないし、いじけながらうとうとしているとあっという間にスタート時刻になっていた。

[2]
 セクマシ、なんて良いバンドなんだろう。そんな当たり前のことを感じながらライブを観ていた。会社員の代わりはいくらでもいるけれど、セクマシの代わりはない。声出しOKのライブを久々に目の当たりにして、喜びと共に不思議な気持ちになった。
 我々ガストバーナーも、日々の鬱屈をはねのけて楽しく演奏していた。コロナ禍で始まったバンドなので、声が届くという状況に若干驚きながらも楽しめたと思う。声のある方が異常に映ってしまうほど、随分と時を隔てていたのかも知れない。
 加納さんは弦を切って何故かハイになっていたし、りっちゃんはライブ終わりふにゃふにゃになっていたし、はるきちさんは会社勤めで無くしていた人間の眼を取り戻していた。やっぱり変なバンド!

セットリスト

 翌日僕は、声の出ないまま会社の役員面接をした。その時だけ気合いでハスキーな丁々発止のやり取りを行ったが、そのあとまた声がまともに出なくなってしまった。
 まぁ、声が出なくても、ビートがあるじゃないか。春は近い。セクマシとは、何度でもマッチングしたい。人生はまあ楽しい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?