花の命

よく花の美しさは一瞬という人がいるが、それは蕾が咲いてから花弁が散るまでの事だけを見てるからそう思うんだよ。
種から柔らかく、幼く、可愛らしいつやつやとした新芽を出した時も、
一生懸命に、陽の光を吸って、ぐんぐんと背を伸ばそうとする時も、
蕾を膨らませて、開花に備えている時も、
花弁を風にはためかせて、甘い匂いをそこらじゅうに撒き散らしている時も、
実をつけて、少しずつ全体から生気が失われていく時も、
枯れ果てて、地味で大人しい姿になった時も、
そして、種になって、また綺麗な花を咲かせられるように季節を待っている間も、とても美しいじゃないか。それが、自分の中の生命の炎が尽きるまで、半永久的に、花は次の種を残してくれる。だからこそ、花は一瞬にも、永遠にも美しいものだ。

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