怒る人と時間泥棒

[1]怒る人達
 本質の話をすると怒る人。会社にいるとかなりの人がそう。実のところは思考停止していたり、ただただ何も考えずにやっているだけなのに「私はちゃんと仕事をしている!」という強い自負があるので、そういう人たちに本質を突いてしまうと、自分が否定された気持ちになって怒り出したりする。そりゃそうか。
 僕はそういう人達を怒らせたりはしないけれど、「こうすればいいのに」というゴールが見えていて、その最短距離が見えていても、本質の話をすると怒る人を怒らせないように根回ししたり、余計な手間や言葉選びに考えを巡らせている時間がどうしても必要で、それが本当に勿体無いなと思う。
 僕が自分の人生を割かなきゃいけないのはそんなところなのか?と溜息をつきながら、帰っていく無責任な人達を横目に、誰かの残した不誠実の処理をしていた。

[2]時間泥棒
 他人の時間を奪うことに躊躇がない人。人生の時間は誰だって有限なのに、その他人の有限な時間に一片の申し訳なさもなく奪い取る人とは、それこそ一生の時間をかけても分かり合えないと思う。
 移動手段を速くして時間を短縮することを「時を金で買う」というけれど、実際の時間は一億出そうが一秒たりとも買えない。そんな完全に有限な時間を奪うことに躊躇がない人の思いやりのなさ、考えの至らなさに対して僕は「もう分かり合えない」と思ってしまう。
 会社には、本質の話をすると怒る人や、他人の時間を奪うことに躊躇がない人が案外沢山いる。まるでマインスイーパーで地雷を踏まないように言葉と行動を選んで少しずつ本質に迫る毎日だけれど、こうやって浪費された時間に巻き込まれるのも、一つ未来の自分の糧になるだろうなと思っている。事実は小説より奇なり、というけれど本当にそう。
 逆に本当に分かり合える人は、とてもとても少ない。そういう人たちに、自分の有限の時間を沢山割きたい。本質の話を沢山したい。分かり合える人、大切にしないとな。会社の椅子に座って、そんなことを考えながら時間の無駄にならないように仕事をしていた。

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